2010年6月10日木曜日

新じゃが


新じゃがの旨い季節になった。
つるりと剥ける薄皮、ほくほくとした食感はなんともいえない。

花が咲くと収穫時だ。
小さな菜園を借りていた時、収穫したじゃがいもの大きさに
感激したものだ。
花はなんとも地味で、花の奥にある薯だけに関心が集中していた。
茎を持って引くと薯がいくつも下がって出てくる。
土の柔らかさと、まだ薯が埋まっているかもしれないという思
いで いつまでも掘り続けたものだった。
   
   
登りきてバス終点や薯の花       あかね

  (のぼりきてばすしゅうてんやいものはな)  
     
夏の季語; 馬鈴薯の花   秋の季語;馬鈴薯(ばれいしょ、じゃがいも)

2010年6月7日月曜日

田植え

田植えが始まった。
行きつ戻りつして植えている。
一列づつ植えていくやり方だった。
  
真っ直ぐな苗の列が不思議で、聞いてみた。
「足跡の上を戻るから平行になるのだよ」
と答えてくれた。
一人で半日もかからないそうだ。
  
外国に住んでいる友人がこのブログを時々見てくれている
この田植えを懐かしく思ってくれるだろう。
     
   
      
  湖近く早苗は風に慣れずおり        あかね
  
   (うみちかくさなえはかぜになれずおり)
  
夏の季語; 早苗

2010年6月5日土曜日

落とし文


落とし文は「オトシブミ科」の甲虫が作る卵入れのようなものだ。
道端に点、点と落ちていた。
見上げると、広葉樹らしい丸い葉が柔らかく日を
通していた。

以前拾った時のは、堅くきっちりと巻かれていたが、
今年のそれは、柔らかくてそっとつまんで持った。
どうかすると解けてしまいそうな巻き方だった。
木の葉の種類によって違ってくるのだろう。
   
  
  落とし文ほどけそうなる一つあり       あかね
  
    (おとしぶみほどけそうなるひとつあり)
  
夏の季語; 落とし文

2010年5月29日土曜日

朴の花


朴の花はとても良い香りがすると友人が教えてくれた。
さっそく近くの林に行ってみたが、仰いでも、
その高い木 の花の香りは私には届かなかった。

強く甘い香りらしい。
  
秋 足もとに落ちている大きな葉で「朴の木」とわかった。
朴の葉は、靴をそのまま包み込みそうな大きな葉だ。
一枚持って帰ったが、食卓に置いたままだった。

いつも何かを拾って帰る、習性のようなものだ。
  
  
 会えばすぐ少女に戻り朴の花     茜


   (あえばすぐしょうじょにもどりほおのはな)
  
夏の季語; 朴の花
  

2010年5月24日月曜日

ユリの木の花

                   (晴れた日の梢 黄色は花)

                           (雨の日の花)

雨が続くと、花が終わりはしないかと気にかかる。
初夏に咲くと言われれば、急いで見に行かねばなるまい。
「ユリの木」は高さ約40Mもの大樹だった。
その頂辺に咲いていた。
   
別名「チューリップの木」、葉の様から「半纏木」とも言う。
大樹の花の多くがそうであるように、これもモクレン科である。
葉と同じ色の花は、肉眼ではよく見えなかった。
知る人でなければ、見上げることもないだろう。
花の中はどうなっているのだろうか。
きっと風や蜂が遊びに来ているのだろう。
    
  
 ユリの木の空を揺らして青嵐       あかね
    (ゆりのきのそらをゆらしてあおあらし)


さみだるるユリの木の花冷たかろ        あかね
     (さみだるるゆりのきのはなつめたかろ)


 夏の季語; 五月雨(さみだれ)、 青嵐

2010年5月23日日曜日

薔薇


N家の薔薇が満開だ。
約20種ある薔薇は、それぞれの特徴を存分に見せている。
ピンクの「スパニッシュビューテイ」の
蔓を絡ませて作るアーチは、見事なエントランスとなっていた。
とても全部は覚えきれないが、ため息がでるような名前が多い。
日が高くなると、花は重たげにうつむき加減になった。
これからが楽しみの庭である。
又見せてくださいね。
   
   
 日当たりてうつむく薔薇の重さかな      あかね
    
  (ひあたりてうつむくばらのおもさかな)
  
