2011年4月19日火曜日

百千鳥(ももちどり)


 雑事も一段落して、お茶を頂いていると
いつもの鳥達のお出ましだ。
夏蜜柑を二つに切って台の上に置いておくと
さっそくやってきたのは「ヒヨドリ」だ。
今日のヒヨドリさんはきれいな色をしている。
いつもの黒い鳥相の悪い顔とは違う。

ヒヨドリにはいろいろな種類があるらしく、
色も様々という。
しかし、ヒヨドリだという自信もない。
しっぽの長さと羽根の形からそう思っている。
もし違っていたら教えてください。
ちなみに、口の周りの黄色は椿の蜜を吸った
時についた花粉かもしれません。
    
  
  
 生かされて今日の米研ぐ百千鳥    茜
 (いかされてきょうのこめとぐももちどり)

藪椿花粉まみれの鳥の嘴       茜
 (やぶつばきかふんまみれのとりのはし)
  
  
春の季語;百千鳥(いろいろな鳥のさえづる様)

2011年4月16日土曜日

風光る


 我が家へ帰ってみると、桜は散っていた。
約二週間前は、まだ硬い蕾だったのに。

途中で寄った宮島の厳島神社では、鳥居の間を
客を乗せた和船がくぐっていたが、30分もする
と潮が引いてしまい広い干潟が現れた。
人々は浜へ降り、大鳥居に近づこうと
砂上を歩き始めた。
  
牡蠣弁当がことの外美味しかった。
ふっくら焼けた熱々の牡蠣が8個も乗っていた。
  
  
  
 風光り潮間にくぐる大鳥居      茜
 (かぜひかりしおまにくぐるおおとりい)
   
春の季語;風光る

2011年4月1日金曜日

ぶらんこ


 大きな欅の間に綱を渡して作ったぶらんこに
女の子が揺れていた。(右から2番目の樹を見て)
父親が大きく押すと大きく揺れて、木の枝に
ひっかかりそうになりながら。
どうしてこんな所にと思ったのは、下は崖なのです。
若い父親は、自分も一緒に乗っているような気が
しているのかもしれません。
大きく揺れると、女の子はそのまま風に乗って
飛んでいくような気がしました。
  
  
  
 野の風となるまで揺らす半仙戯    茜
 (ののかぜとなるまでゆらすはんせんぎ)
  
    
  
春の季語;ぶらんこ、ふらここ、半仙戯(はんせんぎ)

2011年3月29日火曜日

啓蟄(けいちつ)


 どこへ歩いても春の草花がある。
土の中で待っている間に蓄えた力が
いっきに噴出している。
ハナニラは春一番に出る花だ。
この庭の持ち主も、こんなに自然に出る草花に
楽しいひと時を過ごすだろう。
花も子供達もうれしくなる季節である。  
  
  
 啓蟄やうれしくてただ押し合える    茜
 (けいちつやうれしくてただおしあえる)
  
  
春の季語;啓蟄

2011年3月25日金曜日

春炬燵


 水仙の蕾が樹の根元に抱えられるようにして出ていた。
いつからここに根付いたのだろう。
寒い冬にはこの根の下で冬眠し、暑い時には
木陰に守られるだろう。
そばに何かがあり、それに支えられて生きられれば
幸せというものだろう。
  
被災地の状況は日を追って本当の悲惨さを伝える。
毎日温かく過ごしている私に
慰めの言葉もみつからない。
   
  
  
 誰が為の涙あふれる春炬燵      茜
(たがためのなみだあふれるはるごたつ)
  
  
春の季語;春炬燵

2011年3月21日月曜日

草摘み、ホトケノザ


 川沿いの土手は、春が弾けていた。
田んぼの畦も「ホトケノザ」で埋め尽くされていた。
南風が暖かで日差しも心地よく、
この1週間の出来事は嘘のようにも思えた。
  
俳句を作るひとときだけでも心を遊ばせ、現実から
離れる事が出来るのです。
(仏の座は食べられないので春の七草には
 コオニタビラコを代用食にします)   
   
  
 草摘んで降りきし土手の遠くあり    茜
 (くさつんでおりきしどてのとおくあり)
  
 摘草や平らな川の土手高し       茜
 (つみくさやたいらなかわのどてたかし)
   
