2011年6月13日月曜日

雷(かみなり)


 リスボン名物といわれる「鰯」を食べた。
鱗もしっかりと付いて、腸もきれいな形だった。
ただ焼いただけの鰯だが、ワインビネガーをかけて
食べると、今まで食べた鰯の中でも最高の旨さだった。
   
街のお菓子屋さんには、大人の男達が多く、一杯飲んで
いるかと間違う程、ショーケースに凭れてお菓子と
エスプレッソを飲んでいた。
揚げパンやプデイングのようなお菓子が、懐かしく
日本の味を思いだした。
   
鉄砲を種子島へ伝えた国という認識だったが、
それを話してくれる人と出会う事はなかった。
   
   
   
  遠雷や風の冷たさ何処より     茜
  (えんらいやかぜのつめたさいずこより)
   
   
夏の季語;雷(かみなり)

2011年6月11日土曜日

片陰(かたかげ)


 リスボン(ポルトガル)は石畳で覆われた街だった。
   
1755年の大地震でリスボンの街は壊滅状態
だったという。
その跡に又街を復興する事になった時、
建物の高さを揃え、外壁の様相を規制し、
碁盤の目に道路を作ったという。
それから250年の間人々が歩いた石畳は、
滑らかでつやつやとしていた。
    
職人が補修していたが、5cm角からの大理石を
土に木槌で打ち込み、目地は砂で何度でも再生して使えるエコだった。
雨が降ったら、何パーセントかは目地の砂が
吸い込むだろう。
丘の頂上の城への道も、路地裏も石畳だった。
鉄砲を私の故郷種子島へ伝えたポルトガルは、幼い頃から親しみを持っていた国だったが、
それを話してくれる人と出会う事はなかった。
      
     
  
  
 片陰やモザイク補修の石畳      茜
   
   
夏の季語;片陰(かたかげ)

2011年6月7日火曜日

夏蝶(なつちょう)


 家から15分程歩くとライン河に突き当る。
河幅300Mはあるだろうか、ゆったりとした
流れである。河川敷を含めると1KMだろう。
  
河川敷の広い原っぱを犬を連れた人々が行きかっていた。
どの犬にも紐はついていなかった。それでも主人に
従っていて吠える事もなく良く訓練されていた。
が、一歩草の中に入ると糞がいたるところに・・
犬の税金を納めるから、糞の始末はしないとか。
  
電車に乗る時。切符は買うけれど改札口が無い。
抜き打ちの検札が時々あるらしい。
犬も自転車も料金を払って乗れるらしい。
電光掲示板はあるが案内アナウンスも無い。
全体に静か、雑音が少なく大人社会という感じだ。
路面電車に夕方、食堂車が付いているのを見た。
ビールだけを飲んで賑っていた。
  
国が変われば社会の仕組みも変わる。
という事ですね。

   
    
   
夏蝶に渚やさしきライン河      茜
    
   
夏の季語;夏蝶

2011年6月4日土曜日

薄暑(はくしょ)


 ドイツの初夏は「アスパラガス」が旬である。
着いてさっそく市場へ行ってみると、白いアスパラ
ガスが山と積まれていた。買うとすぐに皮剥き機で
剥いてくれる。白いアスパラの皮は硬くて食べない。
1kg 15本位 700円。
1本の大きさが、直径3cmで、長さ25cm程だから
その食べ応えがわかるだろう。
茹でてオレンデーズソース(バタークリームのような)
をかけて食べるのが一般的のようだ。
茹でたての熱いアスパラは、日本の掘りたての筍を
茹でた時の味にどこか似ているように思う。
さくらんぼ、チーズ、ビールと食べたい物がいろいろ
ある。楽しみです。
   
   
   
 アスパラガスの皮の剥かれる街薄暑     茜
       

 マルクトに山盛り並ぶアスパラガス    孫茜
  (マルクト→市場の事)
     
  
夏の季語;薄暑、さくらんぼ 

2011年5月30日月曜日

滴る


      (望遠レンズで撮りました)
  丹沢山塊の登山道入口を1kmほど歩いた所で
谷を隔ててこんな風景に出会った。
岩登りの練習風景と言ってもいいのだろうか。
この岩登りを楽しんでいるようでもある。
   