夏の季語; 薔薇

2010年5月21日金曜日

ブルーカーペット


白い家に纏わるように咲いていた。
ふと目に留まったのは青い「コンボロブルス(ブルーカーペット)」と
白い「セラスチューム」だ。
出窓の下を爽やかに咲いていた。
青い朝顔のような形で長い茎にたくさんの花をつけている。
夕方には閉じてしまう花だ。
もうしばらくは楽しませてくれるだろう。
   
 夏が来て家の東西風通す        あかね
   
  (なつがきていえのとうざいかぜとおす)
  

2010年5月6日木曜日

緑陰(りょくいん)

我が家のささやかな「緑陰」である。
冬には日差しを通していた楓がしっかりと葉をつけて
緑の陰を作ってくれた。
アーチを作っているのは「アブチロン」赤い提灯のような花を
つけている。
手前は、黄色い「エビネ」、青い「都忘れ」、「アジュガ」である。
いずれも、宿根草で何年も咲いてくれている。
   
   
  緑陰は明るき方を向くところ     あかね
  
  (りょくいんはあかるきほうをむくところ)

夏の季語; 緑陰

二輪草

夏 キツネのかみそりが咲いていた北の斜面は
今「二輪草」が盛りだ。
もう1ヶ月以上も咲きつづけている。
寒い朝に見つけるとうれしくなる花だ。
一叢見つけると、つぎつぎと 白い花の群れて咲くのを
みつけることができる。
明るくなると開き、夕方には閉じてしまう花。
来年も咲いてくれる事を願ってやまない。
   
  男きて溝堀り始む二輪草      茜
  
  (おとこきてみぞほりはじむにりんそう)
   

春の季語; 二輪草

2010年4月27日火曜日

十二単衣(じゅうにひとえ)

      (クリックすると大きくみえます)

青い花は、アジュガ(西洋十二単衣)、
右奥の薄紫が、十二単衣である。

散歩の途中で見つけた十二単衣を、土手から一株いただいた。
ふかふかの土に、薄紫の十二単衣は幾つもの花穂を付けていた。
名前は知っていたが、初めて野に見つけたのだった。
又一つ 庭に野の花が仲間入りした。
アジュガは繁殖力が強く、どこへでも伸びていきそうだ。
野の十二単衣はどうなのだろう。
(ちなみに、一番奥の細い葉はニラです)
  
   
 息詰めて雉に近づく土ふかふか      あかね
   
  (いきつめてきじにちかづくつちふかふか)

春の季語; 雉、 十二単 

2010年4月15日木曜日

野焼き

                
                 (こちら側からも火が付けられた)
4月14日
箱根仙石原に車がさしかかると、沿道に大勢の人々が佇んで
いた。その視線の先に、野焼きの火があがっていた。
すすきの高原に火がつけられたのだ。
    
野焼きの火は一列になり、こちらへ向かって進んでいた。
火は風下から付けるのだろうか、煙を後ろへなびかせながら
静かに進んできた。
火が近づいてきたところで、こちら側からも火が付けられた。
すぐに、向こうからの火と一つになって大きく燃え盛った。
   
一転して風向きが変わり、観ている私達の方へ火の粉と共に
煙が襲ってきた。
皆、頭の火の粉とも煤ともつかない黒い灰を払った。
   
1ヶ月も遅れたという「野焼き」に偶然出くわし、火の勢いを
目の当たりにでき、なんと幸運だったことか。
時々聴く火にまかれる痛ましい事故を思うと、
一方向からのみ火をつけるやり方は、安全に思えた。
   
   
  煽られて野火一線に立ち上がる        茜
     (あおられてのびいっせんにたちあがる)
   
  野火うねり風を従え進みくる           茜
    (のびうねりかぜをしたがえすすみくる)
      
    
春の季語; 野焼き、野火

2010年4月11日日曜日

落椿(おちつばき)

お気に入りの小道はあちこちにある。
その季節になると必ず訪れてみたくなる所だ。
  
ここは椿園。1月から3、4ヶ月もの間、種類は変わるが
咲き続けている。
友人を案内して園内をめぐると、おおかたの椿は咲き
終わって いたが、桜の花びらが盛んに舞っていた。
数十種類の椿が植えられているが、
その中で「黒椿」の花が本当に黒かったのが印象的だった。
  
  
  影に来て風に会いけり落椿        茜
  
   (かげにきてかぜにあいけりおちつばき)

