溝蕎麦は、草はらの隅に目立つこともなく咲いている。
田んぼや用水路のそばで見かける花だ。
1センチ程の花は金平糖のようで可愛らしいが、茎には細かい棘がある。
葉が蕎麦に似ていることから、この名があるという。
これによく似て見間違う花に「ママコノシリヌグイ」がある。
棘が下向きについて尖っているので触れると痛い。
これでママコの尻をぬぐうとは何という酷い名前だろう。
似た花でもこうも名前が違うと哀れに見えてくる。
野分立つ辞書めくる手のしめりかな 茜
愁思ふと草の名少しうそくさし 茜