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まわりの山を見渡すと、木の芽のせいで赤く
なってきている。
夏の黒々とした緑の重そうな山と違い、冬の
葉が落ちてしまった山の、心細そうな寒々とした
たたずまい。
地肌の凹凸まで透けて見えそうだ。
その単色だった山にも、春のきざしが表れて
まず木の芽の色がはっきりとし始めた。
緑の葉も芽の時は赤い、赤に何かの意味が
あるのだろうか。
この堅い芽が開き始めると、木の輪郭を画く
ように一本一本をそれぞれの色で際立たす。
その木々の間を歩く日が待ち遠しい。
あかあかと冬芽整う雑木山 茜
(あかあかとふゆめととのうぞうきやま)
冬の季語;冬芽

薄氷はうすらい、うすごおりとも読みます。
春先の寒さでうすうすと張る氷の事です。
田んぼの山際の所は、いつも日影になっており、
いつの雨なのか水溜りもあり、田は乾く暇もなく
湿っている。
そこへ薄氷が張っていた。
表面へ付いている泡は何時出来るものだろう。
そばには、セリが青い葉を広げている。
このセリの葉にかかっている薄氷はうまく撮る事
ができなかった。
薄氷の泡傾かす草の息 茜
(うすらいのあわかたむかすくさのいき)
薄氷の泡傾くは草の息 茜
春の季語;薄氷

ゼラニウムの葉が寒に焼けたというのだろうか、
赤くなり華やぎとなっている。
先日乗り合わせた電車が停車駅に止まると
突然老人が車両の通路へ倒れこんだ。
口から泡を吹いて見るからに重篤な様相だった。
やがて駆けつけた駅員が「救急車が来ます。」と
言うので、乗客達は黙って見守った。
その間若い駅員が慣れない手つきでAEDを使っ
たりしたが10分か15分してから救急車は到着。
その間の長かったこと。すぐにAEDを使っての
措置をし心臓マッサージを施したが、あの後老人
は、どうなっただろう。
私は、10年前「救命措置」の講習を受けていた。
心臓マッサージも出来ると思う。あの時すぐそば
で倒れた老人に、何故躊躇したのだろうと今悔や
んでいる。
少しの勇気と行動が必要と思った。
今は人口呼吸はしなくても、心臓マッサージ
だけで良いという事である。
春待つや真綿に包む貝標本 茜
(はるまつやまわたにくるむかいひょうほん)
冬の季語;春待つ

クレソンはきれいな水に育つという。
上古沢という地名が表すように、山から滲み出た
水が集まってきて小流れを作っている。
クレソンはその流れに守られているかのように
かたまって育っていた。
この小川に名前がつくのは、少し下流の広くなる
川幅になってからのようだ。
オランダ辛子(からし)という和名のとおり、
辛味があり料理にそえたりサラダにして食べる
事ができる。
分岐してクレソンへ行く山の水 茜
(ぶんきしてくれそんへいくやまのみず)
春の季語;クレソン



食は暮らしの彩りだと思う。
一日三度の食事を摂っているが、美味しく食べる
為にいろいろ気を使っている。
三度もだから飽きがこないように同じスープでも
薬味を、ネギ、パセリ、パクチーと変えるだけで
和風、洋風、タイ風にもなる。
彩りとはちょっとした変化の事である。
朝食が終わったら、もう昼の食事の事を予定しな
くてはならないから、テレビで仕入れたアイデア
はすぐに使ってみる。
写真は我が家のささやかな今の楽しみです。
上は友人特製の金柑漬け。
直径3cmある金柑を半分に切り、種を
取り除き氷砂糖で煮ている絶品!
中は塩麹と切干大根の薄い三杯酢漬け。
塩麹に漬けたお肉は2倍美味しい。
下は干したえのき茸を砂糖醤油で乾煎りしたもの。
スルメの味がしてビールのつまみに良し。
春キャベツ軽い空気を芯に抱き 茜
(はるきゃべつかるいくうきをしんにだき)
春の季語;春キャベツ

赤鶏の丸ごと一匹を冷凍食品売り場で見つけた。
それ以来、この冬何度もこの料理になった。
丸ごと一匹を大鍋に入れ、コトコトと煮るだけ。
透き通ったスープに油はあまり浮かず、濃厚な
味となっている。
肉は解けそうになる程柔らかくなり、
一日目は鶏のもも肉付近の肉をたっぷり、
二日目はスープで聖護院大根を煮て、
三日目はスープをご飯にかけておじや風に。
写真はスープをかけたご飯です。
庭で栽培のルッコラと
黒いのは、棗(なつめ)です。
塩麹を少し入れて味付けします。
時かけて二月の水に何浸す 茜
(ときかけてにがつのみずになにひたす)
春の季語;二月

