2011年7月28日木曜日

炎暑


 久しぶりに俳句仲間と会った。
場所設定をしてくださった方のお陰で
洋上レストランなる所で句会をする事ができた。
   
確かに海の上で、静かに絶えず揺れていた。
180度見渡せる窓からは、
遠くにベイブリッジが見え、その間を観光船が何艘も
行き来していた。その船着場もこのレストランに
隣接しているのだった。
是非また来たいと思った。
   
日本丸は文部省の航海練習帆船で、今はビルの前に
停めて博物館になっている。
   
   
 
 日本丸街に炎暑の綱緩む       あかね
 (にほんまるまちにえんしょのつなゆるむ)

   
 ベイブリッジの点滅あえか夏霞    あかね
 
  
 
夏の季語;炎暑、夏霞

2011年7月24日日曜日

煙の木(スモークツリー)


 ただ座っているだけで汗ばんでくる。
朝は涼しいと感じたが、午後からはそうはいかなかった。

散歩の途中で観る「煙の木」はふわふわとして
遠目には煙のように見える。
葉の色が赤と緑の種類があるようだ。
この家の様子はわからないけれど
煙の木がお洒落な佇まいを彩っている。
   
   
   
   
 風死して吐息の如き煙の木     茜
 (かぜししてといきのごときけむりのき)
   
   
夏の季語;風死す

2011年7月19日火曜日

玉虫


 遠回りの散歩をしていると、いろいろ
落ちているのをみつける。
何の実だろうと思いながら拾ってしまう。
どんぐりまでは分かる。
丸いのはサルナシの実?だろうか。

玉虫の翅は、死んでも色を失わないようだ。
生きている時と同じような色だが死んでいるのだ。
箪笥の中に入れておくと着物が増えるという俗信が
ある。法隆寺の玉虫厨子にはこの翅が用いられている。

      
    
 玉虫の己が死知らぬ色あわれ        茜
 (たまむしのおのがししらぬいろあわれ)
      
 玉虫の死を受け入れぬ色として       茜
 (たまむしのしをうけいれぬいろとして)
     
   
  
夏の季語;玉虫

2011年7月15日金曜日

楊梅(やまもも)、山桃


 楊梅(やまもも)は暖地の山地に自生するそう
ですが、樹形がいいので庭木にもされています。
一枝いただきました。
バス通りの歩道に1cm位の実がポトリポトリと
落ちているのが目につきます。

実は甘酸っぱくて、種に付いている実を歯でこそげ
るようにして食べます。
ほのかに針葉樹のような香り。
幼い頃に食べた懐かしい味。

これを「果実酒」にしましょう。
ワインレッドの楊梅酒ができるでしょう。

  
 
  故郷の山の匂いよ楊梅は     茜
  (ふるさとのやまのにおいよやまももは)

やまももと知らずに踏みて人通る 茜
   
  道ふさぐ蛇の屍まわれ右     茜
  (みちふさぐへびのしかばねまわれみぎ)  
   
   
   
   
夏の季語;楊梅

2011年7月10日日曜日

茄子(なす)


 輝くばかりの茄子です。
ご近所の友人が採ったばかりの茄子を
自転車で届けてくれました。
 
さっそく紫蘇と塩揉みにしました。
いつもあちこちから頂く野菜はどれも新鮮そのもの、
切り口がまだ濡れています。
じゃがいもは、皮が洗っただけで剥けてしまいます。
いずれも家庭菜園で収穫した野菜ばかりなのです。
ありがたい事です。
   
   
   
 摘み取りし両手の茄子のキシと鳴く     茜
  
   
  
夏の季語;茄子

2011年7月4日月曜日

泰山木の花(たいざんぼくのはな)


 小学校の裏門に咲いていた。
大きな花は、ちょうど数え易いかのようにまばらに
咲いている。
日を溜めて、白く輝く高貴な雰囲気がする花だ。
葉は艷があり、朴の花と見分けやすい。
花の写真を撮った後は、あまり気に止めないので、
この花が崩れるように散るのか、ある日突然落ちる
のか、まだ知らない。
   
