2011年5月17日火曜日

烏賊(いか)


 「水烏賊」を夫が貰ってきた。
足まで入れると約1メートル。大きさに驚いた。
趣味で釣った烏賊で、崖を降りた岩場で釣るのだそうだ。
(正式名称 アオリイカ)
  
まず足を切り離し、両脇のえんぺらを切り取る。
腹の中には真っ黒な墨の袋10センチが2個
ワタを支えるように左右にあった。
透き通ったプラスチックのような中骨が舟の形をしている。
生きている時は身が水のように透き通っているので水烏賊というらしい。
  
白い身を削ぎ切りにして皿にならべると、豪華!
食べきれないのでご近所にも分け、残りは冷凍に。
ねっとりとして甘く柔らかい身でした。
   
   
  
    
 烏賊骨の俎板透かし残りけり    茜
 (いかぼねのまないたすかしのこりけり)
   
  
夏の季語;烏賊

2011年5月14日土曜日

水木


 水木の花があちこちに咲いている。
白く階段状に咲く花は、緑の濃くなっていく中で
とても目立っている。
粟粒ほどの小さな花が葉の上に固まって咲く。
   
この時期を待って一本の水木に会いに行く。
落葉高木の水木は、大きく羽根を広げるように
今年の枝を増やしているようだ。
土には蘂か花びらなのか、うっすらと積もっていた。
   
   
   
 風に乗り水木の翼花こぼす     茜
 (かぜにのりみずきのつばさはなこぼす)

花附いて枝漲らす水木かな     茜
 (はなついてえだみなぎらすみずきかな) 
   
  
夏の季語;水木

2011年5月11日水曜日

胡桃の花 (くるみのはな)


 鬼胡桃の花が咲いていた。
川に乗り出すように樹は立っている。
湿った土地、川の近くに生える事が多いという。
山から流れてきた水は此処へきて緩やかになっている。
実は房になっていたから、下がっている緑が花だろうか。
では、上の赤い花は雄花だろうか。
秋には胡桃が又収穫できると思うとうれしい。
(注:赤いのは雌花、下がっている緑は雄花だそうです)
   
     

   
 山水の鎮まる深み花胡桃      茜
(さんすいのしずまるふかみはなぐるみ)
  
 麦秋やがらんどうなる生家閉ず   茜
(ばくしゅうやがらんどうなるせいかとず)
  
   
   
夏の季語;花胡桃、青胡桃、麦秋

2011年5月8日日曜日

白鷺(しらさぎ)



 白鷺は音もたてずに首を伸ばしてじっとしていた。
最初私は鷺が何をしているのか解らなかった。
しばらくすると、
一瞬で小魚を咥えていた。
それを後ろの土手に叩きつけて飲み込んだ。
  
白鷺は何事もなかったように、池のふちをゆっくりと
歩いてきた。
私の目の前を一瞥もくれずに通り過ぎた。
金色の目に威圧されたかに、身動きできなかった。
   
   
  
 歩きくる鷺の目の色怖ろしき     茜
 (あるきくるさぎのめのいろおそろしき)
  
 白鷺の己が影刺す水鏡    茜
   
  
夏の季語;白鷺

2011年5月5日木曜日

くさふじ


雨あがりの道端に紫の花をみつけた。
「くさふじ」は、絡み合ってこんもりと群生していた。
実は数粒の豆果をつけるという。
  
黄砂(こうさ)が舞うこの季節に、わずかでも雨が
降ると有難いと思う。
やっと芽吹いた木々の葉、植えたばかりの花の苗、
どれもが、ピカピカの葉を保ちたいのだ。
そして、雨の匂いに燕もやってくる。
今年はどの家の軒先に来るだろうか。
   
  
 つちふるや家中にいて口渇く     茜
 (つちふるやいえなかにいてくちかわく) 
   
 燕来て家の内外掃き清む      茜
 (つばめきていえのうちそとはききよむ)
   
  
夏の季語;つちふる、黄砂、燕

2011年5月1日日曜日

山わさび


久しぶりに「山わさび」を掘り出してみた。
お肉に添えようと思い庭の片隅の、
新芽の下をスコップで掘った。
  
去年3cmほどの使い残しを埋めておいたが
一年の間に大きく育っていた。
英語ではホースラデッシュといい、おろし金で
おろして肉等へ添えるのである。
ツーンとくる山わさびは、ご飯に振り掛けても
新鮮である。
使い残しは、勿論また埋めて育てるのです。
  
      
  
 来し方を綺羅と残せり蝸牛     茜
 (こしかたをきらとのこせりかたつむり)
   
  
夏の季語;蝸牛(かたつむり)   

2011年4月28日木曜日

ホウチャクソウ(宝鐸草)


