2012年4月29日日曜日

木瓜(ぼけ)の花


 青胡桃の樹の下に寄り添うように「木瓜の花」が咲いていた。
1メートル位の低い潅木に咲く白い花は何だろうと近づいて
その棘の長さに、初めて木瓜の花とわかった。
この狭い空き地は、その昔畑だったのかもしれない。
持ち主が植えたものだろう。
下を流れる疎水のクレソンにも白い花が咲いていた。
   
   
   
  
 水音の力を増せり木瓜の花    茜
  
  
春の季語;木瓜の花

2012年4月27日金曜日

通草(あけび)の花



 「あけび」の花が咲いていた。
顔を近づけると、ほのかな良い香りがした。
秋に紫の実になり、熟すと中の白い果肉が美味。
蔓は細くしなやかで籠細工等に使われる。
一度庭に出てきたあけびの蔓で、小さな籠を編んだ事がある。
若い蔓は、数メートル伐っても、太さがほとんど変わらないから良いのだと思う。
実は生らなかったけど、何故かはわからない。
雄雌異株なのだろうか。
雨がしとしと降り続いているが、季語でいうと「菜種梅雨」というのだろう。
   
蘂が伸びた写真を追加しました。
   
   
   
   
 花通草二人暮らしの傘を干す    茜
 (はなあけびふたりぐらしのかさをほす)   
   
   
 
春の季語;通草の花

2012年4月22日日曜日

土筆


 土筆は、もう胞子も吐き尽くして終わろうとしている。
畦にたくさん出ている土筆の後は、スギナが
でてくるのだろう。
スギナはシダ植物の一種で、花は咲かせず胞子によって増える。
そのスギナの胞子をつける特別な茎が春先に芽生える土筆なのだそうだ。
土筆とスギナの関係、知っているようで
知らない事でした。
   
   
  
  
 夕映えを仰ぎ土筆を踏みにけり    茜
   
   
   
   
春の季語;土筆

2012年4月18日水曜日

スノーフレーク


 和名「鈴蘭水仙」という。
ヒガンバナ科、花言葉は「皆をひきつける魅力」だそうだ。
今年は少し遅れたけれど、チューリップと一緒に庭の隅にワッと咲いている。
似た花に「スノードロップ」がありますが、
こちらは花弁が開いている。
どちらも愛らしい花達である。
   
     
   
   
 スノーフレークかすかに鈴の音をもらす  茜



季語なし

2012年4月15日日曜日

水芭蕉

   

水芭蕉は夏の季語ですが、箱根の湿生花園の水芭蕉は今が盛りだ。
まだ日差も柔らかで、木の影はうすうすとして
いる。
外輪山に囲まれて、箱根湖の傍にあるこの花園
は広い湿地の中にある。
湧き出した水は草地を流れ、流れが集まると
そこに水芭蕉が咲いていた。
里芋科の多年草、白い花弁に見えるのは
仏炎苞と呼ばれる部分で、花はその中心の
黄色い棒のような花軸につきます。
大きい葉が芭蕉に似ていることから
この名があります。(今年の写真ではありません
   
   
   
  
 木道の幾折れもして水芭蕉   茜
   
    
  
夏の季語;水芭蕉 
    

2012年4月13日金曜日

トウダイグサ

 燈台草は、道端でよく見る草花である。 葉は椀状で、その中に黄色い花がある様が、燈火の皿に見立てて和名がある。 摘み取ると、茎から白い乳液を出した。 この草も全部にわたり有毒であるようだ。 道端の草にも毒があるのは案外多く、うっかりさわれない。 以前は名も知らない草に気を許してしまい、良く摘み取ったり触れたりしていたが、最近は用心するようになった。 それにしても、草花は美しいのでただ通り過ぎる訳にはいかない。

2012年4月9日月曜日

土佐水木(とさみずき)


 土佐水木の花は、魚のうろこ状に花が重なり
下がって咲く。
この花と似ているのに、「日向水木」があるが、
こちらは花数が少なめに下がっている。
どちらも黄色で間違いやすい。

写真を撮っていると、「ケンケーン」と雉の
強い鳴き声が聞こえた。
今年もそんな季節になったのかと、すっかり
春めいた小道を歩いた。
  
   
  
 雉啼いて谷戸の草木を目覚めさす    茜
   
   
  
春の季語;雉

2012年4月5日木曜日

馬酔木(あせび)の花


 馬酔木は、つつじ科の常葉低木。
壷状の花を房のように垂れる。
近づくと甘い香りがした。
夕暮れ時の桜がほつほつ咲き始めた公園の一角に、明かりのように咲いていた。
牛馬が食べると痺れたように酔ってしまうので
この名がついたという。
    
   
    
俯いてどこか頑な花馬酔木   茜
 (うつむいてどこかかたくなはなあしび)
   
     
春の季語;馬酔木(あせび、あしび)

2012年4月2日月曜日

三椏(みつまた)の花


 三椏は、ジンチョウゲ科の落葉低木で中国原産。
2メートル位の木の葉が出る前の三叉に分かれた
枝先に咲く。木の皮は紙の原料としても知られている。
これは「アカバナミツマタ」、通りがかりの庭に咲いていた。
空が少し暗い夕方、風が吹き荒れていた。
春疾風(はるはやて)という言葉がぴったりだった。
   
   
   
   
 三椏や校庭を来る風強し     茜
  
  
春の季語;三椏