2011年9月24日土曜日

紫ヒヨドリジョウゴ  


 「すみませーん」と叫びながら、自転車が
猛スピードで私達を追い抜いて行った。
その後をついて駆け抜ける集団があった。
疾走ともいえる走り方だった。
田んぼの周りは格好の練習コースなのだろう。 
近くの大学の学生達だと思うが、
その真剣な顔つきとスピードは、練習風景とは
言えないようだった。大事な記録を取るのだろうか。
      
一周してきて次に会った時には、その集団は
ばらけていて、もはや先頭がどの人なのか判らなく
なっていた。
速度のあるあの人が先頭なのだろうと思いながら
見ていた。
必死だろう一人一人の間が開き、やがて最後の
人が前のめりになりながら走って来た。
がんばれーと小さく口の中で言い応援した。    
ヒヨドリジョウゴの紫が道端で揺れていた。
   
   
  
 しんがりは一人で走る草の花       茜
   
   
  
秋の季語;草の花

2011年9月20日火曜日

富士山  秋簾(あきすだれ)


 予約していた新宿高層ビルのレストラン。
早目に着くと日はまだ山の上らしく、眩しくて
富士山はうっすらと雲の一部のようにしか見え
なかった。
やがて、日が沈み逆光となり、富士山は黒く
くっきりと姿を鮮明にした。
手前の新宿まで続く空間が暗くなると
みるみる大きくせり出してくるように見えた。
刻一刻と空の色は変わり、オレンジから紫となり
急に暗くなっていった。
   
   
   
  
 暮れてより富士の近づく秋彼岸     茜
 (くれてよりふじのちかづくあきひがん)
   
   
  
秋の季語;秋簾

2011年9月17日土曜日

韮の花(ニラのはな)


 韮の花が満開です。
茄子の上の白い花が韮の花です。
この花を食べられる事はあまり知られていない。
咲いたばかりの花を摘みとって
さっと湯に通すと、ほのかな韮の香りの
歯ざわりの良いお浸しになる。
ひとつまみの花でも充分。
庭先に一列だけ植えている韮から摘んで。

写真は煮浸しのお汁をかけるのを忘れました。
だから、何か物足りないでしょう。
   
   
   
 門までを猫のすり寄る韮の花      茜
    
   
  
秋の季語;韮の花(にらのはな)   
春の季語;韮(にら)

2011年9月15日木曜日

オニドコロ


 まだ暑いうちから、すだれのように花が下がって
いた。
ようやく実が出来始めて「オニドコロ」とわかった。
ヤマノイモ科の多年植物である。
トコロとは、「野老」と書き、根がヒゲににている
事からきているようだ。
他にも、人に例えて名を付けているのは
「センニンソウ」老人のヒゲに似ているからという。
   
この里山では朝夕少し涼しくなったように思う。
でも、蚊は相変わらずしつこく寄ってくる。
あちこち刺されながら撮った。
  
   
   
  
 止まればすぐに秋の蚊オニドコロ      茜
 (とどまればすぐにあきのかオニドコロ)
  
   
   
秋の季語;秋の蚊

2011年9月12日月曜日

中秋の名月


 今日は中秋の名月がみられます。
満月と中秋が重なり、お天気も上々。
お月見といってもその辺を一回りするくらいですが。
  
稲はもう豊かにみのり、刈られる日を待っています。
水を抜いてある田んぼと水がまだ満ちている田んぼ
がありました。田植えの時期が少しづれているので
しょう。
彼岸花も咲き始めました。
つぼみの硬いのは、まだ赤も強くないですね。
  
  
  
 
  まなうらの今見し月と眠りけり     茜
    
    
   
秋の季語;月

2011年9月10日土曜日

露草


 久しぶりに渓流のある所まで車で行きました。
釣りをする夫は雨の後のささ濁りが好きらしい。
もう3日前に台風は過ぎ去ったのに
渓流の水はまだ濁っていた。
あちこち竿を入れていたが、まったく釣れなかった。
と言っても、わずか20分程度だから遊びの
ようなものだ。
私はその間、草花の写真を撮っていた。
草の中に深入りをするとヒルがいるので危ない。
道端の「露草」の青が美しくアップで撮りましたが、
難しいです。
   
   
   
 露草の青を深めり水の音      茜
   
    
   
秋の季語;露草

2011年9月8日木曜日

葛の花(くずのはな)


 葛の繁殖力はもの凄い。
あっという間にその辺を覆い尽くす。
花の香りは強く化粧臭いという感じだ。
   
福島県の原発事故で、避難を余儀なくされた
方々には本当にお気の毒でなりません。
放射能で汚染された土地がよみがえり、
又普通に暮らせる日々が戻るのでしょうか。
テレビでは、人の住めなくなった町や村が
映し出されていた。
民家の庭は葛の蔓が広がり、戸口まで迫っていた。
コンクリートの道路も両端から蔓の先が伸びていた。
恐ろしい光景だった。
      
   
   
 村あげて避難した道葛の花      茜
 (むらあげてひなんしたみちくずのはな)
   
