2011年10月30日日曜日

新米


 今年も新米が届きました。
有難いことです。職を退き代々の田を受け継いだ方
が送ってくださるのです。
「イクヒカリ」「ヒノヒカリ」、早生米と晩生米
だそうです。
さっそく炊いたご飯は真っ白に光っていました。
仄(ほの)かに甘く、飲み込んでしまうのが
惜しいくらいです。
   
    
   
  
 新米に力をもらう朝餉かな       茜
 (しんまいにちからをもらうあさげかな)

 新米を盛り万象に感謝せり        茜
 (しんまいをもりばんしょうにかんしゃせり)
   
   
   
秋の季語;新米

2011年10月27日木曜日

箒木(ははきぎ)、ははきぐさ


 箒草(ほうきぐさ)とも呼ばれているこの草は、
夏の季語です。
実は「とんぶり」と称し若葉とともに食用になり
ます。
しかし、今赤く色づいた草は、はっと人目を
ひくほどの美しさです。
このあと箒として加工されるのでしょうね。
秋の赤に入れましょう。
   
  
  
  
 箒草赤し秋日をなお透かし       茜
 (ほうきぐさあかしあきびをなおすかし)
     
     
  
秋の季語;秋日  

2011年10月24日月曜日

赤まんま(犬たで)


 我が田のごとく見回っているこの田園に、今年の
春ちょっとした変化があった。
一番早くから耕し草取りは欠かさず、稲刈りも
まっ先にやっていたお爺さんがいました。
ある春の日、半分耕した田を残してばったり姿を見
せなくなった。
その田だけが水を張られることもなく
草の花だけがたくさん咲いた。
農薬が少なかったのか絶滅危惧種の「イヌゴマ」や
「サクラタデ」等咲ききれいなお花畑になっている。
お爺さんを待っているかのようです。
写真はイヌタデです。赤まんまとも呼ばれています。
   
   
   
 休耕田の暮色明るく赤まんま       茜
 〈きゅうこうだのぼしょくあかるくあかまんま)
 
 草の穂や歳をとられてしまいけり     茜
 (くさのほやとしをとられてしまいけり)
     
     
     
秋の季語;犬蓼(いぬたで)、赤まんま、草の穂絮  

2011年10月22日土曜日

秋の鷺(あきのさぎ)


 電柱の上に青鷺がいた。
飛び立つのを待っていたが、いつまでも動かなかった。 日が沈みまだ明るさが残っている山の方を、じっと見ているのだった。
   
ただ座っているだけ、こころを空っぽにして瞑想する
座禅の姿をふと想った。
  
鷺、青鷺は夏の季語ですが、「秋の」を付ければ
秋の季語として使えます。
   
   
   
   
 暮れゆくを打ち眺めおり秋の鷺      茜
 (くれゆくをうちながめおりあきのさぎ)
      
   
夏の季語;鷺、青鷺

2011年10月19日水曜日

秋蒔(あきまき)


        (写真は私が作った菜園)
7,8年前、小さな菜園を借りていた。
種を蒔くと芽が出て、育て、収穫するまでが
一刻も目を離せない程の喜びだった。
狭い土地に、欲しい野菜の種をありたけ蒔いて、
あまりにも隙間がないので笑われたものだった。

写真の花は「サルビアレウカンサ」
小松菜、山東菜、かぶ、青梗菜、大根、ネギ、玉葱
水菜、春菊、サラダ菜、ルッコラ、
思いつく野菜は全部蒔いた。
秋蒔きの野菜は強く、冬を越して春先まで楽しめる。
菜園で作るのを止めた今は、
プランターに「ルッコラ」を作っている。
   
   
   
  
 秋蒔の畝の湿りを均らしけり      茜
 (あきまきのうねのしめりをならしけり)
   
   
  
秋の季語;秋蒔

2011年10月17日月曜日

鰯(いわし)


 一年中出まわっている鰯ですが、秋の季語に
なっています。 
脂がのって美味しい時期だからでしょう。
少し小さかったのですが、
手開きにして塩を振り、3時間ほど干しました。
さっとあぶるようにして焼くと絶品。

