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クレソンはきれいな水に育つという。
上古沢という地名が表すように、山から滲み出た
水が集まってきて小流れを作っている。
クレソンはその流れに守られているかのように
かたまって育っていた。
この小川に名前がつくのは、少し下流の広くなる
川幅になってからのようだ。
オランダ辛子(からし)という和名のとおり、
辛味があり料理にそえたりサラダにして食べる
事ができる。
分岐してクレソンへ行く山の水 茜
(ぶんきしてくれそんへいくやまのみず)
春の季語;クレソン



食は暮らしの彩りだと思う。
一日三度の食事を摂っているが、美味しく食べる
為にいろいろ気を使っている。
三度もだから飽きがこないように同じスープでも
薬味を、ネギ、パセリ、パクチーと変えるだけで
和風、洋風、タイ風にもなる。
彩りとはちょっとした変化の事である。
朝食が終わったら、もう昼の食事の事を予定しな
くてはならないから、テレビで仕入れたアイデア
はすぐに使ってみる。
写真は我が家のささやかな今の楽しみです。
上は友人特製の金柑漬け。
直径3cmある金柑を半分に切り、種を
取り除き氷砂糖で煮ている絶品!
中は塩麹と切干大根の薄い三杯酢漬け。
塩麹に漬けたお肉は2倍美味しい。
下は干したえのき茸を砂糖醤油で乾煎りしたもの。
スルメの味がしてビールのつまみに良し。
春キャベツ軽い空気を芯に抱き 茜
(はるきゃべつかるいくうきをしんにだき)
春の季語;春キャベツ

赤鶏の丸ごと一匹を冷凍食品売り場で見つけた。
それ以来、この冬何度もこの料理になった。
丸ごと一匹を大鍋に入れ、コトコトと煮るだけ。
透き通ったスープに油はあまり浮かず、濃厚な
味となっている。
肉は解けそうになる程柔らかくなり、
一日目は鶏のもも肉付近の肉をたっぷり、
二日目はスープで聖護院大根を煮て、
三日目はスープをご飯にかけておじや風に。
写真はスープをかけたご飯です。
庭で栽培のルッコラと
黒いのは、棗(なつめ)です。
塩麹を少し入れて味付けします。
時かけて二月の水に何浸す 茜
(ときかけてにがつのみずになにひたす)
春の季語;二月

いろいろやってみたいという思いはいつも
持っていた。
子供の時の、手作りの人形の服に始まって
現在に至るまで、手作りが好きなのだ。
絵も描きたい、本も読みたい、野菜も花も作りた
い、でも年相応に目も遠くなり、車の運転も鈍く
なり、忘れ物も多くなった。
今までやってこれた事に感謝しよう。
まわりの人に感謝しよう。
今の自分にふさわしく出来る事とできない事を
より分けながらやっていきたいと思う。
絵皿は、早春をイメージして描いたものです。
花の白い色は皿の白を活かしています。
早春の匂いの一つ濡れ若木 茜
(そうしゅんのにおいのひとつぬれわかぎ)
春の季語;早春

写真は、横浜の日本丸の船内に展示してあった
紐の結び方の一部です。
知っているようで知らない結び方。
神事に使う玉串や注連縄に下がっている白い紙、
四手(しで)の事ですが、これもどう切っている
のかわからない。
昔から伝えられているものには、いろいろ意味が
あり合理的に考えられていて、紐等もっと知りたい
事がたくさんあります。
背伸びして神事遠巻き冬帽子 茜
(せのびしてしんじとおまきふゆぼうし)
冬の季語;冬帽子

主人の母が92歳の頃、まだ歩いて家に入る
ことが出来た。施設に入居しているが久しぶりに
家へ帰ってみたいという要望で、もう誰も住んで
いない我が家へ寄ってみる事になった。
中へ入ると、大方整理をつけてきた家の中を
見回してから箪笥の前へ行くと、引き出しの中の
着物をほとんど畳の上へ出して言った。
「もう着れない。持って行ってどうにでもして
いいから。古いのだから捨てて。」
それで心の整理をつけたように、きっぱりと
言った。
勿論小柄な義母の着物は私には合わなかったが、
義母の気持ちを思うと、すぐに捨てられるもの
でもなかった。
白い帯を解いてクッションを作り、車椅子の上で
使えるようにして送った。
98歳になったが今も元気で過ごしている。
繕いは治療にも似て日向ぼこ 茜
(つくろいはちりょうにもにてひなたぼこ)
冬の季語;日向ぼこ