よく見ると綱一本に全体重をあずけてよじ登り、
切り立って垂直に近い岩壁に、人間が挑戦している。
なんと無謀で逞しい人達だろう。
どうか無事で楽しんでくださいと願わずにはおれなかった。
   
   
   
 命綱かかる大岩滴れり        茜
 (いのちずなかかるおおいわしたたれり)
  
命綱張りし登攀岩灼ける       茜
 (いのちづなはりしとうはんいわやける) 
  
  
夏の季語;滴る、灼ける

2011年5月27日金曜日

田水張る


 ようやく田に水が入り始めた。
まだ全部の田には行き渡らないけれど
水の音が高くなった。
  
鴨の親子がさっそく遊び始めている。
この辺に住みついている鴨らしい。
田植えが済むと苗の間を泳ぎ回り、雑草を
食べてくれるでしょう。
     
一つの田んぼに向こうの山が映っていた。
この時期ならではの風景である。
   
   
   
 田水張り山の天辺映し出す       茜
 (たみずはりやまのてっぺんうつしだす)   
   
     
夏の季語;田水張る、代掻く

2011年5月25日水曜日

南風


 キーウイの花を初めて見ました。
雌雄異株と同株があるようですが、この花は
どちらでしょうか。
葉陰に咲くと黄色が灯るように見えました。
香りは柑橘系で爽やかです。
   
南の国からきたキーウイは、この時期の南風を
待っていたかのように咲き始めました。
   
      
  
 南吹くキーウイ棚の影混みて    茜
 (みなみふくきーういだなのかげこみて)
    
  
夏の季語;南風、南(みなみ)

2011年5月23日月曜日

アカシアの花


 ニセアカシアの花です。
この時期に目立つ白い花の中でも、緑の斜面に
丸い形で白く咲いているのは、多分ニセアカシアです。
 
真っ白といえない色がやさしく、かすかな香りが
漂ってきました。
この花はてんぷらにして食べられますが、
豆科の落葉高木、枝に棘があるこの木の
花を食べるというのも不思議な気がします。
   
ブログに載せるのも急がないと次々と種類の違う
樹木が花をつけます。忙しいー。
   
   
   
 楽しさや峰を真近に針槐      茜
 (たのしさやみねをまじかにはりえんじゅ)
  
     
夏の季語;アカシアの花、針槐(はりえんじゅ)

2011年5月20日金曜日

茅花流し(つばなながし)


 この土手の花を幾度撮ったでしょうか。
今は茅(ちがや)の花穂が銀色に光っている。
風が吹くと土手に這うようになびき
その度に銀色が眩しい。
この後、絮(わた)となって飛んでいくでしょう。
  
まだ蕾のころの花は噛んでみると少し甘いらしい。
昔の子供は食べていたようですね。
水が入る前の田んぼの上に雲雀(ひばり)が
高く揚がっていました。
揚雲雀という季語があるのに、近頃はちっとも詩心
が動かないので困っています。
(この土手に咲く花→つるぼ、彼岸花、仏の座、
   茅花、仙人草、すいば、野かんぞうetc)
   
  
茅花流し歩く速さの揃いくる    茜
 (つばなながしあるくはやさのそろいくる)
   

 茅花風ピンクに透ける猫の耳       茜  
   
   
夏の季語;茅花流し(この頃に吹く風のこと)
春の季語;茅花

2011年5月17日火曜日

烏賊(いか)


 「水烏賊」を夫が貰ってきた。
足まで入れると約1メートル。大きさに驚いた。
趣味で釣った烏賊で、崖を降りた岩場で釣るのだそうだ。
(正式名称 アオリイカ)
  
まず足を切り離し、両脇のえんぺらを切り取る。
腹の中には真っ黒な墨の袋10センチが2個
ワタを支えるように左右にあった。
透き通ったプラスチックのような中骨が舟の形をしている。
生きている時は身が水のように透き通っているので水烏賊というらしい。
  
白い身を削ぎ切りにして皿にならべると、豪華!
食べきれないのでご近所にも分け、残りは冷凍に。
ねっとりとして甘く柔らかい身でした。
   
   
  
    
 烏賊骨の俎板透かし残りけり    茜
 (いかぼねのまないたすかしのこりけり)
   
