2012年3月30日金曜日

まんさく


 春に先駆けて、「まんず咲く」というところから「まんさく」という名になったとか、豊年満作から命名されたとか言われている。
欧米でも魔女のはしばみと言われて人気があるようだ。
花びらが、りぼん状になっているのが面白い。

この辺りの古い農家には、白い土壁の土蔵が残っている。外から見るかぎりでは、今どのように使われているのか解らないが、高い所にある四角い窓がいつも開いている。
開けっ放しなのだ。その窓も相当の厚さだから土壁の厚さがわかるような気がする。
   
   
  
  
 まんさくや開けっ放しの蔵の窓      茜
 (まんさくやあけっぱなしのくらのまど)
   
   
春の季語;まんさく

2012年3月26日月曜日

春の夜空


 金星 月 木星と一列に並んでいます。
珍しいことらしいです。


  春の夜の串団子とや空架けて    茜
  (はるのよにくしだんごとやそらかけて)

若布(わかめ)


 大磯(神奈川)の海岸は、小さい砂利の混じった砂浜だった。その波打ち際に、たくさんの若布が打ち上げられていて、ほとんどが黒く乾いて強く握るとくだける程パリパリになっている。
これを水にもどして茹でると、さ緑の美しい若布になるに違いないと思っていた。
ところが茹でても硬いし、色も変わらない。
若布では無かったのか、一緒に拾った皆さんはどうなさったでしょう。
   
   
   
   
   
 小石抱く若布は風に飛ばされず     茜
   
   
春の季語;若布

2012年3月24日土曜日

クリスマスローズ


 玄関先のクリスマスローズが咲いていた。
気がつかなかったけれど、近頃の春らしくなってきた気温で咲き始めたらしい。
いろいろな色があるが、我が家のはもっともポピュラーな花の色と言えそうだ。
少し下を向いて咲くのが特徴である。

絵皿はスケッチしたクリスマスローズです。
800度で焼付けました。

2012年3月20日火曜日

春の夜


 この樹の根はどこまで伸びているのだろう。
宮脇昭先生(横浜国大名誉教授)の推奨される
「命を守る300キロの森作り」の話をラジオ、
テレビで聞いた。
津波で流された松林を教訓に、深い30メートル位
の穴を掘り、その中に毒や危険物を取り除いた
瓦礫を砕いて土と一緒に埋め、小高い山を作り、
そこへその土地本来の根の張る広葉樹等の
深根性、直根性の樹を混植、密植する事で、
豊かな森の防波堤を作ろうというお話だった。
根は瓦礫を抱き込み、強くなった樹は、津波の
エネルギーを減らし、沖へ流される人を減らす
だろうと話される。
約20年で豊な森に育つだろうという素晴らしい
アイデアに耳を傾けてもらいたいとせつに思った
夜だった。
   
   
   
  
 春の夜の目を閉じて聞く馬頭琴     茜
 (はるのよのめをとじてきくばとうきん)
   
   
春の季語;春

2012年3月16日金曜日

山茱萸 (さんしゅゆ)


 山茱萸は早春を代表する花だ。
黄色の小さな花が集まって泡のように一つの
ガクに納まっている。
昔からの農家が多いこの辺りでは、庭に色々な
木の花が咲いて、主も名前を忘れているような
古く懐かしい花に出くわす事がある。
少し耳の遠くなられたお爺さんも「確かそんな
名前だったかな」と山茱萸の名にうなづかれ、
いつでも庭に入って撮りなさいと、突然現れた
私を歓迎してくれた。
天気も上々、良い日だった。
   
   
      
 
 山茱萸のあわあわ風の出てきたり    茜
 (さんしゅゆのあわあわかぜのでてきたり)
     
   
     
春の季語;山茱萸(さんしゅゆ)

2012年3月14日水曜日

白椿


 椿は大島等では昔から重宝されてきたようだ。
畑や家の周りに植えて防風林に、落ちた葉は堆肥
にし、堅くしまった樹は炭や家具材に、実は油に
利用法はいろいろあるらしい。
花は、ガクの部分から丸ごと落ちる事から不吉と
されているが、花言葉は「誇り完璧な魅力」、
白椿は「理想の愛」というそうだ。
潔いのが特徴だろう。
白椿はその白い花のままでいるのは短い。
日差しに少しづつ黄ばみ、その濁ってきた色に
耐えられなくなった時落ちるのだと思う。
      
   
   
  
 ふりそそぐ日に傷つきし白椿      茜
  
   
   
春の季語;椿

2012年3月11日日曜日

花種蒔く


 プランターにルッコラ(上)、パクチー(下)
を、蒔いたのは去年の11月だった。
冬の寒さもなんのその、元気で育っている。
  
・アブラナ科のルッコラ(伊)はロケット(英)
 とも呼ばれ和名ではキバナスズシロという。
 胡麻の香りのする菜でサラダに。
・パクチー(タイ)又は香菜(中国))は香りの
 強 さで嫌うむきもあるが我家ではそのくせの
 ある匂いを楽しんでいる。
  
両方とも自然に育つ便利な野菜だ。
花も楽しみ、種まで採って次ぎに又蒔いている。
   
    
    
  
 蒔いてすぐ土に紛れし花の種       茜
 (まいてすぐつちにまぎれしはなのたね)
   
      
   
春の季語;花種蒔く

2012年3月8日木曜日

目借時(めかりどき)


 春の暖かさは眠気を誘う。
元気に鳴く蛙の声を聞くと、うつらうつらと眠く
なる自分の目を蛙が借りるのではないかというの
で、この頃の時候を「目借時」という。
  
友人が焼いてくれたケーキ「ブラウニー」は
チョコレートやココアを使ったケーキ。
ねっとりとしてコーヒーによく合う。
友人を招きコーヒーを挽きながら、おしゃべりは
尽きない。
  
自作の絵皿はマーガレット。
花びらの白色は皿の色で、絵具を塗っていません。
   
   
   
   
 集まりの齢うやむや目借時       茜
 (あつまりのよわいうやむやめかりどき)
   
   
  
春の季語;目借時

2012年3月3日土曜日

鶴帰る


 弱っていた雪だるまに「くちばし」と「尾」
を、落葉でつけてみた。
鳥に見えないだろうか。
  
秋冬に越冬の為に飛来した鳥は、春に北方の
繁殖地に帰って行く。
鳥が飛び立つ時、小鳥は一瞬で揚力を得て簡単に
飛び立つが、大きな鳥は助走が必要だ。
白鳥もアホウドリも、バタバタと走って揚力を
つけている。
この雪だるま鳥も、バタバタとしたら、ひょっと
して夜の間に飛び立つかもしれない・・ヨ。
   
   
   
  
 後戻り出来ぬ高さや鶴帰る        茜
 (あともどりできぬたかさやつるかえる)
   
      
  
春の季語;鶴帰る

2012年3月1日木曜日

雛飾る


 お雛さまを、白磁の粘土で作ってみました。
1200度で焼成したものです。
ポーセレン・レースドール(白磁の人形)を以前
作っていたので、その材料とレースも使い
高さ10センチの小さなお雛様。
粘土の色を変え、花も作って付け、きらきらと
させて楽しみ、現代版お雛様といった形になり
ました。
息子達には五月の飾りをしてきたけれど、今は
私だけの飾りです。
   
  
  
 男の子のみ生して華甲の雛飾る     茜
 (おのこのみなしてかこうのひなかざる)
  
  
   
華甲=還暦のこと。・・(5年前のことですが)
春の季語;雛