    
春の季語;摘草

2011年3月18日金曜日

がんばろう!日本


 津波で被災された方々の映像を観るにつけ
いたたまれなくなります。
悪夢のような映像、その中でも譲り合って
生活なさっている姿に心打たれます。
 原発の事故に対しても、必死で作業なさって
いるだろう、その方の家族をも思いどうか
早く無事で処理が済みますようにと祈る気持ちで
一杯です。一時の停電なんてなんでもありません。
協力できる事は何でもやります。
 
いつの時代も頑張ってきた日本!
がんばろう日本!
みんなで乗り切りましょう。
   
  

2011年3月16日水曜日

花菜


 停電が輪番制で行われている。
地震で発電所が幾つか動かなくなり、電気が足りないらしい。
その一つの原子力発電では、次々と事故が起こり
我々にはどの程度の規模のものかわからない。
この狭い日本列島で、どこへ避難すればいいのか。
ガソリンも売り切れ、逃げる手段もなくなっている。
地震、津波、原発の事故、これ以上の怖ろしい事が
あるだろうか。
  
昨夜はローソクと、懐中電灯にレジ袋をかぶせた
灯をぼんぼりに見立てて食をとった。
   
   
  
 蝋燭の灯に押されおり花菜和え    茜
 (ろーそくのひにおされおりはななあえ)
  
  
春の季語;花菜、菜の花

2011年3月12日土曜日

河津桜


 昨日の地震津波での被害、皆様の所は
いかがでしょうか。体が震えるほどの恐怖で
テレビ画面を観ました。
皆様のご無事をお祈り致します。
  
 河津桜は、いち早く咲き今が満開です。
ピンク色が鮮やかでまだ大木にはならなくても
りっぱに咲いていました。(松田町の河津桜)
   
   
  
 力抜くように抓んで鶯餅    茜
 (ちからぬくようにつまんでうぐいすもち)
   
   
春の季語;鶯餅

2011年3月9日水曜日

こごめいぬのふぐり


 「いぬふぐり」は瑠璃色だとおもっていた。
ところが、小石川植物園に白いいぬふぐりが
咲いていた。
日の当たるところ、木陰にも固まって咲いている。
この植物園は、野の草花が芝生の中に自然に
咲いているから面白い。
雑草として扱われていないのだ。
1ヶ月もしたら、クロッカスの野原になるだろう。
それらしい葉が芝生のいたるところに青々と出ていた。
   
   
 
 いぬふぐり案内図には記されず    茜
 (いぬふぐりあんないずにはしるされず)
  
  
春の季語;いぬのふぐり

2011年3月6日日曜日

囀り(さえずり)


 鳥は林檎をつつく時、林檎の中心へ
向かってつつくらしい。
幾度も同じところから攻めていくらしい。
そういえば、木に穴を開けるキツツキの種類も
木の芯に向かって、くちばしをたてるのだろう。
くちばしの長さはどれ位あるのだろうか。
夕方には林檎は下へ落とされてほとんど形は
残ってなかった。
囀りのたびに林檎に来たのではと気になった。
   
     
   
 囀りのはたと止みては身を固く    茜
  
    
春の季語;囀り

2011年3月3日木曜日

残雪


 今日の大山(おおやま)です。
今朝は庭に薄氷も張っていましたから、昨夜また
新しく降った雪かもしれません。
今年は一度降った後ずっと白さを保っています。
標高1250mの高さのこの山は、雪が積もったという
話を聞くとわざわざ眺めに出るくらいに
珍しいのです。
雨乞いの雨降山(あめふりやま)がなまって
阿夫利(あぶりやま)と呼ばれています。
麓には芽吹きも始まり、色づいた木々が見えます。
(望遠で撮りました)  
  
  
 残雪を守りとおして阿夫利山     茜
 (ざんせつをまもりとおしてあぶりやま)
  
  
春の季語;残雪

2011年2月28日月曜日

剪定(せんてい)


 街路樹は本来の枝を広げる事がほとんど無い。
何の為に植えたのかと疑問に思う。
狭い道路に電線が混みあっているから仕方ない
のだろうとは思うが、伐りかたに容赦ないのだ。
それなら、最初から低木にすればいいのに。
これでもかという位に伐るのだ。
夏、木陰を作りそうになると伐る。
葉が散る前に伐る。
伐られる為に伸びているようだ。
   