   
    
  泰山木花の見下ろす登校児    茜
  (たいざんぼくはなのみおろすとうこうじ) 
    
  葉は雨を払う泰山木の花      茜
  (ははあめをはらうたいざんぼくのはな)
   
   
  
夏の季語;泰山木の花

2011年6月30日木曜日

翡翠(かわせみ、ひすい)


    (嘴の黒い雄、 下嘴の赤いのは雌)
 翡翠(かわせみ)はしばらく動かなかった。
この川をテリトリーとして下流から上流へ
又逆方向へと飛ぶのを止めない。
その翡翠が、川の曲がり角の土手に休んでいたのだ。
大きな目には何が映っているのだろう。
一年を通して見られる鳥だが、色の涼しさから
夏の季語とされるようだ。

川幅2m、水嵩50cm程の小川をこの世と
忙しく飛び回っているのだ。
私の動体視力では追うことは出来ない。
今日はどこに出没しているだろう。
  
  
  
 翡翠の飛ぶや光となりにけり     茜
 (かわせみのとぶやひかりとなりにけり)
    
 翡翠や風も日も澄む山暮らし     茜
  
  
夏の季語;翡翠(かわせみ、ひすい)

2011年6月27日月曜日

早苗田(さなえだ)



 田植えのすっかり終わった峡(かい)は
湿気か水蒸気のようなものに満ちていた。
空気がすでに濡れているのだ。
降りそうで降らない天気は、向こうの山々を
煙らせていた。
梅雨霞という季語がありそうに思った。
  
畦の花は「イヌゴマ」です。(絶滅危惧種)
年配の方が作っていらした田んぼでしたが、とうとう
今年は作られませんでした。草が繁ってしまった
田の畦に咲いていました。
   
   
   
 峡一つ濡らしていたる植田かな    茜
  
 苗の列我が田のごとく眺めけり    茜
  
 早苗田へ音を消しつつ入る水     茜
  
  
  
夏の季語;早苗田

2011年6月24日金曜日

ジャカランタの花


 ジャカランタの花です。
リスボンのある街道の並木となっていました。
10Mあるような高い樹から、まだ3Mの若い樹も
ありました。
しばらく佇っていると、甘い香りが降りてきて
散った花を拾いました。
以前最初にこの樹を見た時の感動が今もあり、
紫の塊に見える房咲きのジャカランタの
樹を見つけるとうれしくなりました。
   
   
   
 ジャカランタ咲いて日除けを伸ばしけり   茜
 (じゃからんたさいてひよけをのばしけり)
   
   
夏の季語;日除け

2011年6月21日火曜日

素足(すあし)


 街角で見たドイツのパン屋さん。
噛みごたえありそうな、大きい黒いパン。
柔らかい食パンに慣れている私達にとって
手ごわい感じ、酵母の匂いも違います。
   
旅を終えて帰国しました。
庭は草茂り、梅雨、と季語の世界へ
戻ってきました。
家の匂いをはっきりと感じるのは、帰った時の
瞬間でしょうか。
我が家はそこはかとなく黴の匂いでした。
   
   
   
 久に踏む素足よろこぶ畳かな    茜
 (ひさにふむすあしよろこぶたたみかな)   
   
   
夏の季語;黴(かび)、素足(すあし)

2011年6月16日木曜日

お花畑(おはなばたけ)


   (アイガー南壁を望むグリンデルワルトにて)
 子供の住むドイツからスイスまで片道飛行機代
6千円程で行けるというので、急遽行く事にした。
目的地はユングフラウヨッホである。
3454Mの高さまで岩山の中をくり貫き登山鉄道が
通っているのだ。
岩の中のトンネルを抜けて下車すると、
そこは3454Mの地である。
氷河と万年雪の世界、
ふらふらする感じだった。
  
