市電の芝生
富士山
錦江湾を挟んで桜島と鹿児島市が向かい合っている。街の真ん中を流れる甲突川はシラス台地から染み出た水で澄んでいた。並木はほとんど楠の樹だ。電線は埋設しているため樹々はのびのびと枝を伸ばして高い。
市電の線路の内側に、一年を通してよく手入れされた緑の芝生が敷かれている。以前友人に「芝生の手入れはどうしているのかしら」と聞いたことがある。友人の言うには「電車の下に刃が仕込まれていて、通るたびに少しづつ刈っているので特に芝刈りの必要もないのだよ。」なるほどよく考えたものだと感心していた。ところが最近タクシーの運転手さんに聞いてみると、「夜中に市の職員が手押しの芝刈り機で刈っていますよ」とのこと。ウーム、タクシーの運転手さんの方が現実的だなー。
帰りは晴れて飛行機の窓から冠雪の富士山が見えた。
冬暖かうす絹被る桜島 美代