2015年4月29日水曜日

物種蒔く

我が庭に草花の咲くこの季節が好きだ。
宿根草のみだが一気に彩られる。
黄色のエビネ、紫の西洋十二単(アジュガ)などである。
黄エビネは、十数年前に叔父から一株貰い受けたもので
一年に一本花が増えるというから、今は約十本の花茎がある。
この小さな庭の片隅にトマト等野菜を少し植えるのも楽しみだ。
この庭に陽が満ちて来る五月の連休を目安に、
いつも植えたり蒔いたりしている。



吾のみの日時計のあり胡瓜蒔く       茜


2015年4月20日月曜日

畦塗り

田植えにはまだ早い4月だが、(この辺では6月田植え)
水が洩れないように畦がきれいに塗られていた。
まるでセメントで固めたような正確さだ。
それ用の機械があるのかもしれない。
その昔は、人の手で泥土を百叩きして塗り固めたというから
これも大変な田仕事の中の一つだ。
柔らかくほぐされた土に水が満たされるのももうすぐだろう。



 畦塗の角の固さを言い合えり       茜




2015年4月2日木曜日

ひいらぎ南天の花

「ひいらぎの花」は、十一月ごろ小さな白い花を咲かせる。
が、これは「ひいらぎ南天の花」だ。
この後、紫黒色の実を付ける。
どこからとなく良い香がして、顔を近づけてこの花がその香の元だと
ようやく気がついた。
どこかで嗅いだ匂いに似ていると考えても思い出せない。
くちなし? ジャスミン? 甘い香りは共通するが、
これは、「ひいらぎ南天」の匂いなのだ。
生け花の材料として知ってはいたが、その花を初めて知った。



 啓蟄の夕風なでる眉あたり       あかね