友人の新築のお宅に招かれました。
ご夫婦の理念が通った木の家に、一歩中へ入ると
新しい木の香りにまず癒されました。
天井の高さ、柱や梁の太さ、床の感触、
土壁の心地よさ。
どちらを見ても素直にうれしくなる作りです。
一度は住んでみたい白木の家、家と一緒に
呼吸しているような気持ちになりました。
有難うございました。
木の家の梁にぶらんこ空見えて 茜
(きのいえのはりにぶらんこそらみえて)
春の季語;ぶらんこ

冷え込む日が続いています。
こちらは雪は降りませんが、霜で真っ白になる
朝があります。
霜は、空気中の水蒸気がそのまま凍り、地表等に
付着する氷晶です。
快晴無風の夜に発生し、夜が明けると一面真っ白
に見えるのです。
この付着した氷は朝日に溶けて、地面を潤す
のでしょう。
ザクザクと音を立てて踏んで歩きます。
めったに朝は歩きませんから貴重な足音でした。
風のなき葉先に霜の重からむ 茜
(かぜのなきはさきにしものおもからむ)
冬の季語;霜

蝋梅の何という清やかな香りだろう。
花のふくらみに、蝋を塗ったような光沢がある。
伊勢原市に日向薬師があり約1280年前に開山
したと言われている。
初詣でのさい、350年ぶりに平成の建替えと
いう事で、宝物殿に全部の仏像を集めて安置され
ていた。
20体もある仏像に囲まれて座ると、どこか別の
世界へ誘われそうな気持ちになった。
中でもある仏像の前に座った時、それまで伏目
だった仏像の目が、見上げた私の目と合う体勢に
なり思わず手を合わせたのだった。
膝折りて目の合う木仏日脚伸ぶ 茜
(ひざおりてめのあうきぶつひあしのぶ)
冬の季語;日脚伸ぶ

冬の月はいかにも冷たく感じられ、静かな
銀色の世界をイメージさせる。
鮮やかな色彩は鳴りを潜め、白黒のモノトーンが
生き生きと浮き上がってくる。
そんな光の中で、人はそれぞれの思いで月を
眺めるだろう。
3.11で被災された方々はこの寒さの中でどうして
おられるのでしょうか。
報道されるのは、いっこうに変わらない壊れた
街の風景ばかりです。遅ればせながら一句を。
虎落笛耐えて残りし鉄骨あり 茜
(もがりぶえたえてのこりしてっこつあり)
津波痕の土の悲鳴や冬鴎 茜
(つなみあとのつちのひめいやふゆかもめ)
冬満月欅は芯から枝を張る 茜
(冬まんげつけやきはしんからえだをはる)
冬の季語;虎落笛(強い風が電線などにあたり笛
のような音をたてる)

厚木市街から山の方へ向かって歩いていくと、
だんだん道は寄り集まるように1本の道になって
くる。
両側から山が近づいてきて細い谷間に入っていく
のだ。
いつのまにか川に沿っている道は、次第に細く
なっていく。
山から染み出た水は澄んだ川となって、音をたて
るようになるともう山の中だ。
こんな所にも家がと、驚くような山の中にも人の
営みはある。
小さな畑があったり賄いの煙が昇っていたりする。
ほっとするのも、こんな時だ。
綿虫や峡の田畑は川に沿う 茜
(わたむしやかいのたはたはかわにそう)
川に沿う冬耕の畝峡七戸 茜
(かわにそうとうこうのうねかいななこ)
峡=(かい)山と山の間の細長い土地
冬の季語;綿虫(白い綿のようにふわふわ飛ぶ虫)
冬耕(とうこう)

