茄子は野菜の中でも地味な方である。
トマトのような華やかさも、主張する味もない。
だが、水を弾いてつややかな紺の肌、
その張りに包まれた柔らかい中身は、
たっぷりと水を含んでいる。
きざんで塩で揉むと、しみでる水の量に驚く。
その分どんな味付けにもなじむのだ。
ひとたび調理すると、和風で三杯酢に、焼きナスに、煮物に、
炒めてイタリアンにもなり、りっぱな主役になるのだ。
夏の野菜として欠かせない茄子、
今日は焼こうか、蒸そうか、炒めようか、茄子は楽しい!
長茄子の紺を鎧いてみずみずし 茜