春の季語; 落椿

2010年4月2日金曜日

雉(きじ)

ここ数年ねらっていた「雉」を撮ることができた。
デジカメも4台目。倍数の大きいカメラになってようやく撮れた。

「ケン、ケーン」 鳴き声に探すと
小川を隔てて50メートル程先の土手に羽ばたいていた。
喉を搾るような鳴き声は、メスを呼ぶ声らしい。
一度鳴くとしばらく間をおいて、遠くの藪から声が返ってきた。
別のオスが鳴いているのかもしれない。
それにしても、どういう田舎なのでしょうか。
我が家から20分も歩くとこんなに長閑(のどか)なのです。
  

  雉啼くやつぎ啼くまでの山の青       あかね

    (きじなくやつぎなくまでのやまのあお)

春の季語; 雉

2010年3月27日土曜日

ねこのめそう→ トウダイグサ かもしれぬ


草丈 15cmほどの野草である。
湿った野に這うように咲いていた。
丸く開いた花芯が「ねこのめ」に似ていなくもない。
色が鮮やかで、草の中でも目をひいていた。
このあたりは、こんな可憐な草花であふれている。
土筆も出ていた。
少し摘んできたので、今夜のつまみにでもしようと思う。
  
(トウダイグサ かもしれません)
   
   
  目に慣れて芹の青さを摘んでおり       あかね
  
    (めになれてせりのあおさをつんでおり)
  
春の季語; 芹

2010年3月21日日曜日

木付子、木五倍子(きぶし)の花


土手の下を歩いていると 「きぶしの花」が咲いていた。
かすかに揺れる様は、舞妓さんのかんざしのようだ。
まだ葉の出ていないこの時期に、たくさんの花房がさがる。
5月には、緑の丸い実をつけている。
そのころには、もうどの木に花が咲いていたのかわからないし
気にもしなくなる。
    
    
 木五倍子咲くあおき葉擦れを知らずして      あかね
  
   (きぶしさくあおきはずれをしらずして)
   
 春の季語; 木付子、木五倍子(きぶし)

2010年3月18日木曜日

ほとけの座

まだ耕しは始まっていなかった。
しかし 土手には「ほとけの座」がピンクの絨毯を作っていた。
春一番に咲き始める花といえるかもしれない。
春の七草(せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、
 すずな、すずしろ)の中にも言われている。
       
   七草の仏の座は別名「コオニタビラコ」という黄色の花が
   咲く植物で、この写真のホトケノザは七草の仏の座では
   ありませんでした。
   
冬鳥の鋭い声もいつの間にか聴かなくなって、
音の絶えたような長閑さである。
   
  
  木霊して物の芽山を膨らます      茜
   
    (こだましてもののめやまをふくらます)
   
春の季語; 芽、ほとけの座、耕し

2010年3月10日水曜日

ベビーリーフ


去年の11月に蒔いたベビーリーフサラダが、
プランターいっぱいに育った。
今年のお正月の吸い物にはこの葉を青物として使った。
3ヶ月を過ぎようとして、この小さい一株ながらも
トウがたってきた。
芯に花芽をつけてきたのだ。
蒔いてから5,6センチ位になると、その野菜の特徴が
如実に現れて、水菜、青梗菜、小松菜、からし菜、白菜等の
種が入っていた事がわかった。
毎日サラダへ、お汁の実へと使い楽しませてもらった。
あと少し残っているが終わりが近い。
   
   
  草の芽を押し上げてくる地の湿り       茜
   (くさのめをおしあげてくるちのしめり)
芽; 春の季語

2010年2月26日金曜日

上絵付け、えんどう


これでも器である。
少しゆがんで、こぼれそうに思える白い器。
何を盛ろうかと考える。
盛りたい物を描いて焼き付けた。
長細い器にはアスパラを。丸い器にはえんどうを。
   
   
えんどうの掴かみたがりて揺れどうし      あかね
  
(えんどうのつかみたがりてゆれどうし)
  
春の季語 ; えんどう

2010年2月6日土曜日

切干大根


良いお天気、そして風の強い今日は、大根を厚めに切って
干してみました。
直径50センチの笊だから 小ぶりの大根2本分ほど。
(細すぎる千切りは跡形もないほど縮みます)
    