とうとうノルディック ポールを買いました。
ネットで見た値段の十分の一で出ていたからです。
量販店のチラシも見てみるものですね。
さっそく試し歩き、いつもの散歩コースを
約1時間かけて歩いてみました。
最初はゆっくり、慣らすためにポールはひきづっ
て。次第に感覚が掴めると握りの部分を軽く
つかんで手を振って歩きます。
途中で、中学生にジロジロみられましたが、
年寄りが杖を付いているくらいに思ったのかも
しれませんね。
普通に歩くより1.5倍のエネルギーを使うそうです
から、これで体力アップとなるでしょうか。
許すとは楽になること笹子鳴く 茜
(ゆるすとはらくになることささこなく)
冬の季語;笹子鳴く(冬の鶯が枝でチャッチャッと
鳴くこと)

夜半から降り始めた雪は、すぐに止んだらしく
積雪4cmという話である。
外を歩く足音が、固まった雪を踏んでいる音だっ
た。時折通る車も押しつぶしているような音を
たてていた。
私が外へ出てみたのは、朝8:00頃だったが、
雪はすでに、朝日を浴びてきらきらと輝いていた。
晴天の続いた太平洋側では珍しいお湿りである。
融けて土を潤してくれるに違いない。
雪は早や雫となりて光りけり 茜
(ゆきははやしずくとなりてひかりけり)
しずしずと嵩あるものへ積もる雪 茜
(しずしずとかさありものへつもるゆき)
冬の季語;雪

米から出来た「こうじ」ですが、「糀」とは
あまり書かないようですね。
私が買った麹屋さんも、米から作っているのに
「麹」の漢字でした。
ちなみに、「糀」は国字だそうです。
昔母が作ってくれたように、お粥に麹を混ぜて
炬燵へ入れておき甘酒を作りました。
翌朝できた甘酒のなんと甘い事。
懐かしいあの味でした。
今話題の塩麹も作ってみました。
小さじ1杯の塩麹で味付けする魚、肉が
楽しみです。
塩麹の作り方
麹 200g
塩 70g
水 250g
麹をよくほぐし塩と揉む(しっとりするまで)
水を加えて1週間、毎日かき混ぜる。
春近し手のひらで揉む麹の香 茜
(はるちかしてのひらでもむこうじのか)
冬の季語;春近し


アオツツラフジの種です。
散歩の途中でみつけました。
噂に聞いていたアンモナイトに似ている種の形、
3ミリの小さな種だが、良く見ると本当にそう見
える。
実が5ミリ位の小粒だから、中の種はこんなに
小さかった。
自然にある形はどうしてこうも不思議な形を
しているのだろう。
化石のアンモナイトの形の DNA がどこかに
入っているのかしら。まさかネ。
春近し太古より来し種の形 茜
(はるちかしたいこよりきしたねのかた)
冬の季語;春近し

コメントが入らなくなっています。
お返事出来なくてごめんなさい。
こんなに潔く伐ったものだ。
栗林は屋敷に続いていて、秋には大きな栗の実を
たくさんつけていた。
ところが、このようにばっさりと伐られている。
切り倒された訳ではないから、この後新しい枝を
育てて若返らせるのだろう。
春、新芽が出て若葉が茂り又濃い影を作るのだ
ろうと思うと楽しみになってくる。
他人様の栗林の成長でさえも楽しみにしている
くらいだから、歩く所すべての草木が親しく
思えるのである。
剪定や孫子に遺す屋敷林 茜
(せんていやまごこにのこすやしきりん)
春の季語;剪定

檀(マユミ)の実です。
ニシキギ科の落葉低木で、1cm程の四角形の実を
つけるが、外皮が淡紅色に熟すると四裂して
赤い実が現れる。
中の赤い実は仮種皮(かしゅひ)と呼ばれ、
その中に種が入っているのだ。
幾重にも守られて種があるらしい。
このように、赤い実をさらけ出して鳥に食べられ
るのを待っているのだろうか。
今朝も寒い、下に落ちた実にも霜が付いている
だろうか。
果皮という外套をぬぐ実のありぬ 茜
(かひというがいとうをぬぐみのありぬ)
冬の季語;外套