  
夏の季語;烏賊

2011年5月14日土曜日

水木


 水木の花があちこちに咲いている。
白く階段状に咲く花は、緑の濃くなっていく中で
とても目立っている。
粟粒ほどの小さな花が葉の上に固まって咲く。
   
この時期を待って一本の水木に会いに行く。
落葉高木の水木は、大きく羽根を広げるように
今年の枝を増やしているようだ。
土には蘂か花びらなのか、うっすらと積もっていた。
   
   
   
 風に乗り水木の翼花こぼす     茜
 (かぜにのりみずきのつばさはなこぼす)

花附いて枝漲らす水木かな     茜
 (はなついてえだみなぎらすみずきかな) 
   
  
夏の季語;水木

2011年5月11日水曜日

胡桃の花 (くるみのはな)


 鬼胡桃の花が咲いていた。
川に乗り出すように樹は立っている。
湿った土地、川の近くに生える事が多いという。
山から流れてきた水は此処へきて緩やかになっている。
実は房になっていたから、下がっている緑が花だろうか。
では、上の赤い花は雄花だろうか。
秋には胡桃が又収穫できると思うとうれしい。
(注:赤いのは雌花、下がっている緑は雄花だそうです)
   
     

   
 山水の鎮まる深み花胡桃      茜
(さんすいのしずまるふかみはなぐるみ)
  
 麦秋やがらんどうなる生家閉ず   茜
(ばくしゅうやがらんどうなるせいかとず)
  
   
   
夏の季語;花胡桃、青胡桃、麦秋

2011年5月8日日曜日

白鷺(しらさぎ)



 白鷺は音もたてずに首を伸ばしてじっとしていた。
最初私は鷺が何をしているのか解らなかった。
しばらくすると、
一瞬で小魚を咥えていた。
それを後ろの土手に叩きつけて飲み込んだ。
  
白鷺は何事もなかったように、池のふちをゆっくりと
歩いてきた。
私の目の前を一瞥もくれずに通り過ぎた。
金色の目に威圧されたかに、身動きできなかった。
   
   
  
 歩きくる鷺の目の色怖ろしき     茜
 (あるきくるさぎのめのいろおそろしき)
  
 白鷺の己が影刺す水鏡    茜
   
  
夏の季語;白鷺

2011年5月5日木曜日

くさふじ


雨あがりの道端に紫の花をみつけた。
「くさふじ」は、絡み合ってこんもりと群生していた。
実は数粒の豆果をつけるという。
  
黄砂(こうさ)が舞うこの季節に、わずかでも雨が
降ると有難いと思う。
やっと芽吹いた木々の葉、植えたばかりの花の苗、
どれもが、ピカピカの葉を保ちたいのだ。
そして、雨の匂いに燕もやってくる。
今年はどの家の軒先に来るだろうか。
   
  
 つちふるや家中にいて口渇く     茜
 (つちふるやいえなかにいてくちかわく) 
   
 燕来て家の内外掃き清む      茜
 (つばめきていえのうちそとはききよむ)
   
  
夏の季語;つちふる、黄砂、燕

2011年5月1日日曜日

山わさび


久しぶりに「山わさび」を掘り出してみた。
お肉に添えようと思い庭の片隅の、
新芽の下をスコップで掘った。
  
去年3cmほどの使い残しを埋めておいたが
一年の間に大きく育っていた。
英語ではホースラデッシュといい、おろし金で
おろして肉等へ添えるのである。
ツーンとくる山わさびは、ご飯に振り掛けても
新鮮である。
使い残しは、勿論また埋めて育てるのです。
  
      
  
 来し方を綺羅と残せり蝸牛     茜
 (こしかたをきらとのこせりかたつむり)
   
  
夏の季語;蝸牛(かたつむり)   

2011年4月28日木曜日

ホウチャクソウ(宝鐸草)


ホウチャクソウ(宝鐸草)です。
ユリ科の高さ30センチの多年草である。
お寺の軒先に下がっている風鐸〈鈴)に
似ている所からついた名だという。
   
我が家の庭にいつからか「ホウチャクソウ」が
咲くようになった。
3cm程の花は花弁の先が緑色で目立たないが
グラデーションが美しい。
野草なので、どこにでもあると思うけど
庭で咲くこの花を大切にしている。
   
   
  
