2014年11月9日日曜日

銀杏飯

銀杏とさつまいものご飯、
蕪の葉のおひたし、
蕪ときゅうり、新生姜の浅漬け、
銀杏の翡翠色がよく撮れてないので少し残念。
右の小鉢は、祖母の家からもらってきたもので、
煮豆を盛るのに使っていたようだ。
この小鉢を出すと祖母一人で住んでいた農家の大きな家を思い出す。
上がり框が高く、幼い時はよじ登って上がっていた。
ピカピカの縁側の板、暗い家の中、何が入っているかわからない
大きな箱、囲炉裏の煙、百年以上経っているあの家に、今は従兄が
住んでいる。



 曾祖父の遺影欄間に文化の日      茜

(昨日はこのサイトの都合で見れなくなりました。ご心配をおかけしました)

2014年11月3日月曜日

秋の薔薇

久しぶりにお花を活けてみた。
大ぶりの食器に、たっぷり水を吸わせたスポンジをセットして

 林檎 3個
 薔薇 3種
 菊
 カーネーション
 ヒペリカム(赤い実)
 千日草
 ねこじゃらし
 アカザの実
 タマシダ
 ローズマリー

店で買った花と野の草を混ぜ四方から活けると、こんもりとした球形になった。
林檎(秋映え)の色に合わせて満足の色合わせとなった。



 子の家を見に行く朝秋の薔薇         茜




 
 

2014年10月30日木曜日

イヌタデ(赤まんま)

イヌタデはタデ科の一年草。
茎先に1~5センチの穂状の花を出し、紅色の小花をたくさんつける。
花弁は無く、花弁に見えるのは萼である。
イヌタデの名には「食べられない蓼」という意味合いがあり、
料理に使うのはヤナギタデで、別名をホンタデ、マタデなどというそうだ。
稲刈りの終わった土手や畔に群れて咲いている。



 赤まんま暮色明るき村に住む        茜




2014年10月25日土曜日

痰切り豆(タンキリマメ)

痰切り豆は、草地や林縁など日当たりのよいところに生える。
中の黒い豆を煎じて飲むと効能があるとされている。
これは、まだ弾けておらず黒い豆は出ていなかった。
弾けると、豆は莢の端にぶら下がり、鳥に食べられるのを待っているそうだ。
(近所にて)


東京根津美術館での吟行句
   
 秋光や鳥獣戯画の猿駈ける      茜

 鵙猛る牙の欠けたる石の象      々
 
 銅鏡の秋草模様しぐれけり       々   
  
 

2014年10月19日日曜日

秋蒔き


上; 丸いプランターには、チューリップの球根を植えている。
   表面に、忘れ名草の芽がでている。  
下; 忘れ名草、ペンステモンの新芽

 春に咲く花の多くは、秋蒔きにしてこそ良く咲くのである。
春、咲き終わった種をとっておき、
先日蒔いた「忘れ名草」「ペンステモン」がいっせいに芽を出した。
これから双葉が出て、それを間引いたり植えかえたりして大きくする。寒い冬を外で過ごし強くなっていくのだ。
赤いチューリップの間を、忘れ名草の水色が埋めるのを想像して
みてください。素敵でしょう。



 小ぬか雨秋の球根位置につく         あかね

2014年10月12日日曜日

檀(まゆみ)の実

 
 

檀の実は淡紅色からだんだんはっきりとした紅色になってきた。
自然の色はこんなにも美しいと改めて感じる。
この後、四方に割れて赤い種が出るのだ。

近所に除草剤を撒いている話があった。
草の害は、刈り取れば済む話だが、
化学薬品の害は、深く浸透していつしか我が身にも及んでくるのだ。
山からは猿が降りてくる季節になった。
どの家も柿が生り放題で、採る人手が足りないのか、もう口にあわない果物になったのか、それが目当てのようだ。
でも猿を追い払う話はあっても、駆除しようという話はない。




 山猿の来るよ弾けぬ檀の実         茜


2014年10月7日火曜日

溝蕎麦

溝蕎麦は、草はらの隅に目立つこともなく咲いている。
田んぼや用水路のそばで見かける花だ。
1センチ程の花は金平糖のようで可愛らしいが、茎には細かい棘がある。
葉が蕎麦に似ていることから、この名があるという。
これによく似て見間違う花に「ママコノシリヌグイ」がある。
棘が下向きについて尖っているので触れると痛い。
これでママコの尻をぬぐうとは何という酷い名前だろう。
似た花でもこうも名前が違うと哀れに見えてくる。



