2012年1月31日火曜日
虎落笛(もがりぶえ)
冬の月はいかにも冷たく感じられ、静かな
銀色の世界をイメージさせる。
鮮やかな色彩は鳴りを潜め、白黒のモノトーンが
生き生きと浮き上がってくる。
そんな光の中で、人はそれぞれの思いで月を
眺めるだろう。
3.11で被災された方々はこの寒さの中でどうして
おられるのでしょうか。
報道されるのは、いっこうに変わらない壊れた
街の風景ばかりです。遅ればせながら一句を。
虎落笛耐えて残りし鉄骨あり 茜
(もがりぶえたえてのこりしてっこつあり)
津波痕の土の悲鳴や冬鴎 茜
(つなみあとのつちのひめいやふゆかもめ)
冬満月欅は芯から枝を張る 茜
(冬まんげつけやきはしんからえだをはる)
冬の季語;虎落笛(強い風が電線などにあたり笛
のような音をたてる)