   
  
秋の季語;葛

2011年9月6日火曜日

稲、稲の花


 今は稲が垂れるほどに実ってきました。
この写真は1箇月前のもので、白い稲の花が
ついています。
毎日変化する自然は、その時どきの一番美しい姿
を見せてくれます。
稲の花が咲き、やがて稲がしっかりと結実すると
田の水を抜き、干された土で実りを育て始めます。
頼りなかった早苗の頃から見守ってきた者にとって
これから、台風等で倒れないように、刈り入れの時
まであと少し頑張ってと願っています。
   
   
   
 どの道も川に沿いくる稲の花      茜
 (どのみちもかわにそいくるいねのはな)
   
    
   
秋の季語;稲、稲の花

2011年9月3日土曜日

世界陸上 天高し


 玉虫を又拾いました。
大映しにしてみると、表面のぶつぶつを発見。
この突起の反射でこの微妙な色が出るのかも
しれませんね。
  
世界陸上を観ていると、どの競技も感動します。
ハンマー投げ、槍投げ、高飛び、短距離、マラソン
どの選手も美しい、しなやかで強靭な身体、
限界まで力を出し尽くすという気迫。
  
玉虫の句は7月19日に作っていますので
世界陸上の句を載せます。気迫が足りないかな。
   
   
    
 玉虫の己が死知らぬ色あわれ        茜  
    
 秋天へハンマー投げの哮りけり       茜
 (しゅうてんへはんまーなげのたけりけり)  
   
 高飛びの身を反らしたる秋の天       茜
 (たかとびのみをそらしたるあきのてん)
   
 ランナーの掠る風さえ秋の色        茜
 (らんなーのかするかぜさえあきのいろ)
   
   
  
秋の季語;天高し、秋天、

2011年9月1日木曜日

金魚


 金魚が泳いでいるように見えないだろうか。
寒天液を多めにした「寒天寄せ」です。
トマトの赤を金魚に見立てました。
フェンネルの葉を水草と思って。
  
金魚すくいで、金魚を紙のポイで追い詰め
すくった時、金魚はポイの上で横倒しになり空気に触れます。
そして、あきらめの目を空に向けます。
  
ときには金魚の気持ちになって・・・
   
   
   
  
 すくわれし金魚一瞬空を見る      茜
 (すくわれしきんぎょいっしゅんそらをみる)
   
   
  
夏の季語;金魚

2011年8月30日火曜日

秋めく


 通りがかりに見つけた葡萄。
駐車場のフェンスに絡まっていた。
そっと葉を上げるとこんなに熟れている。
植えた人は忘れているのかしら。
爽やかな色が美しい。
小鳥もまだ見つけていないらしい。
ああ・・気になるなあ。
   
   
   
  
 秋めくや凌ぎやすさを挨拶に       茜
 (あきめくやしのぎやすさをあいさつに)
   
   
  
秋の季語;秋めく

2011年8月28日日曜日

夏料理


 野菜の寒天寄せを作りました。
材料は、できるだけ詰め込み、浮き上がらない
ようにしましたが、それが失敗のもと。
最後に入れた「くらかけ豆」が溢れて崩れてしまいました。
オクラ、トマト、パプリカ、ネギ、セロリ、茗荷
カニ缶、くらかけ豆 が入っています。
寒天をスープの素で味つけて、並べたあとから
流しいれました。
ちょっと崩れて残念。
   
   
   
 
 ひと皿の余白は渚夏料理       茜
 (ひとさらのよはくはなぎさなつりょうり)
   
   
  
夏の季語;夏料理 

2011年8月25日木曜日

穂草の実(ほくさのみ)


 山を歩いていると、思いがけない物に出会う
事がある。
この切り株もハートの形になっていて面白い。
置いた人も、そう思って置いたに違いない。
切り株の上の、紐のような花殻は、きっと木の花
だろうと思う。
すこし涼しいこの辺りの、里山ではとうに散って
しまった「きぶしの花」のようにも見える。
それとも「スダジイ」の花殻だろうか。
木陰でしばし休んで、又歩いた。
   
句には草の実として詠みました。
   
  
   
 切り株に風の置きたる穂草の実      茜
 
 切り株のハートの形小鳥来る       茜
     
   
   
秋の季語;穂草の実、小鳥来る   

2011年8月22日月曜日

秋蝶(あきちょう)


      (アカボシゴマダラチョウ)
 何という蝶だろうか。
暑い日の夕方、庭に水を撒いている時に気づいた。
土の色に似て地味な色だった。
ゆっくりと翅を開いたり閉じたりして水を吸っていた。
口吻というのだろうか、舌のような黄色の管を
伸ばして、せわしなくその先を動かしていた。
  
翅の端はちぎれてギザギザになり、傷ついている。
10cmほどまでカメラを近づけても逃げない。
よろよろと移動しては水を吸う。
そんなに喉が乾いているのか、遠くから旅してきたのか。
聞いてみたい気がした。
次の朝にはもう姿は見えなかった。
    
