2011年8月30日火曜日

秋めく


 通りがかりに見つけた葡萄。
駐車場のフェンスに絡まっていた。
そっと葉を上げるとこんなに熟れている。
植えた人は忘れているのかしら。
爽やかな色が美しい。
小鳥もまだ見つけていないらしい。
ああ・・気になるなあ。
   
   
   
  
 秋めくや凌ぎやすさを挨拶に       茜
 (あきめくやしのぎやすさをあいさつに)
   
   
  
秋の季語;秋めく

2011年8月28日日曜日

夏料理


 野菜の寒天寄せを作りました。
材料は、できるだけ詰め込み、浮き上がらない
ようにしましたが、それが失敗のもと。
最後に入れた「くらかけ豆」が溢れて崩れてしまいました。
オクラ、トマト、パプリカ、ネギ、セロリ、茗荷
カニ缶、くらかけ豆 が入っています。
寒天をスープの素で味つけて、並べたあとから
流しいれました。
ちょっと崩れて残念。
   
   
   
 
 ひと皿の余白は渚夏料理       茜
 (ひとさらのよはくはなぎさなつりょうり)
   
   
  
夏の季語;夏料理 

2011年8月25日木曜日

穂草の実(ほくさのみ)


 山を歩いていると、思いがけない物に出会う
事がある。
この切り株もハートの形になっていて面白い。
置いた人も、そう思って置いたに違いない。
切り株の上の、紐のような花殻は、きっと木の花
だろうと思う。
すこし涼しいこの辺りの、里山ではとうに散って
しまった「きぶしの花」のようにも見える。
それとも「スダジイ」の花殻だろうか。
木陰でしばし休んで、又歩いた。
   
句には草の実として詠みました。
   
  
   
 切り株に風の置きたる穂草の実      茜
 
 切り株のハートの形小鳥来る       茜
     
   
   
秋の季語;穂草の実、小鳥来る   

2011年8月22日月曜日

秋蝶(あきちょう)


      (アカボシゴマダラチョウ)
 何という蝶だろうか。
暑い日の夕方、庭に水を撒いている時に気づいた。
土の色に似て地味な色だった。
ゆっくりと翅を開いたり閉じたりして水を吸っていた。
口吻というのだろうか、舌のような黄色の管を
伸ばして、せわしなくその先を動かしていた。
  
翅の端はちぎれてギザギザになり、傷ついている。
10cmほどまでカメラを近づけても逃げない。
よろよろと移動しては水を吸う。
そんなに喉が乾いているのか、遠くから旅してきたのか。
聞いてみたい気がした。
次の朝にはもう姿は見えなかった。
    
   
   
 秋蝶の吹かれて来しか水を吸う   茜

 秋蝶の水吸う野辺や旅の果て    茜
    
   
   
秋の季語;秋蝶

2011年8月19日金曜日

トマトのかき氷


 トマトを1個冷凍庫に入れておき凍らせます。
コチコチに凍ったトマトを大根おろし器で
すりおろすだけです。
砂糖をふりかけて
ブルーベリーをトッピングしました。
テレビで観たアイデアは即いただきです。
  
口に入れるとすぐ溶けてしまい、
ほのかな甘味がイケマス。
お試しあれ。
   
   
  
   
 意気込みの崩るは速しかき氷      茜
 (いきごみのくずるははやしかきごおり)
   
 流すだけ流せば汗の涼しかり      茜
     

   
夏の季語;かき氷、汗、涼しい

2011年8月17日水曜日

キツネノカミソリ


 草を刈った斜面は「キツネノカミソリ」が群生
していた。彼岸花科。半日陰に咲く。
春、カミソリに似た長い葉を繁らせて、あおあおと
した土手だったが、今はこの花で夕日の色に
染まっている。
  
花の咲く場所をだいたい把握しているので、時期が
来ると、見にいかずにはおれない。
散歩も目標地があると、歩も軽やかになる。
だから、今日は「キツネノカミソリ」まで来たのだ。
   
   
   
 刈草の匂うキツネノカミソリよ     茜
  
 
   
   
秋の季語;キツネノカミソリ

2011年8月13日土曜日

水遊び


 石を丸く積んでいた。
こうして置くと隙間から魚が入り、出る時には
あわててすぐには出れないのだそうだ。
・・と聞いたことがある。
子供達は飽きたのか、離れた所で魚釣りを
始めていた。
   
子供時代はすぐに終わる。
暑い日の盛りでもいとわないで走りまわり、
汗しても気にならなかった頃、
水辺での遊びは事のほか楽しかった。
川の水が入らないように、岸辺に石を積んで
小さな囲いを作っても、水はどこからともなく
入ってくるのだ。
小さな小エビを入れていても増えてくる水と共に
どこかへ消えてしまうのだった。
懐かしい石を積んで作った輪、きれいな輪に
しばらくみとれていた。
   
   
      
 石積んで水に抗う水遊び      茜
 (いしつんでみずにあらがうみずあそび)
    
 自転車を草に投げ出し水遊び    茜
   
  
夏の季語;水遊び、夏休み

2011年8月10日水曜日

端居(はしい)


 ブルーベリーの木が2mを超えている。
庭の隅に植えて10年以上も経つと、実も大きく
なったような気がする。
1週間採るのを忘れていたら、一度でこんなにとれた。
両手に余るほどの収穫だ。
夕方通りかかった友人を招いて、一緒に摘んだ。
摘みながら食べてしまう。
1cm程の小さな粒は、きりなく食べられる。
  
ものの本によると、株立ちの中の古くなった木は
切り捨てた方が新しい芽がでてくるから良いと
書いてあったけれど、まだその気にはなれない。
   
   
      
   
 ブルーベリー手に分け合える夕端居     茜
 (ぶるーべりーてにわけあえるゆうはしい)
 
  手を握る安らぎのあり生身魂        茜
 (てをにぎるやすらぎのありいきみたま)
   
   
 
夏の季語;端居(家の縁先に座る事)、生身魂

2011年8月6日土曜日

木下闇(こしたやみ)


 前日の雨で小径は湿っていた。
敷き詰められた木っ端が、たっぷりと水を吸い
ふかふかと湿っていた。
この森の中の本筋の道は、木っ端で明るい色
だったが横の獣道に入ると、とたんに暗くて細い
でこぼこ道となった。
脇から伸びている枝を払い、落ちている木を跨ぎ
ながら進んだ。
すると、いつの間にか元の明るい小径に戻って
くるのだった。
珍しい草、茸、詳しく見ていると進まない。
ゆっくりと歩いて森林浴を楽しんだ。   
   
   
     
   
 行くほどに水の匂いの木下闇     茜
  
 鳥になり風にもなりし森林浴     茜
  
  
  
夏の季語;木下闇、森林浴