   
 剪定の済みし木肌に触れにけり    茜

剪定や年輪の渦濡れており      茜
 (せんていやねんりんのうずぬれており)
  
    
  
春の季語;剪定

2011年2月24日木曜日

山笑う


 流れ落ちる水は止む事はなかった。
どうして流れているのかその原理はわからない。
後ろの山からの水が湧き出しているのには
違いないと思う。

近づくと地面の下を流れるような別の水音が聞こえた。
手に掬うと、水道水くらいの温度である。
ついでに両手を洗った。
  
  
 
 溢れでる水また滲みて山笑う    茜
 (あふれでるみずまたしみてやまわらう)
  
  
春の季語;山笑う

2011年2月21日月曜日

芽吹く(めぶく)


 芽吹きはもうすぐである。
先の尖がったような形の芽は共通している。
それが少しづつ膨らんできているのだ。
色が付いてくるのはもうすぐなのです。
そうしたら
お茶とおにぎりを持って出掛けよう。
萌え出た草を踏んで、遠出をしてみよう。
  
  
  
カンバスを芽吹きたる樹に立てかけて  茜
    
   
春の季語;芽吹く、木の芽

2011年2月18日金曜日

紅梅


 昼間の月はいつ観ても白い。
太陽が沈む時、夕焼け色をバトンタッチしていくのだろうか。
辺りが暗くなってから黄色の月となるのだ。
  
紅梅は褪せることもなく咲いている。
白い月と良い対比でもある。
鮮やかな色を捧げるようにもみえた。
   
   
 昼の月紅梅彩を深めけり     茜
 (ひるのつきこうばいあやをふかめけり)
  
  

春の季語;梅、紅梅

2011年2月15日火曜日

風呂吹き、風呂吹き大根


 E家との食事会。
今回は得意の「ローストビーフ」を作った。
Eさんは、たっぷりの風呂吹き大根を作り、ほかに
新潟土産のにごり酒、烏賊の沖漬け等を持参して
くださった。
食べ物の趣味が合うと話も弾み、
温かい粕汁で最後を締めくくった。
   
 ローストビーフの作り方
  ・牛肉を綿糸で縛り、形を良くする。
  ・フライパンで、玉葱ニンジン等と焦げ目が
   つくまで全面を焼く。
  ・そのまま弱火で転がしながら40分、バター
   ニンニク塩胡椒を加え乾かないように転がす。
  ・肉をアルミハクで包み、冷めるまで置く。
  ・フライパンに残った屑野菜と肉汁にスープの素
   酒、砂糖を加えて「グレイビーソース」
   を作る。
  ・冷ました肉を切り、ソースを添える。
  
   
  
  
  風呂吹きを灯りのごとく真ん中に     茜
   (ふろふきをあかりのごとくまんなかに)
  
  
冬の季語;風呂吹き 
   

2011年2月12日土曜日

雪だるま


 昨夕から降り始めた雪はすぐに止んだようだ。
一面の雪景色とはならなかった。
それでも、近くの原っぱに行くと雪は積もっていて
靴で踏むと、キシッと鳴った。
雪を待っていた人は他にも居たらしく、「雪だるま」が作られていた。
ぽつんと一つ立っていた。
  
  
   
 初雪や踏み出す音の澄んでおり     茜
  
 雪だるま孤独というも消えるまで    茜
  
  
冬の季語;雪、雪だるま   

2011年2月10日木曜日

寒禽、耕し


耕しは始まっていた。
物寄峠という旧街道の石碑を見てしばらく歩くと
突然畑は広がっていた。
陽の差さない北斜面の畑は、長い冬の間じっと
春を待っているのだ。
返されて黒く湿った土は、寒さに触れさせて
害虫を駆除しているのだろう。
これから春に向けて何が蒔かれるのか楽しみに
していよう。

木々の芽吹きは確かではないけれど、うっすらと
紅を被っているように見えた。
   
   
   
 寒禽の緩まぬ速さ野へ出づる     茜
  (かんきんのゆるまぬはやさのへいづる)
  