2日ほど干してクタクタになった大根を、さらに小口に切り
甘酢に漬ける。
  砂糖
  酢
  柚子
  唐辛子少々
塩は入れなくても、大根の辛さが残っているので
結構な漬物になります。
減塩を心がけている私には丁度いいお味です。

カラカラになるまで干すと「切干大根」になります。
これを水に戻して、やわらかく水煮してから煮物に使うと
懐かしいひなびたお味の煮しめになります。
美味しいですよ。
      
  切干しを風呼ぶように広げけり     茜
    (きりぼしをかぜよぶようにひろげけり)
   
冬の季語; 切干(きりぼし)

2010年1月29日金曜日

水仙


伊豆半島 爪木崎の水仙です。
海までの斜面いっぱいに水仙が咲いていました。
水仙の匂いの潮風です。
全容は広すぎて撮れませんでしたが、向こうの斜面までの
白いところは全部水仙の花です。
  「水仙いちりんのお正月です (種田山頭火)」
水仙には言葉が要らない感じですね。
       
  水仙の海青ければ光り合う       あかね
         
   (すいせんのうみあおければひかりあう)
   
冬の季語;水仙   

2010年1月26日火曜日

ヒヨドリ


目白の敵 ヒヨドリです。
彼も必死で生きているだけだろうに、あの「ギエーッ」という
声が災いして嫌われものです。
今日も目白を追い払って、食べています。
全部食べた後、蹴散らして下へ落としてしまいました。
ちなみに、酸っぱい柚子のような蜜柑は好まないようです。
   
   
 うぐいすや母の手提げに飴袋        あかね
   
  (うぐいすやははのてさげにあめぶくろ)
   
 春の季語; うぐいす    

2010年1月21日木曜日

冬の鳥


朝、小鳥のさえずりが聞こえると、きっと「めじろ」だ。
枯れた枝の中をくるくる回っている。
虫を見つけたのだろうか。

カーテンの隙間からそっと見ていると、蜜柑にきた。
気に入ったらしい。
眼に白いくまどりがあるのが可愛いい。
絶え間なく辺りを気にしながら食べている。
その時!鋭い声でやってきたのは、大きいヒヨドリ。
眼白はあっという間にいなくなった。
どうしても、小さな眼白に味方してしまう。
   
 鳴いてきて人の恋しと冬の鳥        あかね
   (ないてきてひとのこいしとふゆのとり)

寒禽の直線ばかり引いて飛ぶ        あかね
   (かんきんのちょくせんばかりひいてとぶ)
   
冬の季語;冬鳥、寒禽   秋の季語;ヒヨドリ    夏の季語;めじろ

2010年1月15日金曜日

どんど焼き


1月14日は「どんど焼き」がありました。
去年とまったく同じ場所に、同じように火の手が上がりました。
    
小さな地区10戸位が集まって「どんど焼き」をそれぞれ行います。
孫の書初めらしい書を外側の竹に貼り付けてありました。
長老のお祓いの後、火が付けられ、あっという間に炎が
上まで立ち昇りました。
青竹の爆ぜる音が空まで届くかのようです。
火が納まり熾き火になると、無病息災を願って「団子」を
焼いて食べます。私も1個戴いて焼きました。
  「どちらから来たの?」
  「向こうの方からです。」
  「ああ、台の方の人だね。」と言われました。
       
 台の人と呼ばれ加わるどんど焼き      茜
    (だいのひとといわれくわわるどんどやき)
        
 どんどの火尽きて団子の灰払う       茜
     (どんどのひつきてだんごのはいはらう)
   
冬の季語;どんど焼き

2010年1月9日土曜日

連句

半歌仙「初みくじの巻」     七日 新宿御苑にて
     
表発句 眼前当季    結ばれて音符のごとし初みくじ    茜
脇    同上        破魔矢に乗せて天まで届け     姉
第三   雑       銀輪の高層ビル群後にして      茜
四    春         ほつほつ梅の咲き出す丘に     姉 
五    春・月     ねぐらから鴉みている朧月       茜
六    春         春の潮は寄せては返す        姉
     
