2014年8月17日日曜日

苦瓜

和室の濡れ縁の前に植えた五株の苦瓜が、二階まで伸びて
グリーンカーテンになっている。
毎朝収穫しても、まだまだ生っている。
すぐに熟れて黄色になるから早く食べなくてはならない。
黄色く熟れてきたものは、薄く切ってサラダで食べる。
長く大きなものは、ざくざく切って炒めゴーヤチャンプルに。
肉と煮てもみた。
味覚も鈍ってきているからか、改良されているのか、あまり苦くも
感じない。
今日も食べて、この量を消化しなくてはならないのだ。



 蝉生(あ)れて日の触れぬ間のうすみどり      茜

  
 渾身の震えや蝉の生れにけり             茜


2014年8月12日火曜日

白南風(しろはえ)


 
夏休みの自由課題の相談を受けて、孫のショルダーバッグ作りの手伝いをする事になった。
夫の古いズボンの裾から25センチを切って袋状にし、
私の持っていたレースを縫い付け、
端切れで作った裏地で、リバーシブルにした。
ベルトは、レースが縫い込まれていたもので、これにぴったりの雰囲気。
彼女のデザインどおりのバッグがどうにか仕上がった。
二人とも好きなことには熱中するということを、
発見した幸せな一日だった。



 
白南風やはためくものを追うており          茜


2014年8月7日木曜日

炎天

(庭のミニトマト)

 熱中症の手前でとどまっているが、この暑さには参る。
猫や犬をみていると、じっと日陰に身体を伸ばしている。
あの形が、暑さを凌ぐのにいいのだろう。
涼しいところで体をあまり動かさずいるのが良いようだ。
とは言っても、
家居の者だから言えることであって、働く人には当てはまらない。
散歩の途中にある工場では、一年365日、金属を切る音や、削る音が響いている。
休み時間になると、人々が出て来て作業服の胸をはだけたりしているのを見かける。
相当な暑さだろう、御苦労さまですと思いながら通り過ぎる。



 
炎天にほてりを冷ます旋盤工        茜



2014年8月2日土曜日

茄子

茄子は野菜の中でも地味な方である。
トマトのような華やかさも、主張する味もない。
だが、水を弾いてつややかな紺の肌、
その張りに包まれた柔らかい中身は、
たっぷりと水を含んでいる。
きざんで塩で揉むと、しみでる水の量に驚く。
その分どんな味付けにもなじむのだ。
ひとたび調理すると、和風で三杯酢に、焼きナスに、煮物に、
炒めてイタリアンにもなり、りっぱな主役になるのだ。
夏の野菜として欠かせない茄子、
今日は焼こうか、蒸そうか、炒めようか、茄子は楽しい!



 
 長茄子の紺を鎧いてみずみずし        茜



2014年7月27日日曜日

空蝉(うつせみ)

蝉の抜け殻に、白い毛のようなものが立っている。
毎年見るたびに、これは何であるかを知りたかった。

蝉が脱皮するのは、全身であり、眼や脚はもちろん、
呼吸器の気管も脱皮する。
その呼吸器等の管の脱皮した物が白い糸状になっているのだ。
だから、殻を割ってみると中には約20本の白い糸が並んでいる。
あらゆる処からの管の痕なのだった。
やっと解ってうれしい。

ちいさな児が両手に蝉の殻をいくつも載せていた。
「一つちょうだい」と言うと、「あっちにあるよ」といって歩きだした。



 空蝉を捧げもつ児について行く        茜


2014年7月24日木曜日

花魁草(おいらんそう)

ピンクの背の高い花が花魁草。
左上の丸坊主が千日紅。
中心がインパチェンスの八重咲き。
左端が紅白のフクシャ。
玄関先に、赤系の花だけ寄せ植えにしてみた。
野にあるピンクのユウゲショウも中にそっと入れた。



折れそうにすっと高きは花魁草         茜


2014年7月20日日曜日

かみきり虫

「るりいろ」のそれは綺麗な虫だった。
長い触角に黒い星が並んでいる。
4センチほどの華奢な体つきだ。
胴体に糸をかけて、しばらく繋いでおいた。
「ルリボシカミキリ」をくぬぎ林で捕まえてきた孫。
去年まで逃げていたのに、逞しくなったものだ。
ちなみに糸をかけたのは誰あろう、この私しかいないのだ。
つかむとキーキーと鳴いた。


 かみきりの何に抗いキーと鳴く        茜


2014年7月16日水曜日

ノシメトンボ

  
夏らしく草花の生い茂った庭になった。
秋海棠(しゅうかいどう)の大きな葉が重なり合っている。
その上にいた「ノシメトンボ」は、あちらこちらと飛び回る。
色の少し変わったもう一匹といたから、つがいだろう。
この狭い庭を見つけてトンボや蝶がきてくれるのは喜びだ。

ノシメというと 熨斗目 と書く能の小袖を思い出すが
このトンボの名前の由来も、そこから来たのだろうか。



 庭は今熨斗目とんぼの初舞台        茜


2014年7月13日日曜日

李(すもも)

食卓に変化を彩どりをと、主婦は考えている。
すももの美味しい食べ方を聞いたら、すぐに試さずにはいられない。
簡単に作れると聞いたら尚更だ。

  すもものコンポート(砂糖煮)の作り方
  すもも10個位と砂糖1Cを炊飯器に入れ、保温にして一晩。

こんな簡単な方法で、柔らかいコンポートに。
たっぷり滲み出た赤い煮汁は、甘いので炭酸で割ってジュースにできる。
少し艶やかさは失せたが、甘いデザートとして
しばらくは楽しめそうだ。