この鉛の塊に見えるのは烏瓜の種です。
お正月の生花に使った烏瓜をほぐすと、中は粘り
のある果肉に包まれた種があった。
洗ってみると、「打ち出の小槌」のような種だっ
た。長さ約1cm、一つの烏瓜に21個の種が
入っていました。縁起の良い形といえますね。
財布に入れておくと、少しお金も増えるかもしれ
ない・・・。
幼子の丸める餅も眼福に 茜
(おさなごのまるめるもちもがんぷくに)
眼福=美しいもの貴重なものが見られた幸運。
冬の季語;餅

コメントが入らなくなっています。
少々お待ち下さい。
寒鯉はじっとして動かない。
冷たい水が感じ取れる。その水が澄めば尚である。
日の当たる水面は光って、その存在もわからない
が、影のところへきてやっと動きが見える。
この小川にも少しの澱みがあり、そこへ鯉達は
いつも居るようだ。
じっとしている鯉が動くと水が動いているように
見える。
何をきっかけに動くと思いますか。
寒鯉の好む水きて動きけり 茜
動かねば寒鯉水に染まりたる 茜
冬の季語;寒鯉

冬田の中にあった黒い塊は猫だった。
川風の冷たいこの田んぼは、稲の株も白く晒され
て吹き飛びそうだった。
猫はその中にうずくまっている。
少し歩いて又座っている。何をしているのだろう
か。もぐらはまだ土の中だろう。
獲物を狙うには広すぎる田だ。
猫には猫の予定行動があるのかもしれない。
初旅や猫の振り向く鳥の声 茜
(はつたびやねこのふりむくとりのこえ)
冬の季語;初旅

(藪柑子)
初詣の帰り道、横道へ入ると家の裏には畑があ
り家の賄いに使うと思える少しの野菜が残っ
ていた。
その間を縫う幅1mほどの小道に、見逃しそうな
「市道」という小さなセメントの標識が埋めこま
れていた。
昔からの古いお寺にお参りするかつての街道だっ
たのかもしれない。
竹薮の入り口に「藪柑子」が赤い実をつけていた。
私は就寝の時に毎日「湯たんぽ」を使っている。
プラスチック製なので触れてもそれ程熱くない。
湯は丸一日冷えないので、今のところすこぶる
気に入っている。
二階へ行く手に湯たんぽの波の音 茜
冬の季語;湯たんぽ、藪柑子(やぶこうじ)

今年最初の孫への贈り物だ。
もう三年生になった孫茜は、活発で何にでも
興味を示す子で、長い髪をポニーテールにしたり
カチューシャで留めたり、その髪飾りにも
いろいろ注文があるようだ。
そこで、ばあばは手作りでで世界に一つしかない
飾りを作ることにした。
家にあった端切れで簡単に作った飾りだけど。
気に入ってくれるかな。
一途なる少女の瞳野水仙 茜
(いちずなるしょうじょのひとみのずいせん)
冬の季語;水仙、野水仙

そういえば烏の鳴き声を近頃聞いていなかった。
歩いていると頭上で突然カアーと鳴いて驚いた。
見れば、真っ黒なのだ、カラスって。
口ばしに丸みがあった。
一声で終わる時もあるのだ。
カラスも寒いのだろうか。
鳴くと息も白いのだろうか。
白い息を見ているのかもしれないと思った。
鳴いた後しばし口開け寒烏 茜
(ないたあとしばしくちあけかんがらす)
冬の季語;寒烏

太平洋側の青空は、この時期がもっとも澄んで
いる。毎日晴れて日本海側の方々に申し訳ない
程だ。
外へ出て思い切り身体を動かしたいと思ったり
するが、寒いので躊躇する。
かといって、炬燵でじっとしているのも嫌である。
せめてこの晴天を利用したいと思う。
青空がもったいなくて白菜干す 茜
冬の季語;白菜

お正月の花を庭の草花だけで生けました。
材料
南天
万両
熊笹
ゼラニウム
枯れ草の穂
さねかずら
からすうり
万両は鳥の落としものから芽生え、大きくなった
ので、庭の隅にひっそりと育ち、ある日赤い実を
つけていたものです。
どれがどの花か おわかりでしょうか。
万両や朝日の逸れし土黒く 茜
(まんりょうやあさひのそれしつちくろく)
冬の季語;万両