  
冬の季語;寒禽   春の季語;耕し 

2011年2月7日月曜日

麦の芽


 麦の芽は健気だ。
麦踏みの後、いっそう強く伸びてくるのだそうだ。
近頃は麦踏みの光景を見なくなったけれど、どこか
では踏まれているだろう。
  
「青あおとした」という言い回しは、麦にこそ合って
いる。 青麦、麦青む、という季語があるからだろう。
これから、色づくまでの麦は風を遊んでいるかに見える。
  
   
 
 麦の芽のようやく揺らぐ高さあり     茜
           (ザ・俳句歳時記 収載)
  
  
冬の季語;麦の芽

2011年2月4日金曜日

鬼やらい


 (センダングサの実)
    
 鬼やらいは、もとは宮中で大晦日に行われていた
行事で盾と矛を持って鬼を追い払っていたようだ。
現代では各地の寺社の多くで、節分の夜に豆を撒
き鬼を追い払う儀式だけが行われるようになった
という。
  
鬼は、どこにでも居る。
日常生活の中にいるから恐ろしい。
一番恐ろしい鬼は、己れの中に潜んでいるのかも
しれない。
   
   
 
 鬼やらい内なる声をひたに聞き    茜
   
  
冬の季語;鬼やらい

2011年2月1日火曜日

春近し


 江ノ島からの夕焼けは特別だ。
吟行句会はお昼に始まり、夕日の沈むのを観るの
が恒例である。
遠くに富士山を望み、窓の下に波が寄せるのを観な
がら海の幸をいただき、選句に盛り上がる。
笑いの絶えない仲間の楽しいひとときである。
  
  
 春近し手をさし入れる潮溜まり    茜
  
 岩礁へ鳶もつれ落つ寒の明け       茜
  
 江ノ島へ渡る冬帽韓国語       茜
  
 空広き島の天辺冬木の芽       茜

 薄絹のような波寄せ春隣       茜
  
  
冬の季語;春近し、春隣、冬帽、冬木の芽

2011年1月28日金曜日

白息(しらいき)、息白し


 冬の富士山は荘厳なまでに白い。
御殿場から真近に迫る富士山を仰ぐと
なだらかに滑るような線が美しい。
しかし、遭難も起きるというこの冬山には
想像も出来ない険しさがあるのだろう。
   
  
  
 遅れきて白息もっとも豊かなり   茜
 (おくれきてしらいきもっともゆたかなり)
  
  
 息白く日陰る道をすれ違う     茜
 (いきしろくひかげるみちをすれちがう)
  
  
冬の季語;白息、息白し

2011年1月25日火曜日

熱燗(あつかん)


 大根を1センチ幅の拍子木切りにし、3日天日に
干して三杯酢に漬けた漬物です。
箸休めに丁度いい感じです。
  
短歌を作っている姉と会うと、すぐに互いの作品の
話です。讃えたりけなしたり、一緒に考える事も
しばしばです。
今日は短歌を作りました。
  
  
(短歌)  
熱燗に母似の姉と肩寄せて
   照らし合わせる記憶のページ    茜
  
肩寄せて母似の姉とぬくめ酒    茜
  
  
冬の季語;熱燗、 秋の季語;ぬくめ酒  

2011年1月22日土曜日

枯野


 セイタカアワダチソウ、この名を聞いただけで
くしゃみをしそうになる人もいるようだ。
一面の黄色の賑やかさは、とても分け入っては
行けなかった。
 今、枯れきって静かな色となっている。
白く晒されて、まるでモノクロ写真のようだ。
すっかり安堵の態に立っているようにみえた。
この枯れの中の方が私も居心地が良かった。 
  
  
 吹かれきし吾も一色大枯野    茜
 (ふかれきしわれもひといろおおかれの)
  
  
冬の季語;枯野

2011年1月19日水曜日

冬牡丹(ふゆぼたん)


 牡丹の花の大きさはどうだろう。
バランス的には、危うい程の頭でっかちである。
それを支える茎は、過酷な夏を過ごして
冬に咲かせる為の準備をしてきている。
木に近い様相と力強さを持っているようだ。
その御蔭で花は妖艶に咲いている事ができる。
  
  
  