裏初句  雑       この度はヘアースタイル新しく    姉
ニ    雑・恋       指先触れることさえうれし       茜
三    雑・恋     ベネチアの赤いグラスに口づけを   姉
四    雑又は夏     熟れすぎ西瓜は溶けてしまえり   茜
五    夏       焼酎のロック飲み干し立ち上がり   姉
六    雑         矢沢永吉還暦になる          茜
七    秋・月     手ぬぐいを被る案山子に月明かり  姉
八    秋         雁の列行く宇宙ステーション     茜
九    秋       新豆腐の水が自慢の店開き       茜
十    雑         父が言の葉思いみるべし     姉
十一   春・花    花見あぐ頬にかかりし牡丹雪     姉 
挙句   春         若菜摘みては目瞑りて利く    姉
    
連句は、まだまだ初心者の茜と、2回目の姉ですから、疵だらけだと思います。訂正をしていきたいと思っています。

2010年1月3日日曜日

初みくじ

初詣に行きました。
歩くと往復1時間はかかる観音様です。
長い石段を考えると、いつものウオーキングスタイルです。
石段の両脇には 水仙が良い香りを醸しだしていました。
境内からは、はるかに相模湾の海光が見えます。
ただよう厳かな匂い、いつもとは違った雰囲気、
「淑気」というものでしょうか。
お参りの人もたくさんいましたが、静かな境内でした。
      
   「 今年もよろしくお願い致します 」
     
     
 結ばれて音符のごとし初みくじ      あかね
   
  (むすばれておんぷのごとしはつみくじ)
  
新年の季語; 初みくじ

2009年12月30日水曜日

実南天


晦日です。
友人のE家では田舎から届いた「実南天」が大きく活けてありました。
房の大きさといい、葉や実の艶といい、近所では見る事が
出来ない立派なものでした。
    
今年もお世話になりました。
拙いブログにお付き合い戴きましてありがとうございました。
お陰さまで恙無く今年も終わろうとしています。
又 来年もよろしくお願い致します。
  
  
玄関の友の書清し実南天          茜
    
  (げんかんのとものしょすがしみなんてん)
    
実南天;冬の季語

2009年12月25日金曜日

寒雀

   
夕暮れ時の雀の鳴き方は凄まじい。
帰巣本能なのだろうか、急く気持ちは私にもわかるような気が
する。
飛び立ったかと思うと舞い降り、あちこちと一しきり飛び回る。
どの一羽が先導しているのかわからないが、後方の雀は
遅れじと必死に付いているように見える。
速さが揃っているせいか、ひと群れとしてしか見た事がなかった。
こうして写真に撮ってみると、飛び方はそれぞれである。    
      
    
  遅れじと一途なる羽根寒雀      茜
  
  (おくれじといちずなるはねかんすずめ)
        
寒雀;冬の季語  

2009年12月14日月曜日

寒夕焼け


白樺湖へ着いた時には、もう日が翳り始めていた。
昨日降った雪が草むらを覆っている。
朝日の当たる方の斜面の雪は融けていたが、
反対側のスキー場は、人口雪も足して結構な雪の嵩である。

白樺湖を一周する木道を歩いた。
数日前の雪が、両脇に積まれて凍っている。
まだシーズンに入りたてで、スキー客は多くなく静かだった。


白樺の幹に張り付く寒夕焼け        あかね

  (しらかばのみきにはりつくかんゆやけ)

冬の季語; 寒

2009年12月6日日曜日

綿虫  花梨(かりん)の実


「台」というのは周囲よりも高い平らな土地。
地名の一部として用いられることが多い。
と辞書にあった。
我が家の辺りはかつて「台の上」と呼ばれていたらしい。

ある日交差点で信号を待っていると「わたむし」が目の前に現れた。
ふわふわと飛ぶ白い虫は、「ゆきむし」ともいい、
雪が舞っているかのようにもみえる。
風のない穏やかな日に現れる事が多い。
信号が変わって渡ると 一瞬の風にまかれて
見えなくなったしまった。


台と呼ぶ丘にわたむし来たりけり        あかね

  (だいとよぶおかにわたむしきたりけり)

冬の季語;わたむし   秋;かりんの実

2009年11月28日土曜日

ほととぎす草


満月に「ほととぎす草」を供えて撮ってみた。
父が亡くなったのは20年前、生きていれば百歳になる。
   
生涯短歌を作り続けた父の影響は大きい。
いつも思い出すのは、夏の夕日が海に沈むのを一緒に
観ていた時のことだ。
「ああ!よかなあ!」と父はきまって叫ぶのだった。
遅くなったけれども、俳句を作っている今の私を
喜んでくれるだろう。
    