(自作の土鈴)
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
皆様には良い年でありますように。
いろいろ災難は降りかかってきますが、乗り越えて
いきたいですね。
干支の辰は体長11cmの土鈴です。
中は空洞で入っている土の珠が、振ると良い音を
たてます。
これは作る行程が複雑で、型枠を作り、実物大の
辰を中に置き、石膏を流し入れます。
そうして型を作り、中に粘土入れ型どりをした
辰を炉で焼きます。
毎年1ヶ月掛けて30~40個作りました。
こうして作った干支の土鈴も10年作り続けて
終わりました。
今年は何に挑戦できるか楽しみです。
向き合うて正座して酌むお元日 茜
(むきおうてせいざしてくむおがんじつ)
新年の季語;元日、正月

今年もお世話になりました。
拙いブログにお付き合いくださいまして
有難うございました。
来年も引き続きよろしくお願い致します。
「ひょんの実」に慰められた年でもありました。
吹く時は、息をやさしく細くゆっくりと吹き込ま
なければ鳴りません。
自身を癒す音でもあるのです。
探した当初はやっと1個見つけたのですが、
慣れてくると、散歩の度に見つけるようになりま
した。「ひょんの実通り」と呼びたいくらいです。
イスの樹の垣根があるのです。
欲しい方はご一報を。
良いお年をお迎えください。
何もなき晦日や一人ひょんを吹く 茜
(なにもなきみそかやひとりひょんをふく)
雑踏にひょんの実を吹く別れかな 茜
(ざっとうにひょんのみをふくわかれかな)
秋の季語;ひょんの実


息子達が独立して家を出た十数年前、
皿に二人のイニシャルを描いて絵皿にした。
陶器用の顔料で描き、800℃で焼き付けた
皿である。
趣味が多い方だと思うが、その理由として
一言で言えば飽きっぽいのだ。
ある程度出来るようになると次ぎの事が
気になってくるのである。
こんな絵皿を幾枚も描き、磁器の人形も作り教室も
開いた。
今、絵皿は箱の中である。
皿や人形を焼いた電気炉も眠っている。
そして「俳句」だけは辞められそうもない。
この絵皿は家人が落として縁の透かしの部分を
割ってしまったのだが、
このように、継ぎ目がわからぬように接いでくれた
ので許すことにしましょう。
皿に描くイニシャル大き室の花 茜
(さらにかくいにしゃるおおきむろのはな)
接ぎ合わす絵皿の破片冬灯し 茜
(つぎあわすえざらのはへんふゆともし)
冬の季語;室の花(部屋の中で咲かせた花)、冬灯

友人が焼いてくれました(彼女は日本人デス)
「シュトーレン」というドイツのお菓子です。
ドライフルーツやナッツが練りこまれていて、
いい香りがします。
発酵させていますが膨らまないパンといえます。
ドイツでは、このお菓子をクリスマスを待つ間
薄くスライスして食べる習慣があるそうです。
日がたつにつれて、フルーツの風味がパンに
移っていく為、美味しさが増してくるのです。
形は、キリストを包んだおくるみに似ているとか
諸説はあるようです。
「しょうが湯」を添えていただきました。
クリスマス菓子をこぼるる白砂糖 茜
冬の季語;クリスマス

まわりが枯れ色となっていくと一層際立つのが
烏瓜である。
赤い実はいつまでもその色をとどめている。
今まで気がつかなかったのに、いきなり目に
飛び込んできた赤い色。
引くとずるずると蔓が烏瓜をつけて出てきた。
からまりていずれの蔓の烏瓜 茜
秋の季語;烏瓜

戸棚の中に10年眠っていた木の実。
何の木の実かわからないまま仕舞ってあった。
掃除をしていて見つけたものだ。
PCでいろいろ調べてやっと分かったのは、
「フタバガキ科」の木の実らしいということ。
熱帯にあるフタバガキ科の植物の代表的なものに
ラワンの樹がある。ベニヤ板に使うあのラワンだ。
高さ50~80mにもなる高木。
この羽根でヒラヒラと舞って降りてくるのだろう。
10年も前にタイ・マレーシアに旅行した事がある。
どうもその時に貰ったか、買ったか、拾ったかした
のだと思う。
記憶がないのである。
面白いものは貯めておく習性があるようだ。
何の実と知らず大事に年の暮 茜
(なにのみとしらずだいじにとしのくれ)
冬の季語;年の暮