 冬ぼたん無骨な茎を隠したる   茜
 (ふゆぼたんぶこつなくきをかくしたる)
  
  
冬の季語;冬牡丹

2011年1月15日土曜日

松過ぎ


 久しぶりにスパゲテイを作ろうとオリーブ油を
出すと、寒さでシャーベット状に澱んでいた。
にんにく、ベーコンをオリーブ油で炒めて
ほーれん草をたっぷりと。
昼飯の定番となったスパゲテイである。
  
  
  
 松過ぎの二人に戻るスパゲテイ    茜
  (まつすぎのふたりにもどるすぱげてい)
    
  
 松過ぎの泥葱古りて乾反りけり   茜
  (まつすぎのどろねぎふりてひぞりけり)
  
  
  
新年の季語;松過ぎ

2011年1月12日水曜日

霜の一句


 私の尊敬する倉橋羊村先生のご講義を受けた。
忘れられない言葉があるので記しておきます。

  霜掃きし箒しばらくして倒る  能村登四郎
  
  立てかけた箒がしばらくして倒れた事実だけを
  示している。原因をあえて中間省略している。
  見たままを単純に書いたと思い違いしてはなら
  ない。なるほど一見その事に酷似しているけれ
  ど、例えば
  「一」が初めから単純に「一」なのと、
  筆を削った結果の「一」とは同じではないのだ。 
   
この言葉から得るものは大きい。私はを写生する時
見たままを書き止めて終わってはいないか。
推敲の大切さを思った。自分は何を言いたいのかを
問うてみる。真髄に迫る句に少しでも近づきたいと
思う。
  
  
冬の季語;霜
  
  

2011年1月9日日曜日

ほうれん草


 ほうれん草が美味しい季節だ。
濃い緑が体のすみずみをきれいにしてくれそうだ。
写真は、去年の秋九月ごろ蒔かれて20cm程に
伸びたほうれん草である。
霜の当たった葉は強い色をしている。
根元は甘味が強いけれども子供達はそこを嫌う。
  
  
  
 ほうれん草紅い根元は母が食ぶ    茜
  (ほうれんそうあかいねもとはははがたぶ)
  
  
春の季語;ほうれん草  
  
  
 

2011年1月5日水曜日

冬田(ふゆた)


 冬の田んぼは何もない明るさだ。
稲の切り株が黄色に枯れて、
風が冷たい広々とした空間である。
数年前までは、冬田は耕やされて麦が
蒔かれていた。
今は春を待っているだけの田んぼになった。
右上の田には、どんど焼きの竹が組まれていた。
  
  
  
 雀来てすぐ飛ぶ冬田の明るさに   茜
 (すずめきてすぐとぶふゆたのあかるさに)
  
  
冬の季語;冬田

2011年1月1日土曜日

きんとん



 明けましておめでとう御座います。
 今年もよろしくお願いします。
  
 くちなしの実をつぶして色水を作りました。
先日は、孫達と端切れを染めて遊びましたが
「さつま芋の裏ごし」に入れてきんとんを
作りました。
生協で裏ごしの冷凍を買っていたので、砂糖を
加え色をつけるだけでした。
少しづつ色水をいれ煉る度に、黄色が鮮やかに
なります。
これ以上の黄色はない程までの黄色だった。
良いお正月を迎えられます。
  
  
  
 参道の冬青空へ続きけり    茜
  (さんどうのふゆあおぞらへつづきけり)
  
  
冬の季語;冬
 

2010年12月29日水曜日

カリフオルニアでの事 短歌


    (写真はクリックすると大きく見えます)
 掃除をしていたら、30年前の茶色になった朝日新聞が出てきた。
アメリカに居た時、一日遅れで届く新聞が
楽しみでした。
その頃、何度か朝日新聞の短歌の欄に投稿し載った事があり、
その時の新聞でした。
記録として載せておきたいと思います。
写真は父母へ宛てた手紙の一部です。
  
 
 (近藤芳美選) 
 燃え移る暖炉を覗きああ地球の
     はじまりみたいと児は驚喜す   茜

 (前川佐美雄選) 
 メールマン来たり便りの束振りて
     アプリコットの枝押し上げつ   茜
 
(近藤芳美選) 
 我がつけし「嵐が丘」の名の丘に
     夕さればユーカリ撓り吹かるる  茜

 ( 々 )
「原爆記念日ですね」と話しかく
     白人に会いし八月六日      茜
  
  