 野分立つ辞書めくる手のしめりかな     茜

愁思ふと草の名少しうそくさし         茜
 

2014年10月1日水曜日

岩魚



 10月から禁魚期に入るので、今年最後の渓流釣りだった。
車で少し山へ入ると、すぐに渓流の谷へ近づく。
通い慣れた細い山道を歩き、夫は一人で沢へ下りていく。
辺りは谷から聞こえる瀬の音が響くだけ、静かな山の中である。
私は、昼過ぎの少し斜めに射してくる太陽光を背に、
草や木の実の写真を撮っている。
釣り人が通りかかり、「釣れましたか」と聞く。
「いいえ、全然です」と答える。
釣れていてもそう答えるように夫からいわれているからだ。
今日も二人分の夕飯のおかずは捕れたようだ。



 

 
  沢釣りに薄の光り及ばざり          茜



2014年9月25日木曜日

稲の葉

 稲の黄金色には毎年見るたびに驚く。
一面の黄色が、稔った稲の重さを伝えている。
稲刈りの終えた田んぼに稲の束が投げ出されていた。
稲架(はざ)を組むまで、横たえて休ませているようだ。
半分は明日の仕事に回したのだろう。
稲の黄色に視線がいき、その下の葉にはあまり気をとめないが
その葉のいきいきとした青さにも驚くのだ。
太陽に干されて少しづつあの藁の色になっていくのだろう。



 稲の葉のまだ青あおと干されけり       茜

 
 掛けるまで横たえる稲まだ青し        茜





2014年9月19日金曜日

ホップのリース 


上:ホップのリース
下:ヒヨドリジョウゴのリース (いずれも我が庭で育てたもの)

東田直樹著 「自閉症の僕が跳びはねる理由」 という本をご紹介します。
彼は、重度の自閉症で人との会話ができない状態ですが、お母さんや先生の指導のもと懸命の努力で文字盤を使えるようになり、今はパソコンで気持ちを表現できるようになりました。
挫折の中でパソコンが使えるようになったのは、「人として生きていくためには自分の意思を人に伝える事がなにより大事とおもったから」と書いています。
この本では自閉症に対するあらゆる疑問に彼自身が答えています。
示唆に富み、やさしい彼の言葉は哲学的で、人は何の為に生きるのかを深く考えさせられます。
私達は見た目で判断している事のなんと多い事か、偏見や差別をしたくなくても、実際しているではないか。NHKのドキュメンタリーで彼を観た時は雷に打たれたような衝撃と感動でした。パソコンに打ち込んでいく彼の言葉に驚きました。
この本は13歳の時に書かれたもので、22歳の現在まで十数冊の著書があり、この本は世界20か国語に翻訳され、その世界を救ったと言われています。




2014年9月15日月曜日

蓮の実飛ぶ


 蓮の実は甘いと聞いているが、まだ生を食べたことはない。
池の蓮から直接採って、おやつにしたという話をどこかで聞いた。
きっとまだ青い実の時だろう。
この茶色に枯れた蓮の実が柔らかいとは思えない。
今年は花が咲くのが遅いと思っていたら、ザリガニが根を食べたらしいと傍に住んでいるおじいさんが教えてくれた。
しかし、いつ来ても静かでほとんど人と会うことがない。
バス通りに面しているのに、もったいない話だ。
おおかたの人の視線は街に向かっているようだ。



 蓮の実飛ぶひとりしあれば音のする       茜



2014年9月12日金曜日

合歓の木(ねむのき)


 山野草好きが高じて「合歓の木」を手に入れた。
30センチ程だった幼木も1メートル近くになった。
さやさやとした葉が、下から上へ一枚づつ殖えていって今10枚になっている。
朝、大きく葉を広げ、夜には一葉一葉が閉じてしまい
それぞれが一本の枝のようになる。
まるで割り箸が10本ぶら下がっているような姿になるのだ。
一番上右の黄緑の丸まった葉が新しく開こうとしている葉である。
毎朝葉を数え広がっていく葉の色を楽しんでいる。
下には眠り草を植えたが、葉がよく似ているものである。



 卵売る幟小さし鶏頭花       茜


2014年9月4日木曜日

鶏頭、 ミソハギ


鶏頭が、だんだん頭でっかちになってきた。
小さな種でいっぱいになっているのだ。
深紅の花はうつくしいのに、近頃は余り見なくなった。
というのも、お盆の頃必ず仏前に供える花に入っていたからで、現代の人には古くさく思えるのかもしれない。
うしろの紫色の「ミソハギ」もそうだ。
みそぎはぎ が語源らしく、禊の祓に使われる地方もあるという。
この辺りでは畑の片隅によく咲いている。
今年もお盆に切り花として供えただろう。