鮮やかな夕焼けだった。
わずかの間だったが、何か起きそうな気がする程
鮮烈な光だった。
大山の頂上に当たって「チンダル現象」ともいう
べき影のような筋が出来ていた。
このような自然の前で人は時として不安にかられる
ようだ。明日という不確かな日が本当にくるのか。
冬の夕焼けは、普通弱々しく淡い色が多いが
雲に反射して強い光になったのだろう。
手前には漆黒の暗闇が迫っていた。
寒落暉畏れる闇を深くせり 茜
(かんらっきおそれるやみをふかくせり)
冬の季語;寒落暉

冬瓜は秋の季語です。
寒くなった今も畑には取り残された冬瓜がゴロリと
横たわっている。
中は充分熟しているだろう。
友人に貰った冬瓜はずっしりと重く、直径24cm
長さ35cmもある大物だった。
粉を吹いたような皮には指の跡がついていた。
刃を入れようとしても、外皮は堅くなかなか切れ
ない。刃先を差し込むように入れテコの原理に
従って「エイッ」とばかりに刃を下ろすと、
ようやく切れた。
中の真っ白な果肉からは、透明な水が滲みでた。
種を包んでいるふわふわの所は、メロンに例えると
一番甘い部分である。
しかしこれは涙をのんで捨てよう。
肉厚の実を切り分けて、椎茸ともどし汁で煮る
ことにした。
冬瓜を抱きかかえきし指の跡 茜
やるせなき地震や冬瓜真二つに 茜
(やるせなきないやとうがんまふたつに)
秋の季語;冬瓜

横浜の夜景です。
日曜日とあって大変な賑わいでした。
赤レンガ倉庫街では、ドイツビールやポテト
暖かいスープ等がテントで売られていました。
クリスマスが近づいてくると、とたんに
華やかに賑やかになっていきます。
大勢の皆さんが楽しんでいました。
こうして活気付くのは良い事だと思います。
経済波及効果も上がる事でしょう。
まわりのホテルの窓の灯がちょっと寂しい
気がしました・・。
久しぶりにのんびりと夜の街をそぞろ歩き
したのでした。
映る灯を波畳み込む十二月 茜
着ぶくれて観覧車の灯見上げけり 茜
(きぶくれてかんらんしゃのひみあげけり)
冬の季語;十二月、着ぶくれ


谷戸の夕暮れは何かを焚くことで始まる。
煙は横にたなびき谷戸を出ていこうとはしない。
遠くの煙を写してみると、炎が立ち上がったり
低くなったりしながら、煙の量も次第に多く
なっているようだ。
中にいる人は、棒の先で掻いているようだが、
時どき叩いているようでもある。
炎を調整しているのだろうか。
この後すぐに辺りは暗くなってしまうのだ。
寄りし身に惑う煙や枯菊焚く 茜
(よりしみにまどうけむりやかれぎくたく)
新任の僧のジーンズ枯菊焚く 茜
冬の季語;枯菊

夜 10:40 現在の月です。
真上に近い月は、ぶれてなかなか撮らしてくれ
ません。
それでも、月を隠していく地球の影がうっすらと
みえました。
皆さんはごらんになりましたでしょうか。
ほの赤き地球の影や冬の月 茜
まなうらの今観し月と眠りけり 茜
皆既月食手に図解して凍てほぐす 茜
(皆既げっしょくてにずかいしていてほぐす)
冬の季語;冬の月

幼い頃、姉と話したことがある。
「花嫁さんになるときは危ない仕事の人とはやめ
ようね。」
夜火事のサイレンが鳴り響き、風の強いこの夜を
命がけで助けに向かっている人がいる。
台風がきて一番激しく吹き荒れる頃、電線の切れた
危険なところへ出向く人達がいる。
お父さんがその危険な仕事に出て行く家族の
心細さを想ったのだろう。
幼いなりに、その仕事の大変さをわかっていたのだ。
今でもその大変さに変わりはないのだ。
高い鉄塔に、上がり下がりしながら作業をしている
人達がいた。
電線を伝って進んでいる人もいた。
目眩がしそうな光景だった。
安全第一お願いします。
鉄塔に人動きいる寒さかな 茜
(てっとうにひとうごきいるさむさかな)
冬の季語;寒さ

