2010年10月30日土曜日

林檎(りんご)


             (りんごの名:秋映、あきばえ)
 志賀高原から長野市の方へ降りていくと「アップルライン」
という林檎畑の中を走る道路がある。
林檎狩りの看板が並んでいた。
種類によって赤い色もいろいろだった。
  
林檎の木は赤い実をつけて美しかった。
いかにも重たげに下がっている。
もぎ取り易く下がっているようにもみえた。
   
   
  飛び跳ねる少女りんごの匂いして      茜
  
   (とびはねるしょうじょりんごのにおいして)
  
秋の季語; 林檎

2010年10月27日水曜日

山薄荷(ヤマハッカ)


 夕暮れの早い山影は少しひんやりとする。
長かった夏を思えば極楽のような気候だ。
稲刈りも済んでしまい、気の抜けたような田んぼがある。
  
今年は赤トンボもあまり見なかった。
暑さと涼しさのバランスはどうなのだろうか。
そんな中、草花はしぶとく生きている。
山薄荷の匂いはほとんど無いと本には書いてあったけど
水色の花を揉むとわずかにハッカの匂いがした。  
・・・したような気がした。
     
   
    
  十月の夕日届かぬ山薄荷      あかね
  
   (じゅうがつのゆうひとどかぬやまはっか)
  
秋の季語; 十月

2010年10月23日土曜日

NHK俳句日和


 外出から帰ってテレビをつけると「NHK俳句日和」
が始まっていた。
今日の兼題「曲」が提示され、すでに投句締め切り時間
が迫っていた。 すっかり日にちを間違えていたらしい。
  
あわてて「曲」という文字を入れてPCから投句した。
それが、なんと、なんと、最終予選18句の中に
残ってしまったのだ。
全国からの応募総句数 8793句の中からである。
興奮したのは言うまでもありません。
残念ながら決勝には進めなかったけれど、うれしかったです。
写真は、選者 岩岡中正先生が解説しているところです。
   
  
 川霧を載せたる川の曲がりくる     あかね
  
  (かわぎりをのせたるかわのまがりくる)
  
秋の季語; 霧

案山子(かかし)


         (クリックすると大きく見えます)
久しぶりに案山子を見た。
へのへのもへじの顔が懐かしい。
隣へ少し小さな案山子が立っている。
  
こちらの顔は口紅が鮮やかだ。
よく見ると、手は細く分かれた枝を挿している。
手の繊細さに感心した。
ずっと仲良く二人で立っていたのだろう。
  
 
  
 棒の手を重ねて対の案山子らし     茜
  
  (ぼうのてをかさねてついのかかしらし)
  
秋の季語; 案山子(かかし)、稲の秋

2010年10月17日日曜日

唐辛子


道端で100円で買った唐辛子です。
窓辺に吊るすと輝いてみえます。
料理には余り使わないので、クリスマスの飾りに
する事にしましょう。
  
その無人店には、毎日いろいろな季節の野菜が置かれ
ます。 新生姜、かぼちゃ、大根の間引き菜、茄子等。
散歩のついでに覗きます。
秋の季語になる野菜ばかりですね。
有難い無人店です。
   
   
  吊るされて何したたらす唐辛子       茜
  
   (つるされてなにしたたらすとうがらし)
  
 秋の季語; 唐辛子
  

2010年10月13日水曜日

飛蝗(ばった)、 きちきち


 草むらから突然飛び立つ飛蝗は、草の色をしている。
気配に足もとを見た時は、すでに飛び立っている。
飛ぶと又草むらに着地するので、姿を探すのは容易では
ない。
  
この飛蝗は、片足が無かった。
人に捕まる時に落としたのかもしれない。
アレ、そう言えばこの前捕まえようとした事があるから
あの時の飛蝗かな。
  
  
 きちきちの直線飛行すぐに果て      茜
  
  (きちきちのちょくせんひこうすぐにはて)
  
秋の季語; きちきち(キチキチと翅を鳴らすばったの事)

2010年10月8日金曜日

一位の実(いちいのみ)


 通学路に沿って生垣が「一位の木」のお宅がある。
緑が濃い中に赤い実をつけていた。
そのままクリスマスツリーになりそうな色合いだ。
  
その実を一つ口に含んでみた。
甘かった。 種はプッと出した。
食べられると聞いたような気がしたけれど
帰宅してから調べてみると、種は猛毒とある。
米国の馬の死因の上位に「一位の実」を食べた事が
書いてあった。
ぞ~っとしました。  
もう道端で木の実の類は食べませーん。
  
  
 毒と知るはふふみし後よ一位の実      茜
   (どくとしるはふふみしあとよいちいのみ)
  
 手を挙げて交わす挨拶一位の実       茜
    (てをあげてかわすあいさついちいのみ)
  
  
秋の季語;一位の実

2010年10月3日日曜日

曼珠沙華(彼岸花)、 桃


 曼珠沙華は早くから咲いてもう盛りを過ぎようとし
ている。それでも、夕方草むらで見る華は幻想的だ。
  
少し歩くと、谷戸(やと)の人家を見下ろす所へ
出る。 山の影になって日暮れの早い村に灯が
つき始めた。 
この頃、あちこちから煙が昇っている。
今日の終いの草を焼いているのだろうか。
細く青い煙は谷戸を出ていかず、ゆっくりとそこらを
覆いながら広がっている。
  
この状景を句にしようと試みてきましたが、難しい
です。写真は望遠にして撮りました。  
  
   
  桃剥いていたわる言葉探しおり       茜
      (ももむいていたわることばさがしおり)

谷を這う煙の青く曼珠沙華        茜
       (たにをはうけむりのあおくまんじゅしゃげ)
   
     
秋の季語;  桃、 曼珠沙華