 鶏頭の種こぼしつつ膨らみぬ          茜


2014年8月31日日曜日

秋初め

秋風が立ち初めた。
何か忘れ物をしたような、戸惑うような心持だ。
大雨の後すっかり空気まで冷やしてくれ、
朝夕の涼しさに加えて、夜中も寒くて目が覚めるほどだ。
庭のトマトも枝先に青い実を残しているが、もう勢いはない。
グリーンカーテンを作っていたゴーヤの収穫もそろそろ終わり。
生ったままで黄色になり、柔らかくなった半分を落としている。
中の赤い種は、甘く赤い果皮に包まれている堅い種である。
ちょうど柿の種のように、そこだけが違う感触でツルッと剥けるのだ。
この赤と黄色、薄れていくグリーンのグラデーションを、
もう少し見ていたいと思う。



 足元の風の速さも秋初め      茜



2014年8月25日月曜日

ホップ

ホップは「西洋カラハナソウ」といわれている。
本物であれば、ビールの原料の一つで、苦味、香り、泡に重要であり、雑菌を抑えるのでビールの保存性を高めるという。
しかし、ここは北海道ではないので、ビールに使える物かどうかはわからない。
蔓が勢いよく伸び、葉も茎も細かい棘でざらざらしている。
花をとって、手で揉んでみたが、特別な香りはしなかった。
庭の片隅に咲いているが濃い緑が目立つだけだ。
アーチを作ると良い形になるだろう。



 カシカシと籠掻く夜の兜虫            茜


2014年8月19日火曜日

水掛け祭り

 

17日 東京 深川八幡祭り、通称「水掛け祭り」へ行ってきました。
          
報道によると、観衆30万人、担ぎ手2万5千人 の人出だったようです。
53基もの神輿が界隈を通ります。
神輿、観衆、水をかける人、一体となり湧きあがる歓声に
祭りだ! と久しぶりに心が躍りました。




 降る如く神輿にかかる清め水         茜

 水かぶり担ぎ手となる荒神輿         茜


2014年8月17日日曜日

苦瓜

和室の濡れ縁の前に植えた五株の苦瓜が、二階まで伸びて
グリーンカーテンになっている。
毎朝収穫しても、まだまだ生っている。
すぐに熟れて黄色になるから早く食べなくてはならない。
黄色く熟れてきたものは、薄く切ってサラダで食べる。
長く大きなものは、ざくざく切って炒めゴーヤチャンプルに。
肉と煮てもみた。
味覚も鈍ってきているからか、改良されているのか、あまり苦くも
感じない。
今日も食べて、この量を消化しなくてはならないのだ。



 蝉生(あ)れて日の触れぬ間のうすみどり      茜

  
 渾身の震えや蝉の生れにけり             茜


2014年8月12日火曜日

白南風(しろはえ)


 
夏休みの自由課題の相談を受けて、孫のショルダーバッグ作りの手伝いをする事になった。
夫の古いズボンの裾から25センチを切って袋状にし、
私の持っていたレースを縫い付け、
端切れで作った裏地で、リバーシブルにした。
ベルトは、レースが縫い込まれていたもので、これにぴったりの雰囲気。
彼女のデザインどおりのバッグがどうにか仕上がった。
二人とも好きなことには熱中するということを、
発見した幸せな一日だった。



 
白南風やはためくものを追うており          茜


2014年8月7日木曜日

炎天

(庭のミニトマト)

 熱中症の手前でとどまっているが、この暑さには参る。
猫や犬をみていると、じっと日陰に身体を伸ばしている。
あの形が、暑さを凌ぐのにいいのだろう。
涼しいところで体をあまり動かさずいるのが良いようだ。
とは言っても、
家居の者だから言えることであって、働く人には当てはまらない。
散歩の途中にある工場では、一年365日、金属を切る音や、削る音が響いている。
休み時間になると、人々が出て来て作業服の胸をはだけたりしているのを見かける。
相当な暑さだろう、御苦労さまですと思いながら通り過ぎる。



 
炎天にほてりを冷ます旋盤工        茜



2014年8月2日土曜日

茄子

茄子は野菜の中でも地味な方である。
トマトのような華やかさも、主張する味もない。
だが、水を弾いてつややかな紺の肌、
その張りに包まれた柔らかい中身は、
たっぷりと水を含んでいる。
きざんで塩で揉むと、しみでる水の量に驚く。
その分どんな味付けにもなじむのだ。
ひとたび調理すると、和風で三杯酢に、焼きナスに、煮物に、
炒めてイタリアンにもなり、りっぱな主役になるのだ。
夏の野菜として欠かせない茄子、
今日は焼こうか、蒸そうか、炒めようか、茄子は楽しい!