大根の美味しい季節です。
まず、太い中ほどをふろふき大根やおでんの種と
して煮込みに使います。
その時に剥いた皮と残りの大根は、短冊に切って
干します。
小春日和の風の無い今頃は、3日位干すと程よく
しなびて、少し柔らかさが残っています。
それを食べやすい大きさに切り、砂糖、醤油、酢、
味醂に漬けます(火を通して酢を飛ばしてもよい)
飴色になった漬物は、良い箸休めになっています。
切干や屋根の傾斜のゆるやかに 茜
(きりぼしややねのけいしゃのゆるやかに)
冬の季語;切干

(雨のあがった競艇場)
朝から雨が降り続いていた。
句会はウオターフロントにあるビルの22階で
始まった。
雨の為吟行に出ることが出来ず、見た景色の
嘱目吟という事になった。
展望の良い窓から見る街は雨で煙っていたが、
初冬の静かな感じがありいいものだった。
眼下に「競艇場」があり、海水を引き込んだ
このコースは休みの日でひっそりとしていた。
午後から晴れるとスカイツリーもくっきり見え
会は佳境に入った。
持参の「ひょんの笛」を、素敵な句にはお祝いに
遅い方には励ましにと、合いの手のごとく吹いた。
こんな事が許される愉快な句会なのである。
冬ざれや競艇場の吹流し 茜
(冬ざれやきょうていじょうのふきながし)
時雨るるや高さ失うビルの街 茜
(しぐるるやたかさうしなうびるのまち)
冬の季語;冬ざれ、時雨(しぐれ)




くぬぎ林の一年を撮ってみました。
一番上 11月30日
二番目 夏
三番目 早春
四番目 冬
いつの間にか季節は移っています。
明るい冬の林、新芽の優しい春、鬱蒼とした夏の
茂り、枯葉の重なっていく秋の林へと
変わっていました。
秋になると枯枝を根元へ集めて積むのは
何故でしょう。
害虫の温床にならないのでしょうか。
いつも謎に思っています。
どなたか教えてください。
明るくて枯木の根元曝される 茜
(あかるくてかれきのねもとさらされる)
冬の季語;枯木

蓑虫は、ミノガ科の蛾の幼虫です。
バラ科やカキノキ科の葉を食べて育ち、枯葉や
枯枝に粘性の糸を絡め袋状の巣を作り、
あたかも蓑を纏っているかのような姿をしている。
雄は成虫になると巣を離れるが、雌は成虫でも
一生巣から離れないという。
この蓑虫は道端に落ちていました。
誰かが取ってはみたものの、飽きてしまったの
でしょう。
中ほどをそっとつまんでみると、弾力のある
虫の腹が感じられました。。
しばらく手に乗せていましたが、草むらへ
返しておきました。
動植物の一生はどこかしら似ていて、哀れでも
あります。
蓑虫の蓑を通して柔らかし 茜
蓑虫の鼓動が風に揺れている 茜
秋の季語;蓑虫(みのむし)

お寺の門前に「山門不幸」と書かれた白木の札が
立っていた。
どういう意味なのか解らないまましばらく経って
(さんもんふこう)と読み、その寺の住職が亡く
なった事を知らせる言葉だと知った。
春の枝垂れ桜が美しいこの寺は、散歩の途中の
目印でもあり私達の休憩所でもあった。
ある日庭を掃いている方に声を掛けて、話している
うちにお坊さんだとわかりました。
前のお坊さんにはお目に掛かかる事もなく、
新しいお坊さんとお話したのでした。
お寺の角の茶の木に、灯りのような花が咲いて
いました。
茶の花や新任の僧ジーンズで 茜
(ちゃのはなやしんにんのそうじーんずで)
冬の季語;茶の花