クリスマスが近づくと、友人から手作りの「シュトーレン」が送ってくる。
戴くようになってからもう何年になるだろう。
青春の一時期を同じ寮で過ごし、それから47年、ずっと変わらない友情が続いている。
家政科だったので、洋裁、和裁、調理実習等全部の教科が同時に進み、したがってスーツを作りながら、袷の着物を縫い、きゅうりや大根を薄く切るテストも受けなければならなかった。
寮の躾は厳しく、起床6:00、消灯10:00。それでは提出日に間に合わず、消灯後廊下や自習室で着物を広げて縫う日もあった。廊下は毎朝皆でぴかぴかに磨きあげていたので、着物やワンピースの布を広げても心配なかったのだ。
そんな時を助け合いながら過ごした友人達は、いとおしい程なつかしいのである。
去年今年会いたいという友の声 茜