   
 父忌日最期の咳のありありと      茜
     
    (ちちきじつさいごのせきのありありと)
   
冬の季語; 咳    秋の季語; ほととぎす草

2009年11月25日水曜日

紅葉散る


草津温泉へ行くのに幾通りかのルートがある。
この日は、中央高速の須玉で降り、清里を通って行くことにした。
道の側の林檎畑を観たり、野菜の直売店に寄ったりして
軽井沢を通る頃には5時間もかかっていた。
    
気がつくと紅葉の只中を走っているのだった。
風に散る黄色の葉が鮮やかだ。
車の後に、落ち葉がくるくると舞いながら付いて来た。
これより草津という看板があってからは、整備された沿道の
紅葉並木に迎えられながら行った。
寄り道にこそ、旅の楽しさがあるように思える。
     
    
素通りのつもりの村や散る紅葉        あかね
  (すどおりのつもりのむらやちるもみじ)
    
冬の季語;紅葉散る

2009年11月19日木曜日

藁塚


この時期になると、北風が川の方から吹いてくる。
寒くなってきたが、空の広がる田んぼまでくると少し穏やかだ。
稲刈りもすでに終わって、ひつじ田となっていた。
刈り取った株に新しく芽が出て、青あおとした田になっている。
ひこばえのなかには、穂をつけた株もあったが、実は入っていなかった。
脱穀された藁は次の使用があるらしく、まとめて干されていた。
小さくて藁塚というより
「藁ぼっち」と言う方が似合っている。
   
    
夕まぐれ肩寄せあえる藁ぼっち        茜
  (ゆうまぐれかたよせあえるわらぼっち))
    
秋季語:藁塚.  藁ぼっち, ひつじ田

2009年11月9日月曜日

洋種山牛蒡(ようしゅやまごぼう)

色づき始めた野山は、持てる力を出し切ろうとしているようだ。
散り行く前の美しさである。
山牛蒡(洋種)は、夏に白い花を付ける。
一度生えると毎年芽をだす丈夫な山野草だ。

根も実も毒性の強い植物らしい。
紫の実をつぶして色水にしてみた事があるけど、
味見しなくて良かった。


薄紅葉小石にヒールとられけり       あかね

(うすもみじこいしにひーるとられけり)

薄紅葉:秋の季語

2009年11月6日金曜日

柚子(ゆず)

N家からの電話で「柚子」を摘みに行った。
いつもの事ながら、鋏を用意して待っていてくださった。
摘むのが好きな私の為に。
固まって生っている柚子の枝を1本伐り、その他にも
「カボス」もいただいた。
庭中に咲いている紫のレウカンサと菊も手に余るほど。
「5000円分はあるわね」と私が言って笑った。
こうして いつも花や野菜を戴いている。


柚子一枝剪れば一本揺れにけり       あかね

   (ゆずいっしきればいっぽんゆれにけり)   

柚子:秋の季語

2009年10月30日金曜日

俳句日和

         (現在も採れるE家から今日の差し入れミニトマト)

10月18日にNHKで「俳句日和」という番組があった。
応募約6千句の中から、選者6人による大賞と100選があり、その100選に私の句も入選した。
題は「手」

手の甲に乗せて味見の菊膾      茜   
  (てのこうにのせてあじみのきくなます)

何はともあれうれしいものだ。
ちなみに大賞の方も知っている方でした。


秋の季語:菊膾(きくなます)

2009年10月27日火曜日

蟷螂(かまきり、とうろう)

                       (写真をクリックしてください)               
風の抜ける門の上に、蟷螂が立っていた。
睥睨するかのように、見下ろしていた。
いつから此処へいたのだろう。
緑は目立つから何処かへお行きと、近づくと
鎌を挙げて向かってきた。
カメラを近づけると、さらに突進してきた。
わかった、わかった、好きにしてください。

蟷螂の鎌を畳みてまだやる気         茜

(とうろうのかまをたたみてまだやるき)

蟷螂(とうろう、かまきり):秋の季語

2009年10月22日木曜日

秋草


N家の庭はいつも花が溢れている。
紫は レウカンサ、赤はパイナップルセージ、
橙色はマリーゴールドだ。
他に挙げるときりがない程である。
ほとんどが「宿根草」だから、秋にはいつもこんな花に出会える。
  「今年のレウカンサは勢いがありますね。」
それで、つい話しこんでしまう。