花束のように抱えて蕗の束     茜
(はなたばのようにかかえてふきのたば)
  
  
  
夏の季語;蕗

2011年4月24日日曜日

陽炎(かげろう)


 吉野ヶ里は広大な面積を持った遺跡だった。
弥生時代の竪穴住居を中心に、「クニ」と呼ばれる
集落があった。
駆け足で巡った遺跡でしたが、当時の生活を垣間
見る気がした。  幾つかの村に分かれて、
神を司る場所、支配者の住まい、織物、養蚕、酒造
倉等、よく整備されていた。
田んぼが小さく区切られて田植えを待っていた。
  
中でも、素焼きの大きな甕棺が二つ合わさり、人体
の骨が横たわっていたのが印象的だった。
もう一度ゆっくり観たい遺跡でした。
写真は見張り用の物見櫓から撮りました。
   
   
   
   
 陽炎える甕棺赤き吉野ヶ里      茜
 (かげろえるかめかんあかきよしのがり)
  
   
 春の季語;陽炎

2011年4月19日火曜日

百千鳥(ももちどり)


 雑事も一段落して、お茶を頂いていると
いつもの鳥達のお出ましだ。
夏蜜柑を二つに切って台の上に置いておくと
さっそくやってきたのは「ヒヨドリ」だ。
今日のヒヨドリさんはきれいな色をしている。
いつもの黒い鳥相の悪い顔とは違う。

ヒヨドリにはいろいろな種類があるらしく、
色も様々という。
しかし、ヒヨドリだという自信もない。
しっぽの長さと羽根の形からそう思っている。
もし違っていたら教えてください。
ちなみに、口の周りの黄色は椿の蜜を吸った
時についた花粉かもしれません。
    
  
  
 生かされて今日の米研ぐ百千鳥    茜
 (いかされてきょうのこめとぐももちどり)

藪椿花粉まみれの鳥の嘴       茜
 (やぶつばきかふんまみれのとりのはし)
  
  
春の季語;百千鳥(いろいろな鳥のさえづる様)

2011年4月16日土曜日

風光る


 我が家へ帰ってみると、桜は散っていた。
約二週間前は、まだ硬い蕾だったのに。

途中で寄った宮島の厳島神社では、鳥居の間を
客を乗せた和船がくぐっていたが、30分もする
と潮が引いてしまい広い干潟が現れた。
人々は浜へ降り、大鳥居に近づこうと
砂上を歩き始めた。
  
牡蠣弁当がことの外美味しかった。
ふっくら焼けた熱々の牡蠣が8個も乗っていた。
  
  
  
 風光り潮間にくぐる大鳥居      茜
 (かぜひかりしおまにくぐるおおとりい)
   
春の季語;風光る

2011年4月1日金曜日

ぶらんこ


 大きな欅の間に綱を渡して作ったぶらんこに
女の子が揺れていた。(右から2番目の樹を見て)
父親が大きく押すと大きく揺れて、木の枝に
ひっかかりそうになりながら。
どうしてこんな所にと思ったのは、下は崖なのです。
若い父親は、自分も一緒に乗っているような気が
しているのかもしれません。
大きく揺れると、女の子はそのまま風に乗って
飛んでいくような気がしました。
  
  
  
 野の風となるまで揺らす半仙戯    茜
 (ののかぜとなるまでゆらすはんせんぎ)
  
    
  
春の季語;ぶらんこ、ふらここ、半仙戯(はんせんぎ)

2011年3月29日火曜日

啓蟄(けいちつ)


 どこへ歩いても春の草花がある。
土の中で待っている間に蓄えた力が
いっきに噴出している。
ハナニラは春一番に出る花だ。
この庭の持ち主も、こんなに自然に出る草花に
楽しいひと時を過ごすだろう。
花も子供達もうれしくなる季節である。  
  
  
 啓蟄やうれしくてただ押し合える    茜
 (けいちつやうれしくてただおしあえる)
  
  
春の季語;啓蟄

2011年3月25日金曜日

春炬燵


 水仙の蕾が樹の根元に抱えられるようにして出ていた。
いつからここに根付いたのだろう。
寒い冬にはこの根の下で冬眠し、暑い時には
木陰に守られるだろう。
そばに何かがあり、それに支えられて生きられれば
幸せというものだろう。
  
