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寒禽、耕し
耕しは始まっていた。
物寄峠という旧街道の石碑を見てしばらく歩くと
突然畑は広がっていた。
陽の差さない北斜面の畑は、長い冬の間じっと
春を待っているのだ。
返されて黒く湿った土は、寒さに触れさせて
害虫を駆除しているのだろう。
これから春に向けて何が蒔かれるのか楽しみに
していよう。
木々の芽吹きは確かではないけれど、うっすらと
紅を被っているように見えた。
寒禽の緩まぬ速さ野へ出づる 茜
(かんきんのゆるまぬはやさのへいづる)
冬の季語;寒禽 春の季語;耕し