登山鉄道の脇の花畑のきれいな事。
見たこともない花がいっぱい。
あー!いう事なし・・です。
   
   
   
 アイガーを望むテラスやお花畑     茜
 (あいがーをのぞむてらすやおはなばた)
   
  
  
夏の季語;お花畑

2011年6月13日月曜日

雷(かみなり)


 リスボン名物といわれる「鰯」を食べた。
鱗もしっかりと付いて、腸もきれいな形だった。
ただ焼いただけの鰯だが、ワインビネガーをかけて
食べると、今まで食べた鰯の中でも最高の旨さだった。
   
街のお菓子屋さんには、大人の男達が多く、一杯飲んで
いるかと間違う程、ショーケースに凭れてお菓子と
エスプレッソを飲んでいた。
揚げパンやプデイングのようなお菓子が、懐かしく
日本の味を思いだした。
   
鉄砲を種子島へ伝えた国という認識だったが、
それを話してくれる人と出会う事はなかった。
   
   
   
  遠雷や風の冷たさ何処より     茜
  (えんらいやかぜのつめたさいずこより)
   
   
夏の季語;雷(かみなり)

2011年6月11日土曜日

片陰(かたかげ)


 リスボン(ポルトガル)は石畳で覆われた街だった。
   
1755年の大地震でリスボンの街は壊滅状態
だったという。
その跡に又街を復興する事になった時、
建物の高さを揃え、外壁の様相を規制し、
碁盤の目に道路を作ったという。
それから250年の間人々が歩いた石畳は、
滑らかでつやつやとしていた。
    
職人が補修していたが、5cm角からの大理石を
土に木槌で打ち込み、目地は砂で何度でも再生して使えるエコだった。
雨が降ったら、何パーセントかは目地の砂が
吸い込むだろう。
丘の頂上の城への道も、路地裏も石畳だった。
鉄砲を私の故郷種子島へ伝えたポルトガルは、幼い頃から親しみを持っていた国だったが、
それを話してくれる人と出会う事はなかった。
      
     
  
  
 片陰やモザイク補修の石畳      茜
   
   
夏の季語;片陰(かたかげ)

2011年6月7日火曜日

夏蝶(なつちょう)


 家から15分程歩くとライン河に突き当る。
河幅300Mはあるだろうか、ゆったりとした
流れである。河川敷を含めると1KMだろう。
  
河川敷の広い原っぱを犬を連れた人々が行きかっていた。
どの犬にも紐はついていなかった。それでも主人に
従っていて吠える事もなく良く訓練されていた。
が、一歩草の中に入ると糞がいたるところに・・
犬の税金を納めるから、糞の始末はしないとか。
  
電車に乗る時。切符は買うけれど改札口が無い。
抜き打ちの検札が時々あるらしい。
犬も自転車も料金を払って乗れるらしい。
電光掲示板はあるが案内アナウンスも無い。
全体に静か、雑音が少なく大人社会という感じだ。
路面電車に夕方、食堂車が付いているのを見た。
ビールだけを飲んで賑っていた。
  
国が変われば社会の仕組みも変わる。
という事ですね。

   
    
   
夏蝶に渚やさしきライン河      茜
    
   
夏の季語;夏蝶

2011年6月4日土曜日

薄暑(はくしょ)


 ドイツの初夏は「アスパラガス」が旬である。
着いてさっそく市場へ行ってみると、白いアスパラ
ガスが山と積まれていた。買うとすぐに皮剥き機で
剥いてくれる。白いアスパラの皮は硬くて食べない。
1kg 15本位 700円。
1本の大きさが、直径3cmで、長さ25cm程だから
その食べ応えがわかるだろう。
茹でてオレンデーズソース(バタークリームのような)
をかけて食べるのが一般的のようだ。
茹でたての熱いアスパラは、日本の掘りたての筍を
茹でた時の味にどこか似ているように思う。
さくらんぼ、チーズ、ビールと食べたい物がいろいろ
ある。楽しみです。
   