被災地の状況は日を追って本当の悲惨さを伝える。
毎日温かく過ごしている私に
慰めの言葉もみつからない。
   
  
  
 誰が為の涙あふれる春炬燵      茜
(たがためのなみだあふれるはるごたつ)
  
  
春の季語;春炬燵

2011年3月21日月曜日

草摘み、ホトケノザ


 川沿いの土手は、春が弾けていた。
田んぼの畦も「ホトケノザ」で埋め尽くされていた。
南風が暖かで日差しも心地よく、
この1週間の出来事は嘘のようにも思えた。
  
俳句を作るひとときだけでも心を遊ばせ、現実から
離れる事が出来るのです。
(仏の座は食べられないので春の七草には
 コオニタビラコを代用食にします)   
   
  
 草摘んで降りきし土手の遠くあり    茜
 (くさつんでおりきしどてのとおくあり)
  
 摘草や平らな川の土手高し       茜
 (つみくさやたいらなかわのどてたかし)
   
    
春の季語;摘草

2011年3月18日金曜日

がんばろう!日本


 津波で被災された方々の映像を観るにつけ
いたたまれなくなります。
悪夢のような映像、その中でも譲り合って
生活なさっている姿に心打たれます。
 原発の事故に対しても、必死で作業なさって
いるだろう、その方の家族をも思いどうか
早く無事で処理が済みますようにと祈る気持ちで
一杯です。一時の停電なんてなんでもありません。
協力できる事は何でもやります。
 
いつの時代も頑張ってきた日本!
がんばろう日本!
みんなで乗り切りましょう。
   
  

2011年3月16日水曜日

花菜


 停電が輪番制で行われている。
地震で発電所が幾つか動かなくなり、電気が足りないらしい。
その一つの原子力発電では、次々と事故が起こり
我々にはどの程度の規模のものかわからない。
この狭い日本列島で、どこへ避難すればいいのか。
ガソリンも売り切れ、逃げる手段もなくなっている。
地震、津波、原発の事故、これ以上の怖ろしい事が
あるだろうか。
  
昨夜はローソクと、懐中電灯にレジ袋をかぶせた
灯をぼんぼりに見立てて食をとった。
   
   
  
 蝋燭の灯に押されおり花菜和え    茜
 (ろーそくのひにおされおりはななあえ)
  
  
春の季語;花菜、菜の花

2011年3月12日土曜日

河津桜


 昨日の地震津波での被害、皆様の所は
いかがでしょうか。体が震えるほどの恐怖で
テレビ画面を観ました。
皆様のご無事をお祈り致します。
  
 河津桜は、いち早く咲き今が満開です。
ピンク色が鮮やかでまだ大木にはならなくても
りっぱに咲いていました。(松田町の河津桜)
   
   
  
 力抜くように抓んで鶯餅    茜
 (ちからぬくようにつまんでうぐいすもち)
   
   
春の季語;鶯餅

2011年3月9日水曜日

こごめいぬのふぐり


 「いぬふぐり」は瑠璃色だとおもっていた。
ところが、小石川植物園に白いいぬふぐりが
咲いていた。
日の当たるところ、木陰にも固まって咲いている。
この植物園は、野の草花が芝生の中に自然に
咲いているから面白い。
雑草として扱われていないのだ。
1ヶ月もしたら、クロッカスの野原になるだろう。
それらしい葉が芝生のいたるところに青々と出ていた。
   
   
 
 いぬふぐり案内図には記されず    茜
 (いぬふぐりあんないずにはしるされず)
  
  
春の季語;いぬのふぐり

2011年3月6日日曜日

囀り(さえずり)


 鳥は林檎をつつく時、林檎の中心へ
向かってつつくらしい。
幾度も同じところから攻めていくらしい。
そういえば、木に穴を開けるキツツキの種類も
木の芯に向かって、くちばしをたてるのだろう。
くちばしの長さはどれ位あるのだろうか。
夕方には林檎は下へ落とされてほとんど形は
残ってなかった。
囀りのたびに林檎に来たのではと気になった。
   
     
   