「昼ごはん」
 さつま芋と炊いたご飯
 鰯の塩焼き
 大根間引き菜の付け合せ
 トマトベースの具だくさんスープ
  
   
   
     
  鰯干す山よく見えるベランダに      茜
   
   
   
秋の季語;鰯

2011年10月14日金曜日

蕎麦の花


 蕎麦の花はやさしい色をしている。
乾燥した土地や痩せた土地などでも栽培できる。
種まきから2、3ヶ月程で収穫できることから
救荒作物としても重宝されてきたようだ。
   
この豚小屋は、何百頭も飼われている工場のような
所である。
時折、物凄い豚の鳴き声が悲鳴のように聞こえる。
餌をもらう時間なのだろうか。
売られていく時間なのだろうか。
   
   
   
 豚鳴くや慈愛の色の蕎麦の花      茜
 (ぶたなくやじあいのいろのそばのはな)
   
   
  
秋の季語;蕎麦の花

2011年10月11日火曜日

ヒヨドリジョウゴの実


 9月24日に花を載せましたが、実がつき色づき
ました。
赤い実は、「液果」といってつぶすと赤い汁がで
ます。
ほおづきもこの種類でしょうね。
毒性の実ということで、潰したあとは手を洗いました。
下の方には「アカマンマ」といわれる「たでの花」が
咲いていました。
秋の草花は実をつけながら、きれいです。
     
      
      
 同じ道通りしきし犬いのこずち     茜
    
         
 満月は正面の顔草濡れて        茜
 (まんげつはしょうめんのかおくさぬれて)
   
   
  
秋の季語;月、いのこずち

2011年10月8日土曜日

ひょんの実


 「蚊母樹」(イスノキ)と読める方はあまり
居ないでしょう。
このイスノキの葉にアブラムシ等が巣食い、
虫瘤を作り大きくなったものが「ひょんの実」と
呼ばれています。
この大きな方の実には穴があいていますが、中の
虫が出ていった跡のようです。
穴に口をつけて吹くと「ホーホー」「ヒョー」
と懐かしい音がしました。
ここから「ひょんの実」「ひょんの樹」とも呼ばれ
ているようです。
   
  
      
  
 ひょんの実を吹くや何かが目覚めたる   茜
 (ひょんのみをふくやなにかがめざめたる)
   
   
  
秋の季語;ひょんの実、ひょん

2011年10月4日火曜日

ピクルス


<コメントが入らなくなっています。
<良かったらメールにて送ってください。
<こちらへ掲載させていただきます。
   
カリフラワーと人参のピクルスです。
酢に、にんにく、フェンネルの種と花、月桂樹の葉
だけの味付けです。
そのまま食べると酸っぱいのですが
これを牛肉や豚肉と一緒に炒めるとグッドです。
  
ポルトガルの食堂で食べた味を再現しました。
外食して気に入ったメニューは我が家で作ってみま
す。これもその一つです。
酢も一緒に加えると、あっさりとして肉の旨みを
引き立てます。
   
   
   
 ふいに子の来てのひととき後の月     茜
 (ふいにこのきてのひとときのちのつき)  
   
     
   
秋の季語;後の月(十三夜)

2011年10月1日土曜日

野葡萄(のぶどう)


 俳句の季語には、山葡萄、野葡萄は同じに分類
されているが、植物としては違うものだ。
山葡萄は食べられるが、野葡萄は食べられない。
虫と野鳥にまかせておきましょう。
   
わたしがよく歩いている里山は、特別な名前等
ついていない、丘のような場所だ。
手入れもあまりされていない所は、決まって
竹が雑草のごとく繁っていたり、倒れた木や草が
そのままだったりする。
だからこそ、なのか、山葡萄や野葡萄、オニドコロ、
ヒヨドリジョウゴといった珍しい草花に会う事が
できる。
   
   
   
  
 野葡萄や裏山という呼ばれよう      茜
 (のぶどうやうらやまというよばれよう)
   
   
秋の季語;野葡萄