2014年4月30日水曜日


父が亡くなったあと、
母に食物の好き嫌いがあることを初めて知った。
酒飲みで健啖家の父の為に毎日料理を拵えていたし、
私達子供は食物の好き嫌いないよう育ててくれたので、
母に好き嫌いがあるなど思ってもみなかった。
まず、青魚が嫌い、香りの強い野菜(にら等)が嫌いと
言って食べなくなった。
それらは父の好物だったし、私達の教育の為にも、
これまで黙ってきたのだ。
その母も亡くなって8年になる。
この香りのよい蕗を本当はどう思っていただろうか。
  (蕗、薄揚げ、鶏肉)




 蕗を煮る匂いこもりし母忌日         茜

 
 蕗煮るや母の隠した好き嫌い       々




2014年4月25日金曜日

木の芽和

皮も土も濡れて、今掘ってきたばかりの筍をいただいた。
糠で茹でると、箸で壊れる柔らかさだ。
庭に植えている「山椒の芽」を20枚ほどとってきて
すり鉢でよく摺り、味噌、砂糖、酢を加えて
酢味噌を作った。
葉の緑が濃く鮮やかに仕上がった。
独特の風味が何とも言えない。



窓開けて山風通る木の芽和         茜



(山椒の芽=木の芽)

2014年4月20日日曜日

短歌


写真は5月の庭です。
あと1カ月もしたら、このどこかに新しい蔓薔薇が咲くでしょう。
去年10月、友人から10センチほどの薔薇の小枝をもらい、
挿し木して育ててきました。
大事に育て、鉢も2回替え、50センチに成長して土に植えました。


日経新聞本日4月20日付け 入選歌 
三枝 昻之 先生選

 
 

一回り大きな鉢に植え替えて薔薇はようやく深呼吸せり     




2014年4月16日水曜日

春雷


写真は 海棠です。
しっとりとした色合い、
赤味を帯びた若芽とともに、花柄の長い淡紅色の五弁花が開きます。
ぼーっと過ぎた一年でしたが、
少しはもっと上達しなければと思うこの頃です。



春雷や出直す靴の紐締める       茜



2014年4月11日金曜日

踊子草


詳しくは「姫踊子草」だが、一般的には「踊子草」で通っている。
笠をかぶったように見えることからそういう名のようだ。
野原のあちこちで群生しているのを見かけると、
これから本格的に暖かくなってくるのだと実感する。
今は5,6センチの草丈だが、あっという間に覆い尽くすほど
茂るのだ。
風邪も少しづつ良くなってきたような気がする。
早く野に出て歩きたい。



くさはらの濃さ増してゆく踊子草         茜
くさはらの濃きひとところ踊子草



2014年4月7日月曜日

春風邪


もう1週間は経っているのに、春風邪はなかなか治らない。
久しぶりの風邪だ。
二人でゴホゴホしているから、どちらかから感染したのだろう。
頭痛がとれたら大分気分は良くなったが、
咳がまだ止まらない。
こんなに長引くのも年齢のせいなのか。
外には目白が来ていた。


 
 
春風邪や夫の作りし肉入り粥
 おもいきり丸まってみる春の風邪        茜


夫がこの肉入り粥を拵えて満更でも無き春の風邪かな 




  
  

2014年4月1日火曜日

万愚節 


屋根の付いたりっぱな門構えである。
中央に両開きの扉があるから、大棟門というのだろうか。
きれいに手入れされた庭木、人影は見えないが猫がいる。
猫は、いつも同じ処に座って外をみている。
この村の話は全部ご存じらしい。



 万愚節猫は聞き耳たてどおし       茜




春の季語;万愚節=四月馬鹿