 囀りのはたと止みては身を固く    茜
  
    
春の季語;囀り

2011年3月3日木曜日

残雪


 今日の大山(おおやま)です。
今朝は庭に薄氷も張っていましたから、昨夜また
新しく降った雪かもしれません。
今年は一度降った後ずっと白さを保っています。
標高1250mの高さのこの山は、雪が積もったという
話を聞くとわざわざ眺めに出るくらいに
珍しいのです。
雨乞いの雨降山(あめふりやま)がなまって
阿夫利(あぶりやま)と呼ばれています。
麓には芽吹きも始まり、色づいた木々が見えます。
(望遠で撮りました)  
  
  
 残雪を守りとおして阿夫利山     茜
 (ざんせつをまもりとおしてあぶりやま)
  
  
春の季語;残雪

2011年2月28日月曜日

剪定(せんてい)


 街路樹は本来の枝を広げる事がほとんど無い。
何の為に植えたのかと疑問に思う。
狭い道路に電線が混みあっているから仕方ない
のだろうとは思うが、伐りかたに容赦ないのだ。
それなら、最初から低木にすればいいのに。
これでもかという位に伐るのだ。
夏、木陰を作りそうになると伐る。
葉が散る前に伐る。
伐られる為に伸びているようだ。
   
   
 剪定の済みし木肌に触れにけり    茜

剪定や年輪の渦濡れており      茜
 (せんていやねんりんのうずぬれており)
  
    
  
春の季語;剪定

2011年2月24日木曜日

山笑う


 流れ落ちる水は止む事はなかった。
どうして流れているのかその原理はわからない。
後ろの山からの水が湧き出しているのには
違いないと思う。

近づくと地面の下を流れるような別の水音が聞こえた。
手に掬うと、水道水くらいの温度である。
ついでに両手を洗った。
  
  
 
 溢れでる水また滲みて山笑う    茜
 (あふれでるみずまたしみてやまわらう)
  
  
春の季語;山笑う

2011年2月21日月曜日

芽吹く(めぶく)


 芽吹きはもうすぐである。
先の尖がったような形の芽は共通している。
それが少しづつ膨らんできているのだ。
色が付いてくるのはもうすぐなのです。
そうしたら
お茶とおにぎりを持って出掛けよう。
萌え出た草を踏んで、遠出をしてみよう。
  
  
  
カンバスを芽吹きたる樹に立てかけて  茜
    
   
春の季語;芽吹く、木の芽

2011年2月18日金曜日

紅梅


 昼間の月はいつ観ても白い。
太陽が沈む時、夕焼け色をバトンタッチしていくのだろうか。
辺りが暗くなってから黄色の月となるのだ。
  
紅梅は褪せることもなく咲いている。
白い月と良い対比でもある。
鮮やかな色を捧げるようにもみえた。
   
   
 昼の月紅梅彩を深めけり     茜
 (ひるのつきこうばいあやをふかめけり)
  
  

春の季語;梅、紅梅

2011年2月15日火曜日

風呂吹き、風呂吹き大根


 E家との食事会。
今回は得意の「ローストビーフ」を作った。
Eさんは、たっぷりの風呂吹き大根を作り、ほかに
新潟土産のにごり酒、烏賊の沖漬け等を持参して
くださった。
食べ物の趣味が合うと話も弾み、
温かい粕汁で最後を締めくくった。
   
 ローストビーフの作り方
  ・牛肉を綿糸で縛り、形を良くする。
  ・フライパンで、玉葱ニンジン等と焦げ目が
   つくまで全面を焼く。
  ・そのまま弱火で転がしながら40分、バター
   ニンニク塩胡椒を加え乾かないように転がす。
  ・肉をアルミハクで包み、冷めるまで置く。
  ・フライパンに残った屑野菜と肉汁にスープの素
   酒、砂糖を加えて「グレイビーソース」
   を作る。
  ・冷ました肉を切り、ソースを添える。
  
   
  
  
  風呂吹きを灯りのごとく真ん中に     茜
   (ふろふきをあかりのごとくまんなかに)
  
  
冬の季語;風呂吹き 
   

2011年2月12日土曜日

雪だるま


 昨夕から降り始めた雪はすぐに止んだようだ。
一面の雪景色とはならなかった。
それでも、近くの原っぱに行くと雪は積もっていて
靴で踏むと、キシッと鳴った。
雪を待っていた人は他にも居たらしく、「雪だるま」が作られていた。
ぽつんと一つ立っていた。
  