   
   
 秋蝶の吹かれて来しか水を吸う   茜

 秋蝶の水吸う野辺や旅の果て    茜
    
   
   
秋の季語;秋蝶

2011年8月19日金曜日

トマトのかき氷


 トマトを1個冷凍庫に入れておき凍らせます。
コチコチに凍ったトマトを大根おろし器で
すりおろすだけです。
砂糖をふりかけて
ブルーベリーをトッピングしました。
テレビで観たアイデアは即いただきです。
  
口に入れるとすぐ溶けてしまい、
ほのかな甘味がイケマス。
お試しあれ。
   
   
  
   
 意気込みの崩るは速しかき氷      茜
 (いきごみのくずるははやしかきごおり)
   
 流すだけ流せば汗の涼しかり      茜
     

   
夏の季語;かき氷、汗、涼しい

2011年8月17日水曜日

キツネノカミソリ


 草を刈った斜面は「キツネノカミソリ」が群生
していた。彼岸花科。半日陰に咲く。
春、カミソリに似た長い葉を繁らせて、あおあおと
した土手だったが、今はこの花で夕日の色に
染まっている。
  
花の咲く場所をだいたい把握しているので、時期が
来ると、見にいかずにはおれない。
散歩も目標地があると、歩も軽やかになる。
だから、今日は「キツネノカミソリ」まで来たのだ。
   
   
   
 刈草の匂うキツネノカミソリよ     茜
  
 
   
   
秋の季語;キツネノカミソリ

2011年8月13日土曜日

水遊び


 石を丸く積んでいた。
こうして置くと隙間から魚が入り、出る時には
あわててすぐには出れないのだそうだ。
・・と聞いたことがある。
子供達は飽きたのか、離れた所で魚釣りを
始めていた。
   
子供時代はすぐに終わる。
暑い日の盛りでもいとわないで走りまわり、
汗しても気にならなかった頃、
水辺での遊びは事のほか楽しかった。
川の水が入らないように、岸辺に石を積んで
小さな囲いを作っても、水はどこからともなく
入ってくるのだ。
小さな小エビを入れていても増えてくる水と共に
どこかへ消えてしまうのだった。
懐かしい石を積んで作った輪、きれいな輪に
しばらくみとれていた。
   
   
      
 石積んで水に抗う水遊び      茜
 (いしつんでみずにあらがうみずあそび)
    
 自転車を草に投げ出し水遊び    茜
   
  
夏の季語;水遊び、夏休み

2011年8月10日水曜日

端居(はしい)


 ブルーベリーの木が2mを超えている。
庭の隅に植えて10年以上も経つと、実も大きく
なったような気がする。
1週間採るのを忘れていたら、一度でこんなにとれた。
両手に余るほどの収穫だ。
夕方通りかかった友人を招いて、一緒に摘んだ。
摘みながら食べてしまう。
1cm程の小さな粒は、きりなく食べられる。
  
ものの本によると、株立ちの中の古くなった木は
切り捨てた方が新しい芽がでてくるから良いと
書いてあったけれど、まだその気にはなれない。
   
   
      
   
 ブルーベリー手に分け合える夕端居     茜
 (ぶるーべりーてにわけあえるゆうはしい)
 
  手を握る安らぎのあり生身魂        茜
 (てをにぎるやすらぎのありいきみたま)
   
   
 
夏の季語;端居(家の縁先に座る事)、生身魂

2011年8月6日土曜日

木下闇(こしたやみ)


 前日の雨で小径は湿っていた。
敷き詰められた木っ端が、たっぷりと水を吸い
ふかふかと湿っていた。
この森の中の本筋の道は、木っ端で明るい色
だったが横の獣道に入ると、とたんに暗くて細い
でこぼこ道となった。
脇から伸びている枝を払い、落ちている木を跨ぎ
ながら進んだ。
すると、いつの間にか元の明るい小径に戻って
くるのだった。
珍しい草、茸、詳しく見ていると進まない。
ゆっくりと歩いて森林浴を楽しんだ。   
   
   
     
   
 行くほどに水の匂いの木下闇     茜
  
 鳥になり風にもなりし森林浴     茜
  
  
  
夏の季語;木下闇、森林浴

2011年7月31日日曜日

花萱草(はなかんぞう)



 青田となって水は忙しい。
水路は田を縦横に走っている。
苗も丈が伸び、分蘖(ぶんけつ)が始まっている。
分蘖とは、根を張り、根に近い方から枝分かれして
いく事である。
一株が太く、本数が増えているのだ。
この時期は草取りも大変らしい。
苗の列の間に入って、ヒエや雑草を取っていた。
いつもの土手は、萱草の花が盛りで
そこだけ残して刈られていた。
  
   
  
 夏草の影を叩いて水奔る      茜
 (なつくさのかげをたたいてみずはしる)
   
   
 花萱草田にワイシャツの人動く   茜
 (はなかんぞうたにワイシャツのひとうごく)
 

夏の季語;花萱草、夏草