ホウチャクソウ(宝鐸草)です。
ユリ科の高さ30センチの多年草である。
お寺の軒先に下がっている風鐸〈鈴)に
似ている所からついた名だという。
   
我が家の庭にいつからか「ホウチャクソウ」が
咲くようになった。
3cm程の花は花弁の先が緑色で目立たないが
グラデーションが美しい。
野草なので、どこにでもあると思うけど
庭で咲くこの花を大切にしている。
   
   
  
花束のように抱えて蕗の束     茜
(はなたばのようにかかえてふきのたば)
  
  
  
夏の季語;蕗

2011年4月24日日曜日

陽炎(かげろう)


 吉野ヶ里は広大な面積を持った遺跡だった。
弥生時代の竪穴住居を中心に、「クニ」と呼ばれる
集落があった。
駆け足で巡った遺跡でしたが、当時の生活を垣間
見る気がした。  幾つかの村に分かれて、
神を司る場所、支配者の住まい、織物、養蚕、酒造
倉等、よく整備されていた。
田んぼが小さく区切られて田植えを待っていた。
  
中でも、素焼きの大きな甕棺が二つ合わさり、人体
の骨が横たわっていたのが印象的だった。
もう一度ゆっくり観たい遺跡でした。
写真は見張り用の物見櫓から撮りました。
   
   
   
   
 陽炎える甕棺赤き吉野ヶ里      茜
 (かげろえるかめかんあかきよしのがり)
  
   
 春の季語;陽炎

2011年4月19日火曜日

百千鳥(ももちどり)


 雑事も一段落して、お茶を頂いていると
いつもの鳥達のお出ましだ。
夏蜜柑を二つに切って台の上に置いておくと
さっそくやってきたのは「ヒヨドリ」だ。
今日のヒヨドリさんはきれいな色をしている。
いつもの黒い鳥相の悪い顔とは違う。

ヒヨドリにはいろいろな種類があるらしく、
色も様々という。
しかし、ヒヨドリだという自信もない。
しっぽの長さと羽根の形からそう思っている。
もし違っていたら教えてください。
ちなみに、口の周りの黄色は椿の蜜を吸った
時についた花粉かもしれません。
    
  
  
 生かされて今日の米研ぐ百千鳥    茜
 (いかされてきょうのこめとぐももちどり)

藪椿花粉まみれの鳥の嘴       茜
 (やぶつばきかふんまみれのとりのはし)
  
  
春の季語;百千鳥(いろいろな鳥のさえづる様)

2011年4月16日土曜日

風光る


 我が家へ帰ってみると、桜は散っていた。
約二週間前は、まだ硬い蕾だったのに。

途中で寄った宮島の厳島神社では、鳥居の間を
客を乗せた和船がくぐっていたが、30分もする
と潮が引いてしまい広い干潟が現れた。
人々は浜へ降り、大鳥居に近づこうと
砂上を歩き始めた。
  
牡蠣弁当がことの外美味しかった。
ふっくら焼けた熱々の牡蠣が8個も乗っていた。
  
  
  
 風光り潮間にくぐる大鳥居      茜
 (かぜひかりしおまにくぐるおおとりい)
   
春の季語;風光る

2011年4月1日金曜日

ぶらんこ


 大きな欅の間に綱を渡して作ったぶらんこに
女の子が揺れていた。(右から2番目の樹を見て)
父親が大きく押すと大きく揺れて、木の枝に
ひっかかりそうになりながら。
どうしてこんな所にと思ったのは、下は崖なのです。
若い父親は、自分も一緒に乗っているような気が
しているのかもしれません。
大きく揺れると、女の子はそのまま風に乗って
飛んでいくような気がしました。
  
  
  
 野の風となるまで揺らす半仙戯    茜
 (ののかぜとなるまでゆらすはんせんぎ)
  
    
  
春の季語;ぶらんこ、ふらここ、半仙戯(はんせんぎ)

2011年3月29日火曜日

啓蟄(けいちつ)


 どこへ歩いても春の草花がある。
土の中で待っている間に蓄えた力が
いっきに噴出している。
ハナニラは春一番に出る花だ。
この庭の持ち主も、こんなに自然に出る草花に
楽しいひと時を過ごすだろう。
花も子供達もうれしくなる季節である。  
  
  
 啓蟄やうれしくてただ押し合える    茜
 (けいちつやうれしくてただおしあえる)
  
  
春の季語;啓蟄

2011年3月25日金曜日

春炬燵


 水仙の蕾が樹の根元に抱えられるようにして出ていた。
いつからここに根付いたのだろう。
寒い冬にはこの根の下で冬眠し、暑い時には
木陰に守られるだろう。
そばに何かがあり、それに支えられて生きられれば
幸せというものだろう。
  