牡蠣(かき)


 牡蠣が届きました。
ごつごつとした生牡蠣です。私の日常では
めったにお目にかからない物です。
  
広島の友人が送ってくれました。
彼女とは40年来のお付き合いです。
二十歳の頃の飾り気のない青春を共に過ごした仲なのです。
お互いに孫を持つ身になっても、あの頃と
変わらない雰囲気を保っています。
  
  
  
 牡蠣殻の潮こぼせる光かな    茜
 (かきがらのうしおこぼせるひかりかな)

嫁してより一度も会わず賀状書く  茜
 (かしてよりいちどもあわずがじょうかく)
  
  
冬の季語;牡蠣、賀状

2010年12月25日土曜日

聖樹(せいじゅ)


 子供達は外へ出て花を摘んできました。
3段に高く作り上げたケーキに、飾りたかった
のです。
苺を飾り、生クリームを付け、金銀の甘い珠
をふりかけ、チョコレートの粉をふりかけ、
白い砂糖の粉をふりかけ、それでも尚飾りたい
ようでした。
一口食べると、おばあさんは心から言いました。
「こんな美味しいケーキは初めてよ!」
  おしまい。
  
   
 飾るたび聖樹小さくなりにけり  茜   
  
 子等遠く聖樹の裏の壁の傷    茜
  (こらとおくせいじゅのうらのかべのきず)
  
冬の季語;聖樹、クリスマス

2010年12月22日水曜日

落葉


       (写真はくぬぎ林です)
 フィトンチッドという言葉がある。
ある木の前を通りすぎる時、なんとも言えない
杉系の良い香りがした。
踏んでいる落ち葉は、柔らかい感触がした。
見上げる高い樹は何という樹だろうと気になった。
調べると「メタセコイア」。
曙杉とも言い原産は中国らしい。
オレンジがかった色の落葉だった。
少し集めて拾って持ち帰り、家の中に置くと
暖房の熱でほのかな香りがたった。
森の中にいるような「フィトンチッド」
を体験するような感じを楽しんだ。
   
   
  
 歓声の子と踏む落葉匂いたつ  茜
(かんせいのことふむおちばにおいたつ)
  
冬の季語;落葉

2010年12月18日土曜日

蒲団干し(ふとんほし)


 くつしたの刺繍は、約30年前アメリカで息子達に作ったものです。
今もクリスマスの時に出して飾ります。
夫のアメリカへの赴任に伴い5年を過ごしました。
見るもの全てが、映画、テレビで観た風景そのまま
でしたから驚きの連続でした。
英語を勉強し直し、高速道路の網の目のような
インターチェンジの上り下りを練習し、
子供を現地の学校、日本語補習校へと送り迎え、
料理を習い、ご近所とのお付き合いと
毎日が大忙しの日々でした。
今思えば、あれが精一杯だっただろうと
若かった自分を労いたい気持ちです。
  
明日はドイツから孫達が帰国します。
  
  
  
 帰りくる増えし家族の蒲団干す  茜
 (かえりくるふえしかぞくのふとんほし)
  
    
冬の季語;蒲団、蒲団干し

2010年12月15日水曜日

寒林(かんりん)


 夕映えは、つかの間の華やぎだ。
大山はもう黒々としてきた。
標高1250mの6合目あたりの寒林である。
山の端にすっかり葉の落ちた樹々が見える。
その向こうには何が見えるのだろうか。
次ぎに振り向いた時には茜色はなかった。
        (望遠で撮りました)
  
  
  
 寒林の向こうの夕日闇連れて    茜
  (かんりんのむこうのゆうひやみつれて)
  
 
  
冬の季語;寒林

2010年12月11日土曜日

冬木立(ふゆこだち)


 玄米を水に浸した。
日向水くらいの温度にして一日置くと
「発芽玄米」となる。
米の先に見えない程のわずかな突起物が
できる。それが発芽した証拠だ。
窓から差し込む陽は冬木の影を揺らした。
  
