2011年3月29日火曜日

啓蟄(けいちつ)


 どこへ歩いても春の草花がある。
土の中で待っている間に蓄えた力が
いっきに噴出している。
ハナニラは春一番に出る花だ。
この庭の持ち主も、こんなに自然に出る草花に
楽しいひと時を過ごすだろう。
花も子供達もうれしくなる季節である。  
  
  
 啓蟄やうれしくてただ押し合える    茜
 (けいちつやうれしくてただおしあえる)
  
  
春の季語;啓蟄

2011年3月25日金曜日

春炬燵


 水仙の蕾が樹の根元に抱えられるようにして出ていた。
いつからここに根付いたのだろう。
寒い冬にはこの根の下で冬眠し、暑い時には
木陰に守られるだろう。
そばに何かがあり、それに支えられて生きられれば
幸せというものだろう。
  
被災地の状況は日を追って本当の悲惨さを伝える。
毎日温かく過ごしている私に
慰めの言葉もみつからない。
   
  
  
 誰が為の涙あふれる春炬燵      茜
(たがためのなみだあふれるはるごたつ)
  
  
春の季語;春炬燵

2011年3月21日月曜日

草摘み、ホトケノザ


 川沿いの土手は、春が弾けていた。
田んぼの畦も「ホトケノザ」で埋め尽くされていた。
南風が暖かで日差しも心地よく、
この1週間の出来事は嘘のようにも思えた。
  
俳句を作るひとときだけでも心を遊ばせ、現実から
離れる事が出来るのです。
(仏の座は食べられないので春の七草には
 コオニタビラコを代用食にします)   
   
  
 草摘んで降りきし土手の遠くあり    茜
 (くさつんでおりきしどてのとおくあり)
  
 摘草や平らな川の土手高し       茜
 (つみくさやたいらなかわのどてたかし)
   
    
春の季語;摘草

2011年3月18日金曜日

がんばろう!日本


 津波で被災された方々の映像を観るにつけ
いたたまれなくなります。
悪夢のような映像、その中でも譲り合って
生活なさっている姿に心打たれます。
 原発の事故に対しても、必死で作業なさって
いるだろう、その方の家族をも思いどうか
早く無事で処理が済みますようにと祈る気持ちで
一杯です。一時の停電なんてなんでもありません。
協力できる事は何でもやります。
 
いつの時代も頑張ってきた日本!
がんばろう日本!
みんなで乗り切りましょう。
   
  

2011年3月16日水曜日

花菜


 停電が輪番制で行われている。
地震で発電所が幾つか動かなくなり、電気が足りないらしい。
その一つの原子力発電では、次々と事故が起こり
我々にはどの程度の規模のものかわからない。
この狭い日本列島で、どこへ避難すればいいのか。
ガソリンも売り切れ、逃げる手段もなくなっている。
地震、津波、原発の事故、これ以上の怖ろしい事が
あるだろうか。
  
昨夜はローソクと、懐中電灯にレジ袋をかぶせた
灯をぼんぼりに見立てて食をとった。
   
   
  
 蝋燭の灯に押されおり花菜和え    茜
 (ろーそくのひにおされおりはななあえ)
  
  
春の季語;花菜、菜の花

2011年3月12日土曜日

河津桜


 昨日の地震津波での被害、皆様の所は
いかがでしょうか。体が震えるほどの恐怖で
テレビ画面を観ました。
皆様のご無事をお祈り致します。
  
 河津桜は、いち早く咲き今が満開です。
ピンク色が鮮やかでまだ大木にはならなくても
りっぱに咲いていました。(松田町の河津桜)
   
   
  
 力抜くように抓んで鶯餅    茜
 (ちからぬくようにつまんでうぐいすもち)
   
   
春の季語;鶯餅

2011年3月9日水曜日

こごめいぬのふぐり


 「いぬふぐり」は瑠璃色だとおもっていた。
ところが、小石川植物園に白いいぬふぐりが
咲いていた。
日の当たるところ、木陰にも固まって咲いている。
この植物園は、野の草花が芝生の中に自然に
咲いているから面白い。
雑草として扱われていないのだ。
1ヶ月もしたら、クロッカスの野原になるだろう。
それらしい葉が芝生のいたるところに青々と出ていた。
   
   
 
 いぬふぐり案内図には記されず    茜
 (いぬふぐりあんないずにはしるされず)
  
  
春の季語;いぬのふぐり

2011年3月6日日曜日

囀り(さえずり)


 鳥は林檎をつつく時、林檎の中心へ
向かってつつくらしい。
幾度も同じところから攻めていくらしい。
そういえば、木に穴を開けるキツツキの種類も
木の芯に向かって、くちばしをたてるのだろう。
くちばしの長さはどれ位あるのだろうか。
夕方には林檎は下へ落とされてほとんど形は
残ってなかった。
囀りのたびに林檎に来たのではと気になった。
   
     
   
 囀りのはたと止みては身を固く    茜
  
    
春の季語;囀り

2011年3月3日木曜日

残雪


 今日の大山(おおやま)です。
今朝は庭に薄氷も張っていましたから、昨夜また
新しく降った雪かもしれません。
今年は一度降った後ずっと白さを保っています。
標高1250mの高さのこの山は、雪が積もったという
話を聞くとわざわざ眺めに出るくらいに
珍しいのです。
雨乞いの雨降山(あめふりやま)がなまって
阿夫利(あぶりやま)と呼ばれています。
麓には芽吹きも始まり、色づいた木々が見えます。
(望遠で撮りました)  
  
  
 残雪を守りとおして阿夫利山     茜
 (ざんせつをまもりとおしてあぶりやま)
  
  
春の季語;残雪