 秋草に出会いて今日の満たさるる       あかね

  (秋くさにであいてきょうのみたさるる)

2009年10月20日火曜日

翡翠、かわせみ


翡翠(かわせみ)を初めて撮ることができた。
目の前に来て止まってくれた。
湿地の池を通りかかると、まるで待っていたかのように
すーっと来てくれた。
幾枚か望遠で撮ると、またどこかへ飛び去った。
塒(ねぐら)が近くにあるに違いない。



木道の幾折れもして水澄めり         茜
   (もくどうのいくおれもしてみずすめり)

季語:翡翠(夏)、水澄む(秋)

2009年10月11日日曜日

木蓮の実(もくれんのみ)


まるで恐竜が首を出しているようだ。
広い屋敷の入り口に、大きな紫木蓮が咲いていたのは
春だった。  
今はごつごつとした赤い実をつけている。
あの優雅な紫木蓮が、こんな姿に変貌するとは
気がつかなかった。

屋敷は閑散として、マンションが建つらしい看板があった。
この辺りの大きな家は次々と姿を消し、区分けされて
売られていく。
この大きな紫木蓮も、伐採されてしまうのだろうか。

   
   
売り出され寡黙なる家木の実落つ     茜
  
(うりだされかもくなるいえきのみおつ)
秋の季語:木の実落つ

2009年10月7日水曜日

稲



稲刈りが始まった。
雀の集中攻撃から守る為に、いっせいに刈り入れをする
のだと聞いたことがある。
こんなに広いのに、大きなコンバインが乗り入れる所を
まだ見たことがない。いつか遭遇してみたいものだ。
  
稲の黄があふれ風きて尚あふる        あかね
   
 (いねのきがあふれかぜきてなおあふる)

季語:稲

2009年9月30日水曜日

ザワークラフト

ザワークラフトの酸っぱさが好きで、もう1年も作り続けている。キャベツの漬物である。   
  
<失敗しない作り方>
  キャベツ    1個 を千切りにする。
  塩        小3 (少ないように見えるがこれは厳守)
  ローリエやフェンネルの葉を入れても良い。
    
上の材料をビニール袋に詰めて空気を抜く。
「真空パック状態」にするわけです。
そうして常温で4日目が、この写真だ。キャベツ1個分である。
酸っぱさ80%  自然発酵の酸っぱさ、いい出来である。
あと2日も置いたら、冷蔵庫へ袋のまま
真空パック状態で保存する。
ビニール袋を使って、最後まで空気に触れさせないのがコツだ。
    
<紫蘇酢>
  お酢の中に青紫蘇を入れるだけ。
  紫蘇の香りの酢が出来る。まろやかな味だ。
  冬になって使うと、きっとうれしい食卓になるだろう。   
   
 瓶詰のラベル張替え小鳥来る      あかね
      (びんづめのらべるはりかえことりくる)
水澄みて身の内に湧く風少し      あかね
      (みずすみてみのうちにわくかぜすこし)
       
小鳥来る、水澄む(秋の季語)
  

2009年9月26日土曜日

ナンバンギセル

空き地の芒(すすき)がきれいに刈られていた。
通りかかると、そこにおばあさんが小さな背を丸めて
しゃがんでいた。  具合でも悪いのだろうかと思い、
 「どうかなさいましたか」と声をかけた。
      
おばあさんはヨロヨロと立ち上がると
握り締めていた手のひらをゆっくりと開いてみせた。
何本かのマッチ棒のように見えた。
 「それは何ですか」
 「ナンバンギセル」  ぽつりと答えた。

初めて見るこの花が、「ナンバンギセル」なのか。
名前だけは知っていた私は、
感激して一緒にさがす事になった。

芒原旧知のごとく笑いあう       あかね
 (すすきはらきゅうちのごとくわらいあう)  
     
丈は10センチくらい。芒の根に寄生しています。
別名「思い草」ともいわれているこの草は万葉集にも
詠まれているようです。
         
道の辺の尾花がもとの思い草いまさらになどものか思はむ
                      (詠み人知らず)