時どき食べたくなる玄米食。
白米に混ぜて炊いても良いし、玄米だけに
する事もある。発芽した玄米は白米と同じ
位に柔らかい。
香ばしく噛み締める味がいいのである。
  
  
 玄米を浸す水に揺れ冬木立     茜
 (げんまいをかすみずにゆれふゆこだち)

 生きるとは削ぎ落としゆく冬木立  茜
  
冬の季語;冬木立

2010年12月8日水曜日

冬灯(ふゆともし)


   (写真は変わりました)
 ドガの踊り子をイメージして作った「ポーセレンレースドール」です。(白磁製人形)
白磁のゆるい粘土を、綿レースに沁みこませ服を
着せるようにして一段づつ形成していきます。
顔手足は型どりして、好みの形に作り
1200度の電気炉で焼きあげます。
教室を開き個展もしましたが、糸の一本づつに神経を巡らせ粘土が均一に付くように筆で載せていく作業はもう今は出来なくなりました。   
永遠に色褪せもなく少女のままの人形、疲れも見せ
ずガラス戸の中に座っています。
   
    
  
人形に描く眼差し冬灯        茜
  (にんぎょうにえがくまなざしふゆともし)

  
冬の季語; 冬灯、冬ともし
  
(PCのクリーンアップ)
スタート→すべてのプログラム→アクセサリ→
システムツール→デイスククリーンアップ

2010年12月4日土曜日

鬼胡桃(オニグルミ)


 夏 青い胡桃をつけていた樹に会いに行くと
葉も実もすっかり落ちて、裸木となっていた。
小川へ半分倒れるように傾いで立っていた。
  
実は、樹の下の枯葉に隠れるようにして
散らばっていた。
果肉に包まれたまま、黒く朽ちている。
鬼胡桃は、種が落ちてくる種類とは違い、
果肉も一緒に落ち朽ちるようだ。
この樹の持ち主もわからず、私は山の神さまに
許しを請うて拾った。
  
写真は黒い小さな方が鬼胡桃です。
きれいに洗って干しています。
  
  
 鬼胡桃広げし紙も乾きゆく    茜
  (おにぐるみひろげしかみもかわきゆく)
  
秋の季語; 胡桃、鬼胡桃

2010年12月1日水曜日

ヒヨドリジョウゴの実


「宝石みたい!」と友人は称していた。
ヒヨドリジョウゴの艶やかな珠は本当に
そう形容したかった。
  
蔓性で、葉は朝顔に似ている。
ハート形の葉は山芋の葉です。
この実には、毒があるのを知っていたから
口にはしなかった。さすがに・・

里山が近いとはいえ、この赤い実は
マクドナルドの裏手で見つけたもの。
ちょっと脇道に入ると、昔の街道そのままに
一間幅の道がある。
鳥の眼になって歩いてみるのも面白いと思う。
  
  
 
 赤き実に道を逸れきし小春かな    茜
  (あかきみにみちをそれきしこはるかな)
  
冬の季語; 小春(春のように暖かい晴れた日)

2010年11月27日土曜日

茸(きのこ)


 歩いていると、「なめこ」を売っていた。
大きいなめこである。
裏山で採れた天然なめこという。
傍にいた小父さんが、うれしそうに言った。
    
写真の皿は直径28センチ、柿と蜜柑と
比較しても「なめこ」の大きさがわかるでしょう。
付いていた朽ちた葉を取り除き、
バター炒めにして、
山のおすそ分けという気持ちで頂いた。
  
  
 土匂う朽ち葉の匂う茸かな    茜
  (つちにおうくちばのにおうきのこかな)
  
秋の季語; 茸  

2010年11月24日水曜日

鴛鴦(おしどり)


 鴛鴦(おしどり)の オスの冬羽はきれいだ。
尾の前に、黄色のイチョウ羽といわれる羽根をたてる。 
メスは鴨に似た地味なグレーらしい。
オスもまた夏羽の色はグレーになり鴨に似るという。
  
この日は雄が一羽だけいた。
メスは近くで巣作りをせっせとしているようだ。
鳥のメスは働き者、誰かに似ている。
小さな小川にくるくると回っていた。
人家の少ないこの辺りは水が澄んでいた。
  
  
 鴛鴦の尾より流れて又のぼる     茜
  
  (おしどりのおよりながれてまたのぼる)
  