いろいろやってみたいという思いはいつも
持っていた。
子供の時の、手作りの人形の服に始まって
現在に至るまで、手作りが好きなのだ。
絵も描きたい、本も読みたい、野菜も花も作りた
い、でも年相応に目も遠くなり、車の運転も鈍く
なり、忘れ物も多くなった。
今までやってこれた事に感謝しよう。
まわりの人に感謝しよう。
今の自分にふさわしく出来る事とできない事を
より分けながらやっていきたいと思う。
絵皿は、早春をイメージして描いたものです。
花の白い色は皿の白を活かしています。
早春の匂いの一つ濡れ若木 茜
(そうしゅんのにおいのひとつぬれわかぎ)
春の季語;早春

写真は、横浜の日本丸の船内に展示してあった
紐の結び方の一部です。
知っているようで知らない結び方。
神事に使う玉串や注連縄に下がっている白い紙、
四手(しで)の事ですが、これもどう切っている
のかわからない。
昔から伝えられているものには、いろいろ意味が
あり合理的に考えられていて、紐等もっと知りたい
事がたくさんあります。
背伸びして神事遠巻き冬帽子 茜
(せのびしてしんじとおまきふゆぼうし)
冬の季語;冬帽子

主人の母が92歳の頃、まだ歩いて家に入る
ことが出来た。施設に入居しているが久しぶりに
家へ帰ってみたいという要望で、もう誰も住んで
いない我が家へ寄ってみる事になった。
中へ入ると、大方整理をつけてきた家の中を
見回してから箪笥の前へ行くと、引き出しの中の
着物をほとんど畳の上へ出して言った。
「もう着れない。持って行ってどうにでもして
いいから。古いのだから捨てて。」
それで心の整理をつけたように、きっぱりと
言った。
勿論小柄な義母の着物は私には合わなかったが、
義母の気持ちを思うと、すぐに捨てられるもの
でもなかった。
白い帯を解いてクッションを作り、車椅子の上で
使えるようにして送った。
98歳になったが今も元気で過ごしている。
繕いは治療にも似て日向ぼこ 茜
(つくろいはちりょうにもにてひなたぼこ)
冬の季語;日向ぼこ

友人の新築のお宅に招かれました。
ご夫婦の理念が通った木の家に、一歩中へ入ると
新しい木の香りにまず癒されました。
天井の高さ、柱や梁の太さ、床の感触、
土壁の心地よさ。
どちらを見ても素直にうれしくなる作りです。
一度は住んでみたい白木の家、家と一緒に
呼吸しているような気持ちになりました。
有難うございました。
木の家の梁にぶらんこ空見えて 茜
(きのいえのはりにぶらんこそらみえて)
春の季語;ぶらんこ

冷え込む日が続いています。
こちらは雪は降りませんが、霜で真っ白になる
朝があります。
霜は、空気中の水蒸気がそのまま凍り、地表等に
付着する氷晶です。
快晴無風の夜に発生し、夜が明けると一面真っ白
に見えるのです。
この付着した氷は朝日に溶けて、地面を潤す
のでしょう。
ザクザクと音を立てて踏んで歩きます。
めったに朝は歩きませんから貴重な足音でした。
風のなき葉先に霜の重からむ 茜
(かぜのなきはさきにしものおもからむ)
冬の季語;霜

蝋梅の何という清やかな香りだろう。
花のふくらみに、蝋を塗ったような光沢がある。
伊勢原市に日向薬師があり約1280年前に開山
したと言われている。
初詣でのさい、350年ぶりに平成の建替えと
いう事で、宝物殿に全部の仏像を集めて安置され
ていた。
20体もある仏像に囲まれて座ると、どこか別の
世界へ誘われそうな気持ちになった。
中でもある仏像の前に座った時、それまで伏目
だった仏像の目が、見上げた私の目と合う体勢に
なり思わず手を合わせたのだった。
膝折りて目の合う木仏日脚伸ぶ 茜
(ひざおりてめのあうきぶつひあしのぶ)
冬の季語;日脚伸ぶ

冬の月はいかにも冷たく感じられ、静かな
銀色の世界をイメージさせる。
鮮やかな色彩は鳴りを潜め、白黒のモノトーンが
生き生きと浮き上がってくる。
そんな光の中で、人はそれぞれの思いで月を
眺めるだろう。
3.11で被災された方々はこの寒さの中でどうして
おられるのでしょうか。
報道されるのは、いっこうに変わらない壊れた
街の風景ばかりです。遅ればせながら一句を。
虎落笛耐えて残りし鉄骨あり 茜
(もがりぶえたえてのこりしてっこつあり)
津波痕の土の悲鳴や冬鴎 茜
(つなみあとのつちのひめいやふゆかもめ)
冬満月欅は芯から枝を張る 茜
(冬まんげつけやきはしんからえだをはる)
冬の季語;虎落笛(強い風が電線などにあたり笛
のような音をたてる)