 荒梅雨の仁王の舌の赤さかな        茜

2014年7月8日火曜日

ナワシロイチゴ、ヘビイチゴ



上・ ナワシロイチゴ、苗代の時期に熟れるからだという。
下・ ヘビイチゴ、蛇が出そうな処にあるからという。
諸説はあるようだが、私には区別は難しい。
どちらにも毒は無いが美味しいものでもない。
ナワシロイチゴは砂糖を加えてジャムにするとよいらしい。
ヘビイチゴは、名前のせいで見ただけで逃げまーす。


(短歌)
木苺を一つだけでも食べたなら
            きっと貴方は変わると思う   茜

2014年7月2日水曜日

少年の夏


近くの小鮎川に、鮎が大群で上って来ていたという話を
聞いたことがある。
少年が青芦の中に網を差し込んでいた。
まさか鮎がいるのだろうか、何かの小魚かコエビが
いるかもしれない。
ドキドキしているだろう。
次の瞬間をスッと想像するだろう。
さあ!!   
どうかな!



 空広く少年声を嗄らす夏          茜

 少年の声青葦の水揺らす         々



2014年6月27日金曜日

夏椿


夏椿は沙羅の木の花の別名でもある。
五弁花で、朝に咲き夕べには落ちる一日花だ。
明るい葉の中に、さらに明るい白い花は
いかにも爽やかである。
樹皮の赤褐色も美しく、薄く剥がれる。
剥がれる季節はさて何時だっただろうか。



 見ていると次第に大きく夏椿        茜


2014年6月23日月曜日

岩煙草

雨の北鎌倉行きとなった。
名月院の紫陽花は人波に隠れてしまうほど。
総勢7名のグループは、東慶寺の方へ歩くことにした。
露座仏の後ろの崖は「岩煙草」が満開、
半夏生も花菖蒲もほたるぶくろも雨に濡れそぼっていた。
約2時間吟行のあと句会となった。


 
岩煙草濡れおり谷戸の尼の墓

尼寺のほたるぶくろに灯を入れよ

谷戸深く青梅落ちる音したり

紫陽花を見る人波を抜けてより文士の墓の並ぶ寺奥


2014年6月20日金曜日

木苺


 林の近く、道端によく見かける木苺である。
食べると甘酸っぱく、でもすぐに忘れてしまう味。
たくさんは無いので、せいぜい1,2個摘む程度だ。
連れに一つすすめても、「結構です」と断られる。
彼は道端の木の実、あるいは虫がついているかもしれぬ物は
断じて口にしないのだ。
それなら、農薬のかかっている量産品の苺なら旨いのか。
そんな筈はないでしょう。
一度は食べてごらんなさいよ。



 会える日の近し木苺摘み溜めて        あかね


2014年6月17日火曜日

余り苗

余り苗は置かれているだけで、植えられている訳ではない。
田植え機に据える形に、四角の箱でまとめて育てられたのだ。
運よく植えられた早苗は、晴ばれと田水に姿を映している。
しばらくは、補充する為に置かれている余り苗も
早苗が大きく育っていくと、無用になるのだ。
決して実をつける稲に育つことは無いのである。
あわれ!余り苗。



 青々とそよいでおりぬ余り苗        茜



2014年6月15日日曜日

雪の下


 雪の下は、湿った処に咲くようだ。
この北の斜面は、誰も手を入れないので伸び伸びと繁茂している。
お寺へ散歩に行くのに、旧道と呼ばれるこの細い道を通る。
こんな古い道で、好きな山野草を見つけるとうれしい。
木苺、松風草、へび苺(好きではないけど)もあった。
雪の下は、食べられる草でもあるらしい。



 旧道の山風が好き雪の下         茜



2014年6月13日金曜日

桑の実


近所を歩いていると、道路が黒くなっている処がある。
桑の実が落ち潰れたり踏まれたりで、
黒く染まっているのだ。
仰ぐと、高い桑の木があることに気づく。
昔、生糸をとるため蚕の餌の桑畑があったという。
その丘に私達の町ができたらしい。
あちこちに見る桑の木に歴史を感じるのである。



 この町の桑の実熟れて住み慣れし     茜



2014年6月10日火曜日

どくだみ


庭のあちこちに咲いているどくだみ。
雑草と言うなかれ、白い十字の花は可憐でさえある。
紫陽花も伐って一緒に活けてみた。
伐ったばかりの葉の色は強さを感じさせる。
翌朝、少し体裁を整えて撮ってみたが、
それではどくだみの奔放な強さは失せてしまう。
やはり最初のこの一枚の方が良かった。



 どくだみの花奔放なまま活けし       あかね



2014年6月7日土曜日

竹の皮脱ぐ


筍がどれくらい大きくなったら竹と呼ばれるだろうか。
獣のような毛が密集した皮を脱いでいくのも
ある丈になってからだろう。
中央右の一本はまだ脱ぐ気配はないようだが、
左はもう少しで脱ぎ終わろうとしている。
太さも充分の竹だ。
ともあれ、脱ぎ棄てて一本の竹になる時なのだ。



 竹の皮脱ぐなりふりを言えぬ刻        茜


2014年6月4日水曜日

朴の花


下の集落からバス停への近道が、
林の中へひょろひょろと出来ていた。
わずか30メートルほどだが、日も通さないような
密集した雑木林だ。
赤い木苺をみつけ、水色のタツナミソウをみながら、
爽やかな風にふと顔を揚げると
朴の花が一つ高い処に見えた。
今年初めての朴の花である。
(望遠レンズで撮りました)



 朴の花一つ風来るほうに見し         あかね