2009年9月23日水曜日

ツルボ


実りが豊かに見える田んぼほど、畦や土手の花がきれいだ。
   
持ち主がしょっちゅう来て、田んぼの草を抜いたり、
土手を刈っているから、よく花が咲く。
一方雑草の多い田んぼの土手は、草に埋もれて
花は見えないのだ。
他人の田んぼながら、雑草の混じった田の収穫は
どうなのだろうと気になってしまう。
それほどよく通っている場所だ。
薄紫のツルボが、今年も咲いていた。
  
 一本のすすきを持ちて歩きけり   あかね
   
   (いっぽんのすすきをもちてあるきけり))
  

2009年9月18日金曜日

秋海棠(しゅうかいどう)


我が家の狭い庭に、ピンクの秋海棠(しゅうかいどう)が
1ヶ月も咲き続けている。
庭に咲く花は、ほとんどが多年草、宿根草である。
冬は枯れて何も無い庭となる。
言い換えれば、ほったらかしの庭だ。

地面には土が剥き出しにならないように、ヒメイワダレソウを
這わせている。
夏の照り返しを防ぎ、雨の日は泥 よけとなっている。
朝、庭に降りてしっとりとした草花に触れるのが楽しみだ。
   
 日の差して花野明かりの狭庭なる      あかね
  
  (ひのさしてはなのあかりのさにわなる)

花野(秋の季語)

2009年9月14日月曜日

新涼(しんりょう)


ロンドンのアンテイーク・マーケットに行った時
「パンたて」を買った。
焼いたパンを立てておくのである。
8枚切のパンをカリカリに焼いて、それを二つに切り
三角の薄いパンを立てておく。
宿泊したB&Bでは毎朝そうして出てきた。

息子達が居た頃は、朝からどんぶり飯だったので
パンはおやつでしかなかった。
今二人の生活になって、朝食はパンになった。
    
   
 新涼や銀器を一つ卓に置き       あかね
       
   (しんりょうやぎんきをひとつたくにおき)
   

2009年9月12日土曜日

しゃじん(沙参)


ウオーキングをしていると思いがけない花に出あう。
ツリガネソウもその一つである。
風に揺れて今にもいい音をたてそう。
ゆるい斜面に一株だけ咲いていた。
夏 山百合が咲いていた斜面だった。
   
石段の真ん中白し草の花          あかね
     (いしだんのまんなかしろしくさのはな)
   
ここまで書いて、13日のNHK趣味の園芸で「しゃじん」が
取り上げられていました。
この花は「しゃじん」でした。ごめんなさい。
キキョウ科ツリガネニンジン属シャジンです。
  
草の花(秋の季語)

2009年9月6日日曜日

ムギワラトンボ


まさかトンボを捕まえようとは思ってもいなかった。
トンボも捕まるとは思っていなかったに違いない。

草の秀(ほ)にとまっているトンボの翅を、後ろから
そっと掴むと一瞬 間があった後、バタバタと暴れた。
うっかり夕焼けを見ていたら襲われたのだ。
トンボにしてみれば何がなんだか分からなかっただろう。

写真を撮るために持ち替えて、足を掴むと
私の指先をしきりに噛んだ。
渾身の力だろうに、少し痛いけれど傷つくほどではなかった。
この小さな生き物。
離してやると、すぐに明るい空に紛れてしまった。
     
 とんぼうの翅の乗せたる茜空       あかね
  
  (とんぼうのはねののせたるあかねぞら)
  
シオカラトンボ(雄)→ ムギワラトンボ(雌)

2009年9月2日水曜日

茗荷(みょうが)


「茗荷を採りに来ませんか」とNさんから誘いの電話があった。
もちろん、二つ返事で飛んで行った。
小雨の中、畑の一角にこんもりと茗荷が茂っていた。
胸ほどの高さの茗荷を掻き分けると、茗荷の子がびっしり。
潜るように屈むと、中は暗く根元まで光は届いていなかった。
「前人未踏だね!」
誰もまだ入ってない場所だったらしい。

例えば、林檎をもぎ取る楽しさがあるように
収穫の楽しさは、どんな作物にも共通してあるのだった。
袋いっぱいの茗荷の子があっという間に採れた。
茗荷の中にかがんで採った10分は
大きな喜びだった。
 
音すべて雨に吸わせる茗荷の子     茜
  (おとすべてあめにすわせるみょうがのこ)
    
地底まで潜るここちや茗荷採り     茜
   (ちていまでもぐるここちやみょうがとり) 
   
      
茗荷竹(春の季語) 茗荷の子(夏) 茗荷の花(秋)