被災地の状況は日を追って本当の悲惨さを伝える。
毎日温かく過ごしている私に
慰めの言葉もみつからない。
   
  
  
 誰が為の涙あふれる春炬燵      茜
(たがためのなみだあふれるはるごたつ)
  
  
春の季語;春炬燵

2011年3月21日月曜日

草摘み、ホトケノザ


 川沿いの土手は、春が弾けていた。
田んぼの畦も「ホトケノザ」で埋め尽くされていた。
南風が暖かで日差しも心地よく、
この1週間の出来事は嘘のようにも思えた。
  
俳句を作るひとときだけでも心を遊ばせ、現実から
離れる事が出来るのです。
(仏の座は食べられないので春の七草には
 コオニタビラコを代用食にします)   
   
  
 草摘んで降りきし土手の遠くあり    茜
 (くさつんでおりきしどてのとおくあり)
  
 摘草や平らな川の土手高し       茜
 (つみくさやたいらなかわのどてたかし)
   
    
春の季語;摘草

2011年3月18日金曜日

がんばろう!日本


 津波で被災された方々の映像を観るにつけ
いたたまれなくなります。
悪夢のような映像、その中でも譲り合って
生活なさっている姿に心打たれます。
 原発の事故に対しても、必死で作業なさって
いるだろう、その方の家族をも思いどうか
早く無事で処理が済みますようにと祈る気持ちで
一杯です。一時の停電なんてなんでもありません。
協力できる事は何でもやります。
 
いつの時代も頑張ってきた日本!
がんばろう日本!
みんなで乗り切りましょう。
   
  

2011年3月16日水曜日

花菜


 停電が輪番制で行われている。
地震で発電所が幾つか動かなくなり、電気が足りないらしい。
その一つの原子力発電では、次々と事故が起こり
我々にはどの程度の規模のものかわからない。
この狭い日本列島で、どこへ避難すればいいのか。
ガソリンも売り切れ、逃げる手段もなくなっている。
地震、津波、原発の事故、これ以上の怖ろしい事が
あるだろうか。
  
昨夜はローソクと、懐中電灯にレジ袋をかぶせた
灯をぼんぼりに見立てて食をとった。
   
   
  
 蝋燭の灯に押されおり花菜和え    茜
 (ろーそくのひにおされおりはななあえ)
  
  
春の季語;花菜、菜の花

2011年3月12日土曜日

河津桜


 昨日の地震津波での被害、皆様の所は
いかがでしょうか。体が震えるほどの恐怖で
テレビ画面を観ました。
皆様のご無事をお祈り致します。
  
 河津桜は、いち早く咲き今が満開です。
ピンク色が鮮やかでまだ大木にはならなくても
りっぱに咲いていました。(松田町の河津桜)
   
   
  
 力抜くように抓んで鶯餅    茜
 (ちからぬくようにつまんでうぐいすもち)
   
   
春の季語;鶯餅

2011年3月9日水曜日

こごめいぬのふぐり


 「いぬふぐり」は瑠璃色だとおもっていた。
ところが、小石川植物園に白いいぬふぐりが
咲いていた。
日の当たるところ、木陰にも固まって咲いている。
この植物園は、野の草花が芝生の中に自然に
咲いているから面白い。
雑草として扱われていないのだ。
1ヶ月もしたら、クロッカスの野原になるだろう。
それらしい葉が芝生のいたるところに青々と出ていた。
   
   
 
 いぬふぐり案内図には記されず    茜
 (いぬふぐりあんないずにはしるされず)
  
  
春の季語;いぬのふぐり

2011年3月6日日曜日

囀り(さえずり)


 鳥は林檎をつつく時、林檎の中心へ
向かってつつくらしい。
幾度も同じところから攻めていくらしい。
そういえば、木に穴を開けるキツツキの種類も
木の芯に向かって、くちばしをたてるのだろう。
くちばしの長さはどれ位あるのだろうか。
夕方には林檎は下へ落とされてほとんど形は
残ってなかった。
囀りのたびに林檎に来たのではと気になった。
   
     
   
 囀りのはたと止みては身を固く    茜
  
    
春の季語;囀り

2011年3月3日木曜日

残雪


 今日の大山(おおやま)です。
今朝は庭に薄氷も張っていましたから、昨夜また
新しく降った雪かもしれません。
今年は一度降った後ずっと白さを保っています。
標高1250mの高さのこの山は、雪が積もったという
話を聞くとわざわざ眺めに出るくらいに
珍しいのです。
雨乞いの雨降山(あめふりやま)がなまって
阿夫利(あぶりやま)と呼ばれています。
麓には芽吹きも始まり、色づいた木々が見えます。
(望遠で撮りました)  
  
  
 残雪を守りとおして阿夫利山     茜
 (ざんせつをまもりとおしてあぶりやま)
  
  
春の季語;残雪