2010年4月27日火曜日

十二単衣(じゅうにひとえ)

      (クリックすると大きくみえます)

青い花は、アジュガ(西洋十二単衣)、
右奥の薄紫が、十二単衣である。

散歩の途中で見つけた十二単衣を、土手から一株いただいた。
ふかふかの土に、薄紫の十二単衣は幾つもの花穂を付けていた。
名前は知っていたが、初めて野に見つけたのだった。
又一つ 庭に野の花が仲間入りした。
アジュガは繁殖力が強く、どこへでも伸びていきそうだ。
野の十二単衣はどうなのだろう。
(ちなみに、一番奥の細い葉はニラです)
  
   
 息詰めて雉に近づく土ふかふか      あかね
   
  (いきつめてきじにちかづくつちふかふか)

春の季語; 雉、 十二単 

2010年4月15日木曜日

野焼き

                
                 (こちら側からも火が付けられた)
4月14日
箱根仙石原に車がさしかかると、沿道に大勢の人々が佇んで
いた。その視線の先に、野焼きの火があがっていた。
すすきの高原に火がつけられたのだ。
    
野焼きの火は一列になり、こちらへ向かって進んでいた。
火は風下から付けるのだろうか、煙を後ろへなびかせながら
静かに進んできた。
火が近づいてきたところで、こちら側からも火が付けられた。
すぐに、向こうからの火と一つになって大きく燃え盛った。
   
一転して風向きが変わり、観ている私達の方へ火の粉と共に
煙が襲ってきた。
皆、頭の火の粉とも煤ともつかない黒い灰を払った。
   
1ヶ月も遅れたという「野焼き」に偶然出くわし、火の勢いを
目の当たりにでき、なんと幸運だったことか。
時々聴く火にまかれる痛ましい事故を思うと、
一方向からのみ火をつけるやり方は、安全に思えた。
   
   
  煽られて野火一線に立ち上がる        茜
     (あおられてのびいっせんにたちあがる)
   
  野火うねり風を従え進みくる           茜
    (のびうねりかぜをしたがえすすみくる)
      
    
春の季語; 野焼き、野火

2010年4月11日日曜日

落椿(おちつばき)

お気に入りの小道はあちこちにある。
その季節になると必ず訪れてみたくなる所だ。
  
ここは椿園。1月から3、4ヶ月もの間、種類は変わるが
咲き続けている。
友人を案内して園内をめぐると、おおかたの椿は咲き
終わって いたが、桜の花びらが盛んに舞っていた。
数十種類の椿が植えられているが、
その中で「黒椿」の花が本当に黒かったのが印象的だった。
  
  
  影に来て風に会いけり落椿        茜
  
   (かげにきてかぜにあいけりおちつばき)

春の季語; 落椿

2010年4月2日金曜日

雉(きじ)

ここ数年ねらっていた「雉」を撮ることができた。
デジカメも4台目。倍数の大きいカメラになってようやく撮れた。

「ケン、ケーン」 鳴き声に探すと
小川を隔てて50メートル程先の土手に羽ばたいていた。
喉を搾るような鳴き声は、メスを呼ぶ声らしい。
一度鳴くとしばらく間をおいて、遠くの藪から声が返ってきた。
別のオスが鳴いているのかもしれない。
それにしても、どういう田舎なのでしょうか。
我が家から20分も歩くとこんなに長閑(のどか)なのです。
  

  雉啼くやつぎ啼くまでの山の青       あかね

    (きじなくやつぎなくまでのやまのあお)

春の季語; 雉