2014年5月30日金曜日

更衣、 キキョウソウ

キキョウソウは、花の大きさ1センチ、丈20センチ、道端の草花である。
気に留める人は少ないだろう。

先日、孫がTシャツ姿で遊びに来た。
その時の私は、薄手のセーター下着も長袖、だった。
ちょっと肌寒い朝だったから用心したのだ。
ところが、世間は夏の気温に合わせて半袖になっている。
少し前まで、「老人は夏でも寒いと言う。年をとると
皮膚感覚も違うものだなあ。」と思っていた。
そう!私はまぎれもない「老人」になっていたのである。
仕方ないよ。66歳。そんな年になりました。




衣更えて心もとなき首筋よ        茜


2014年5月28日水曜日

ジューンベリー

(イングリッシュ ガーデンにて)

今年2月 「ジューンベリー」という木を購入した。
小さな枯れ木のような幼木だった。
五月になって、緑の葉をつけいきいきとしてきているが、
今年の花は無理だろう。

先日、イングリッシュガーデンで実物を観ることができた。
紅い実をつけ葉も張りがあって丈夫そうである。
甘くて、生でもジャムにしてもいけるそうだ。
来年が楽しみだなあ。
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 雨ながら木の葉明るき鳥の恋       茜




2014年5月24日土曜日

青嵐


 風が吹き荒れた日、木々の間から白い光が見えた。
下の村の田んぼに水が張られたのだろう。
葉裏を返し波打つように木々がうねる。
さながら山が動くようでもある。
冬の間は、落葉樹がほとんどのこの林も向こうの森も
葉が落ちてしまい、この村のずっと奥まで見渡せたのだ。
少し高い丘に登ると、はるか相模湾の眩しさの中に
江の島が青く見えた。




 潮騒の紛れていたり青嵐           茜






2014年5月21日水曜日

若楓


楓の花が今は実となっている。
タケトンボのようなプロペラとなって散っていくのだ。
この楓は、最初から赤い葉色の種類で、秋の紅葉もさらに見事だ。
薔薇や園芸種の花が盛りと咲いているが、
こんな木の花も素敵だ。
木も草花もみんな懸命に生きているのだなと時々おもう。




 若楓影に引き寄す木のベンチ        あかね



2014年5月15日木曜日

芽吹き


銀杏の大樹がやっと芽吹きだした。
若木はとっくに葉を繁らせているけれど。
毎年秋には、これでもかという程伐られているから強い木である。

若田さんが宇宙から帰還して、
「地球は掛け替えのない古里だと思う」と述べられた。
ロシアで殺し合いが行われている事をどう思われるだろうか。

遠藤が鶴竜を相手に金星を揚げて
「恩返し」をしたという。
稽古をつけてくれた鶴竜に、成長している姿をみせることが出来てうれしいと言ったそうだ。
そういう恩返しもあるのだ。




 伐られては芽吹き返して大銀杏      茜



2014年5月11日日曜日

夏蓬



蓬が丈を伸ばして色濃くなっている。
柔らかい先端の方だけ摘み取ってきた。
重層を少々入れて煮こぼし、すり鉢で叩くようにして摺る。
それを パンケーキに混ぜて焼いた。
薄緑のパンケーキ、ほのかに蓬の匂いがした。



 夏蓬学校帰りの児の匂い       茜


2014年5月7日水曜日

黄藤 (キングサリ)


今年の大雪で心配していましたが無事に咲きました。
長さ30センチほどの花房がいくつも垂れて
仰ぐと幸せ感一杯になります。
外国の庭園写真には欠かせない「キングサリのアーチ」、
我が狭庭にも少し取り入れてみました。
程良き風が巡ってきます。



 

 いきいきと風の輝く黄藤かな       茜




2014年5月4日日曜日

木香薔薇(もっこうばら)


木香薔薇には黄色と白がある。
はっきりとした黄色はよく目にするが、この白い木香薔薇は
香りも良いのにあまり見かけない。
すがすがしい薄い花びらが愛らしいのに、小さな2センチほどの花は
あまり目立たないようである。
宮家の「おしるし」というのに選ばれて、一躍知られるように
なったのではないだろうか。
ちなみに、美智子妃のお印は「白樺」
雅子妃は「はまなす」、「木香薔薇」は秋篠宮家真子様の
お印ということである。





 御印とや俄かに香る木香薔薇         茜