2015年2月26日木曜日

辛夷(こぶし)


 空を見上げると、高い梢に辛夷の蕾が膨らんでいた。
細かく枝分かれしたその先の、どれにも蕾が付いている。
この枝の張り具合いの面白さに、しばらく見とれていた。
まず二股に分かれ、その先がそれぞれ二股に分かれているのだ。
ねずみ算式に分かれて、どこまで分かれ続ける気なのか。

冬の間に蓄えてきた力が、今弾けようとしている。
草木は、何事もなかったように春が来ると自然に花をつける。
自然の力に励まされるような散歩だった。



 二月の濁りなき空枝伸ばす       茜



2015年2月2日月曜日

氷(逆つらら)


 自然のいたずらは、小さな水盤にも仕掛けている。
今朝の寒さに、幾日も融けずに張っていた氷が
一杯のさかずきのような形に持ちあがっている。
何という現象なのだろう。
高さ5センチ位の逆三角錐だ。
日陰になっているので、昼過ぎても融ける様子はない。



 帆を立てて氷の上の氷かな        あかね


インターネットで調べると、これは“逆つらら”という現象らしい。
氷が張ることで体積が増し、それによって水の底に向かって
下向きに水圧がかかる。
行き場を失った水は上に向かうしかなく水草などがあって流れが少し変わっているところでは
隙間ができて、そこから水が持ち上がり下から上にむけて少しずつ凍っていく、このようにして“逆つらら”が作られると考えられるそうだ。この“逆つらら”は北海道のように寒さが厳しすぎるところでは、水が全部凍ってしまってあまり見られない、もちろん氷が張らないような
暖かいところでも見られない、つまり適度に冷え込む東海地方でこそ
現れやすい現象といえる。(名古屋アナウンサー日記より)