冬の季語; 鴛鴦(おしどり)

2010年11月20日土曜日

シオデの実


 シオデの実です。
春のシオデの芽は旨さでは山菜の女王とも
言われ、アスパラに似た味という。
これでユリ科の植物、蔓性である。
  
黒い実を見かけて、さっと前の葉を払うと、
こんなにどっさりの実が隠れていた。
艶やかで、和菓子の鹿の子にも似ていた。
否、鹿の子がこの実の真似をしているのだろう。
  
実の味はたいした事はなかった。
少しぬるい甘さを感じた程度だった。
花の後には実になるのが普通だから
探せば他の植物の実も見つかるかもしれぬ。
  
  
 時雨きて山から烟るシオデの実      茜
  
  (しぐれきてやまからけむるしおでのみ)
  
秋の季語; 時雨

2010年11月17日水曜日

くちなしの実 飯


 くちなしの実が色づいていた。
鳥達が好んで食べにくる。
食べられてしまう前に少しいただいた。
  
この時期に一度は炊いてみる「くちなし飯」です。
中の赤い種を水に浸すと、黄色い水ができる。
その水でご飯を炊くだけです。
染料にもなるほどの色の鮮やかさ。
無味無臭、花の香りはありません。
楽しんでます。
  
  
 くちなしの実のつやつやと通学路      茜
   (くちなしのみのつやつやとつうがくろ)
  
秋の季語; くちなしの実、梔子

2010年11月14日日曜日

おおにしきそう(大錦草)


 おおにしきそう など今まで気にも留めなかった。
道端の目立たない雑草だった。
たまたま接写してみると、なんと実が色ずいている。
実は1ミリ程度だから、わからなかったのも当然である。
  
草丈20~30センチの帰化植物だそうだ。
青かった実も真っ赤になった。 
形はまるで小さな桃のようだ。
雑草というのは返上です。  

  
  
 ジョギングの視野に飛び込む草紅葉     茜
    (じょぎんぐのしやにとびこむくさもみじ)
  
秋の季語; 草紅葉

2010年11月10日水曜日

山ぶどう

 
 山ぶどうはワインにする位だから美味しいに決まっている。
直径8ミリほどの小さな粒だ。
口に入れると野性味のある甘さだった。
充分に熟れているので、酸味は無かった。
  
間違えやすいのに、「野ぶどう」がある。
こちらは、鮮やかな水色や青色の粒で食べられない。
山歩きはこんな楽しみがあるのだ。
竹に絡まってから、私の頭の高さに下がっていた。

  
  
 山ぶどう裏山という呼ばれ様        あかね
   


  
秋の季語; 山ぶどう、野ぶどう

2010年11月7日日曜日

ふくろみもくげんじ(袋実もくげんじ)


 フクロミモクゲンジの実があたり一面敷き詰めていた。
10メートル四方あるだろうか。
どこから散ってくるのか、その樹はまわりのすずかけの木に隠れて見えなかった。
ようやく葉の間から高い天辺に実がついているのがわかった。
そのわずかに見える空からフワリと実は落ちてきた。
  
まんさくのような黄色の花から、この実の形へどのよ
うにしてなるのだろうか。
苞の間に丸い実が挟まれている。
小石川植物園の一角にこんなロマンチックな場所が
あろうとは。  又行きたいと思っている。
   
   
  葉隠れの空より木の実降りてくる     茜
    (はがくれのそらよりこのみふりてくる)
  
  
秋の季語; 木の実

2010年11月3日水曜日

秋桜(あきざくら)、こすもす


 このコスモス畑の前で胸をうたれた。
美しい、さりながら雨風に翻弄され一本として真っ直ぐ
立っている花は無かった。
倒れながらも、半身を起こそうとしている形だ。
  
山陰の小さな捨て畑に、せめて種を蒔いて労ったのだろう。
昔ながらの、素朴な色のコスモス達だった。
美しさと哀れさを詠みたいけれど難しいです。
   
   
  こすもすのうねりは風を呼びやすく   あかね
   
  捨て畑の風の荒らぶる秋桜       あかね
  (すてばたのかせのあらぶるあきざくら)
  
秋の季語; こすもす、秋桜(こすもすのこと)