  
   
 初雪や踏み出す音の澄んでおり     茜
  
 雪だるま孤独というも消えるまで    茜
  
  
冬の季語;雪、雪だるま   

2011年2月10日木曜日

寒禽、耕し


耕しは始まっていた。
物寄峠という旧街道の石碑を見てしばらく歩くと
突然畑は広がっていた。
陽の差さない北斜面の畑は、長い冬の間じっと
春を待っているのだ。
返されて黒く湿った土は、寒さに触れさせて
害虫を駆除しているのだろう。
これから春に向けて何が蒔かれるのか楽しみに
していよう。

木々の芽吹きは確かではないけれど、うっすらと
紅を被っているように見えた。
   
   
   
 寒禽の緩まぬ速さ野へ出づる     茜
  (かんきんのゆるまぬはやさのへいづる)
  
  
冬の季語;寒禽   春の季語;耕し 

2011年2月7日月曜日

麦の芽


 麦の芽は健気だ。
麦踏みの後、いっそう強く伸びてくるのだそうだ。
近頃は麦踏みの光景を見なくなったけれど、どこか
では踏まれているだろう。
  
「青あおとした」という言い回しは、麦にこそ合って
いる。 青麦、麦青む、という季語があるからだろう。
これから、色づくまでの麦は風を遊んでいるかに見える。
  
   
 
 麦の芽のようやく揺らぐ高さあり     茜
           (ザ・俳句歳時記 収載)
  
  
冬の季語;麦の芽

2011年2月4日金曜日

鬼やらい


 (センダングサの実)
    
 鬼やらいは、もとは宮中で大晦日に行われていた
行事で盾と矛を持って鬼を追い払っていたようだ。
現代では各地の寺社の多くで、節分の夜に豆を撒
き鬼を追い払う儀式だけが行われるようになった
という。
  
鬼は、どこにでも居る。
日常生活の中にいるから恐ろしい。
一番恐ろしい鬼は、己れの中に潜んでいるのかも
しれない。
   
   
 
 鬼やらい内なる声をひたに聞き    茜
   
  
冬の季語;鬼やらい

2011年2月1日火曜日

春近し


 江ノ島からの夕焼けは特別だ。
吟行句会はお昼に始まり、夕日の沈むのを観るの
が恒例である。
遠くに富士山を望み、窓の下に波が寄せるのを観な
がら海の幸をいただき、選句に盛り上がる。
笑いの絶えない仲間の楽しいひとときである。
  
  
 春近し手をさし入れる潮溜まり    茜
  
 岩礁へ鳶もつれ落つ寒の明け       茜
  
 江ノ島へ渡る冬帽韓国語       茜
  
 空広き島の天辺冬木の芽       茜

 薄絹のような波寄せ春隣       茜
  
  
冬の季語;春近し、春隣、冬帽、冬木の芽

2011年1月28日金曜日

白息(しらいき)、息白し


 冬の富士山は荘厳なまでに白い。
御殿場から真近に迫る富士山を仰ぐと
なだらかに滑るような線が美しい。
しかし、遭難も起きるというこの冬山には
想像も出来ない険しさがあるのだろう。
   
  
  
 遅れきて白息もっとも豊かなり   茜
 (おくれきてしらいきもっともゆたかなり)
  
  
 息白く日陰る道をすれ違う     茜
 (いきしろくひかげるみちをすれちがう)
  
  
冬の季語;白息、息白し

2011年1月25日火曜日

熱燗(あつかん)


 大根を1センチ幅の拍子木切りにし、3日天日に
干して三杯酢に漬けた漬物です。
箸休めに丁度いい感じです。
  
短歌を作っている姉と会うと、すぐに互いの作品の
話です。讃えたりけなしたり、一緒に考える事も
しばしばです。
今日は短歌を作りました。
  
  
(短歌)  
熱燗に母似の姉と肩寄せて
   照らし合わせる記憶のページ    茜
  
肩寄せて母似の姉とぬくめ酒    茜
  
  
冬の季語;熱燗、 秋の季語;ぬくめ酒  

2011年1月22日土曜日

枯野


 セイタカアワダチソウ、この名を聞いただけで
くしゃみをしそうになる人もいるようだ。
一面の黄色の賑やかさは、とても分け入っては
行けなかった。
 今、枯れきって静かな色となっている。
白く晒されて、まるでモノクロ写真のようだ。
すっかり安堵の態に立っているようにみえた。
この枯れの中の方が私も居心地が良かった。 
  