厚木市街から山の方へ向かって歩いていくと、
だんだん道は寄り集まるように1本の道になって
くる。
両側から山が近づいてきて細い谷間に入っていく
のだ。
いつのまにか川に沿っている道は、次第に細く
なっていく。
山から染み出た水は澄んだ川となって、音をたて
るようになるともう山の中だ。
こんな所にも家がと、驚くような山の中にも人の
営みはある。
小さな畑があったり賄いの煙が昇っていたりする。
ほっとするのも、こんな時だ。
綿虫や峡の田畑は川に沿う 茜
(わたむしやかいのたはたはかわにそう)
川に沿う冬耕の畝峡七戸 茜
(かわにそうとうこうのうねかいななこ)
峡=(かい)山と山の間の細長い土地
冬の季語;綿虫(白い綿のようにふわふわ飛ぶ虫)
冬耕(とうこう)

とうとうノルディック ポールを買いました。
ネットで見た値段の十分の一で出ていたからです。
量販店のチラシも見てみるものですね。
さっそく試し歩き、いつもの散歩コースを
約1時間かけて歩いてみました。
最初はゆっくり、慣らすためにポールはひきづっ
て。次第に感覚が掴めると握りの部分を軽く
つかんで手を振って歩きます。
途中で、中学生にジロジロみられましたが、
年寄りが杖を付いているくらいに思ったのかも
しれませんね。
普通に歩くより1.5倍のエネルギーを使うそうです
から、これで体力アップとなるでしょうか。
許すとは楽になること笹子鳴く 茜
(ゆるすとはらくになることささこなく)
冬の季語;笹子鳴く(冬の鶯が枝でチャッチャッと
鳴くこと)

夜半から降り始めた雪は、すぐに止んだらしく
積雪4cmという話である。
外を歩く足音が、固まった雪を踏んでいる音だっ
た。時折通る車も押しつぶしているような音を
たてていた。
私が外へ出てみたのは、朝8:00頃だったが、
雪はすでに、朝日を浴びてきらきらと輝いていた。
晴天の続いた太平洋側では珍しいお湿りである。
融けて土を潤してくれるに違いない。
雪は早や雫となりて光りけり 茜
(ゆきははやしずくとなりてひかりけり)
しずしずと嵩あるものへ積もる雪 茜
(しずしずとかさありものへつもるゆき)
冬の季語;雪

米から出来た「こうじ」ですが、「糀」とは
あまり書かないようですね。
私が買った麹屋さんも、米から作っているのに
「麹」の漢字でした。
ちなみに、「糀」は国字だそうです。
昔母が作ってくれたように、お粥に麹を混ぜて
炬燵へ入れておき甘酒を作りました。
翌朝できた甘酒のなんと甘い事。
懐かしいあの味でした。
今話題の塩麹も作ってみました。
小さじ1杯の塩麹で味付けする魚、肉が
楽しみです。
塩麹の作り方
麹 200g
塩 70g
水 250g
麹をよくほぐし塩と揉む(しっとりするまで)
水を加えて1週間、毎日かき混ぜる。
春近し手のひらで揉む麹の香 茜
(はるちかしてのひらでもむこうじのか)
冬の季語;春近し


アオツツラフジの種です。
散歩の途中でみつけました。
噂に聞いていたアンモナイトに似ている種の形、
3ミリの小さな種だが、良く見ると本当にそう見
える。
実が5ミリ位の小粒だから、中の種はこんなに
小さかった。
自然にある形はどうしてこうも不思議な形を
しているのだろう。
化石のアンモナイトの形の DNA がどこかに
入っているのかしら。まさかネ。
春近し太古より来し種の形 茜
(はるちかしたいこよりきしたねのかた)
冬の季語;春近し

コメントが入らなくなっています。
お返事出来なくてごめんなさい。
こんなに潔く伐ったものだ。
栗林は屋敷に続いていて、秋には大きな栗の実を
たくさんつけていた。
ところが、このようにばっさりと伐られている。
切り倒された訳ではないから、この後新しい枝を
育てて若返らせるのだろう。
春、新芽が出て若葉が茂り又濃い影を作るのだ
ろうと思うと楽しみになってくる。
他人様の栗林の成長でさえも楽しみにしている
くらいだから、歩く所すべての草木が親しく
思えるのである。
剪定や孫子に遺す屋敷林 茜
(せんていやまごこにのこすやしきりん)
春の季語;剪定

檀(マユミ)の実です。
ニシキギ科の落葉低木で、1cm程の四角形の実を
つけるが、外皮が淡紅色に熟すると四裂して
赤い実が現れる。
中の赤い実は仮種皮(かしゅひ)と呼ばれ、
その中に種が入っているのだ。
幾重にも守られて種があるらしい。
このように、赤い実をさらけ出して鳥に食べられ
るのを待っているのだろうか。
今朝も寒い、下に落ちた実にも霜が付いている
だろうか。
果皮という外套をぬぐ実のありぬ 茜
(かひというがいとうをぬぐみのありぬ)
冬の季語;外套