   
   
 アスパラガスの皮の剥かれる街薄暑     茜
       

 マルクトに山盛り並ぶアスパラガス    孫茜
  (マルクト→市場の事)
     
  
夏の季語;薄暑、さくらんぼ 

2011年5月30日月曜日

滴る


      (望遠レンズで撮りました)
  丹沢山塊の登山道入口を1kmほど歩いた所で
谷を隔ててこんな風景に出会った。
岩登りの練習風景と言ってもいいのだろうか。
この岩登りを楽しんでいるようでもある。
   
よく見ると綱一本に全体重をあずけてよじ登り、
切り立って垂直に近い岩壁に、人間が挑戦している。
なんと無謀で逞しい人達だろう。
どうか無事で楽しんでくださいと願わずにはおれなかった。
   
   
   
 命綱かかる大岩滴れり        茜
 (いのちずなかかるおおいわしたたれり)
  
命綱張りし登攀岩灼ける       茜
 (いのちづなはりしとうはんいわやける) 
  
  
夏の季語;滴る、灼ける

2011年5月27日金曜日

田水張る


 ようやく田に水が入り始めた。
まだ全部の田には行き渡らないけれど
水の音が高くなった。
  
鴨の親子がさっそく遊び始めている。
この辺に住みついている鴨らしい。
田植えが済むと苗の間を泳ぎ回り、雑草を
食べてくれるでしょう。
     
一つの田んぼに向こうの山が映っていた。
この時期ならではの風景である。
   
   
   
 田水張り山の天辺映し出す       茜
 (たみずはりやまのてっぺんうつしだす)   
   
     
夏の季語;田水張る、代掻く

2011年5月25日水曜日

南風


 キーウイの花を初めて見ました。
雌雄異株と同株があるようですが、この花は
どちらでしょうか。
葉陰に咲くと黄色が灯るように見えました。
香りは柑橘系で爽やかです。
   
南の国からきたキーウイは、この時期の南風を
待っていたかのように咲き始めました。
   
      
  
 南吹くキーウイ棚の影混みて    茜
 (みなみふくきーういだなのかげこみて)
    
  
夏の季語;南風、南(みなみ)

2011年5月23日月曜日

アカシアの花


 ニセアカシアの花です。
この時期に目立つ白い花の中でも、緑の斜面に
丸い形で白く咲いているのは、多分ニセアカシアです。
 
真っ白といえない色がやさしく、かすかな香りが
漂ってきました。
この花はてんぷらにして食べられますが、
豆科の落葉高木、枝に棘があるこの木の
花を食べるというのも不思議な気がします。
   
ブログに載せるのも急がないと次々と種類の違う
樹木が花をつけます。忙しいー。
   
   
   
 楽しさや峰を真近に針槐      茜
 (たのしさやみねをまじかにはりえんじゅ)
  
     
夏の季語;アカシアの花、針槐(はりえんじゅ)

2011年5月20日金曜日

茅花流し(つばなながし)


 この土手の花を幾度撮ったでしょうか。
今は茅(ちがや)の花穂が銀色に光っている。
風が吹くと土手に這うようになびき
その度に銀色が眩しい。
この後、絮(わた)となって飛んでいくでしょう。
  
まだ蕾のころの花は噛んでみると少し甘いらしい。
昔の子供は食べていたようですね。
水が入る前の田んぼの上に雲雀(ひばり)が
高く揚がっていました。
揚雲雀という季語があるのに、近頃はちっとも詩心
が動かないので困っています。
(この土手に咲く花→つるぼ、彼岸花、仏の座、
   茅花、仙人草、すいば、野かんぞうetc)
   
  
茅花流し歩く速さの揃いくる    茜
 (つばなながしあるくはやさのそろいくる)
   

 茅花風ピンクに透ける猫の耳       茜  
   
   
夏の季語;茅花流し(この頃に吹く風のこと)
春の季語;茅花