  
 吹かれきし吾も一色大枯野    茜
 (ふかれきしわれもひといろおおかれの)
  
  
冬の季語;枯野

2011年1月19日水曜日

冬牡丹(ふゆぼたん)


 牡丹の花の大きさはどうだろう。
バランス的には、危うい程の頭でっかちである。
それを支える茎は、過酷な夏を過ごして
冬に咲かせる為の準備をしてきている。
木に近い様相と力強さを持っているようだ。
その御蔭で花は妖艶に咲いている事ができる。
  
  
  
 冬ぼたん無骨な茎を隠したる   茜
 (ふゆぼたんぶこつなくきをかくしたる)
  
  
冬の季語;冬牡丹

2011年1月15日土曜日

松過ぎ


 久しぶりにスパゲテイを作ろうとオリーブ油を
出すと、寒さでシャーベット状に澱んでいた。
にんにく、ベーコンをオリーブ油で炒めて
ほーれん草をたっぷりと。
昼飯の定番となったスパゲテイである。
  
  
  
 松過ぎの二人に戻るスパゲテイ    茜
  (まつすぎのふたりにもどるすぱげてい)
    
  
 松過ぎの泥葱古りて乾反りけり   茜
  (まつすぎのどろねぎふりてひぞりけり)
  
  
  
新年の季語;松過ぎ

2011年1月12日水曜日

霜の一句


 私の尊敬する倉橋羊村先生のご講義を受けた。
忘れられない言葉があるので記しておきます。

  霜掃きし箒しばらくして倒る  能村登四郎
  
  立てかけた箒がしばらくして倒れた事実だけを
  示している。原因をあえて中間省略している。
  見たままを単純に書いたと思い違いしてはなら
  ない。なるほど一見その事に酷似しているけれ
  ど、例えば
  「一」が初めから単純に「一」なのと、
  筆を削った結果の「一」とは同じではないのだ。 
   
この言葉から得るものは大きい。私はを写生する時
見たままを書き止めて終わってはいないか。
推敲の大切さを思った。自分は何を言いたいのかを
問うてみる。真髄に迫る句に少しでも近づきたいと
思う。
  
  
冬の季語;霜
  
  

2011年1月9日日曜日

ほうれん草


 ほうれん草が美味しい季節だ。
濃い緑が体のすみずみをきれいにしてくれそうだ。
写真は、去年の秋九月ごろ蒔かれて20cm程に
伸びたほうれん草である。
霜の当たった葉は強い色をしている。
根元は甘味が強いけれども子供達はそこを嫌う。
  
  
  
 ほうれん草紅い根元は母が食ぶ    茜
  (ほうれんそうあかいねもとはははがたぶ)
  
  
春の季語;ほうれん草  
  
  
 

2011年1月5日水曜日

冬田(ふゆた)


 冬の田んぼは何もない明るさだ。
稲の切り株が黄色に枯れて、
風が冷たい広々とした空間である。
数年前までは、冬田は耕やされて麦が
蒔かれていた。
今は春を待っているだけの田んぼになった。
右上の田には、どんど焼きの竹が組まれていた。
  
  
  
 雀来てすぐ飛ぶ冬田の明るさに   茜
 (すずめきてすぐとぶふゆたのあかるさに)
  
  
冬の季語;冬田

2011年1月1日土曜日

きんとん



 明けましておめでとう御座います。
 今年もよろしくお願いします。
  
 くちなしの実をつぶして色水を作りました。
先日は、孫達と端切れを染めて遊びましたが
「さつま芋の裏ごし」に入れてきんとんを
作りました。
生協で裏ごしの冷凍を買っていたので、砂糖を
加え色をつけるだけでした。
少しづつ色水をいれ煉る度に、黄色が鮮やかに
なります。
これ以上の黄色はない程までの黄色だった。
良いお正月を迎えられます。
  
  
  
 参道の冬青空へ続きけり    茜
  (さんどうのふゆあおぞらへつづきけり)
  
  
冬の季語;冬