 
 長茄子の紺を鎧いてみずみずし        茜



2014年7月27日日曜日

空蝉(うつせみ)

蝉の抜け殻に、白い毛のようなものが立っている。
毎年見るたびに、これは何であるかを知りたかった。

蝉が脱皮するのは、全身であり、眼や脚はもちろん、
呼吸器の気管も脱皮する。
その呼吸器等の管の脱皮した物が白い糸状になっているのだ。
だから、殻を割ってみると中には約20本の白い糸が並んでいる。
あらゆる処からの管の痕なのだった。
やっと解ってうれしい。

ちいさな児が両手に蝉の殻をいくつも載せていた。
「一つちょうだい」と言うと、「あっちにあるよ」といって歩きだした。



 空蝉を捧げもつ児について行く        茜


2014年7月24日木曜日

花魁草(おいらんそう)

ピンクの背の高い花が花魁草。
左上の丸坊主が千日紅。
中心がインパチェンスの八重咲き。
左端が紅白のフクシャ。
玄関先に、赤系の花だけ寄せ植えにしてみた。
野にあるピンクのユウゲショウも中にそっと入れた。



折れそうにすっと高きは花魁草         茜


2014年7月20日日曜日

かみきり虫

「るりいろ」のそれは綺麗な虫だった。
長い触角に黒い星が並んでいる。
4センチほどの華奢な体つきだ。
胴体に糸をかけて、しばらく繋いでおいた。
「ルリボシカミキリ」をくぬぎ林で捕まえてきた孫。
去年まで逃げていたのに、逞しくなったものだ。
ちなみに糸をかけたのは誰あろう、この私しかいないのだ。
つかむとキーキーと鳴いた。


 かみきりの何に抗いキーと鳴く        茜


2014年7月16日水曜日

ノシメトンボ

  
夏らしく草花の生い茂った庭になった。
秋海棠(しゅうかいどう)の大きな葉が重なり合っている。
その上にいた「ノシメトンボ」は、あちらこちらと飛び回る。
色の少し変わったもう一匹といたから、つがいだろう。
この狭い庭を見つけてトンボや蝶がきてくれるのは喜びだ。

ノシメというと 熨斗目 と書く能の小袖を思い出すが
このトンボの名前の由来も、そこから来たのだろうか。



 庭は今熨斗目とんぼの初舞台        茜


2014年7月13日日曜日

李(すもも)

食卓に変化を彩どりをと、主婦は考えている。
すももの美味しい食べ方を聞いたら、すぐに試さずにはいられない。
簡単に作れると聞いたら尚更だ。

  すもものコンポート(砂糖煮)の作り方
  すもも10個位と砂糖1Cを炊飯器に入れ、保温にして一晩。

こんな簡単な方法で、柔らかいコンポートに。
たっぷり滲み出た赤い煮汁は、甘いので炭酸で割ってジュースにできる。
少し艶やかさは失せたが、甘いデザートとして
しばらくは楽しめそうだ。



 荒梅雨の仁王の舌の赤さかな        茜

2014年7月8日火曜日

ナワシロイチゴ、ヘビイチゴ



上・ ナワシロイチゴ、苗代の時期に熟れるからだという。
下・ ヘビイチゴ、蛇が出そうな処にあるからという。
諸説はあるようだが、私には区別は難しい。
どちらにも毒は無いが美味しいものでもない。
ナワシロイチゴは砂糖を加えてジャムにするとよいらしい。
ヘビイチゴは、名前のせいで見ただけで逃げまーす。


(短歌)
木苺を一つだけでも食べたなら
            きっと貴方は変わると思う   茜

2014年7月2日水曜日

少年の夏


近くの小鮎川に、鮎が大群で上って来ていたという話を
聞いたことがある。
少年が青芦の中に網を差し込んでいた。
まさか鮎がいるのだろうか、何かの小魚かコエビが
いるかもしれない。
ドキドキしているだろう。
次の瞬間をスッと想像するだろう。
さあ!!   
どうかな!



 空広く少年声を嗄らす夏          茜

 少年の声青葦の水揺らす         々



2014年6月27日金曜日

夏椿


夏椿は沙羅の木の花の別名でもある。
五弁花で、朝に咲き夕べには落ちる一日花だ。
明るい葉の中に、さらに明るい白い花は
いかにも爽やかである。
樹皮の赤褐色も美しく、薄く剥がれる。
剥がれる季節はさて何時だっただろうか。



 見ていると次第に大きく夏椿        茜


2014年6月23日月曜日

岩煙草

雨の北鎌倉行きとなった。
名月院の紫陽花は人波に隠れてしまうほど。
総勢7名のグループは、東慶寺の方へ歩くことにした。
露座仏の後ろの崖は「岩煙草」が満開、
半夏生も花菖蒲もほたるぶくろも雨に濡れそぼっていた。
約2時間吟行のあと句会となった。


 
岩煙草濡れおり谷戸の尼の墓

尼寺のほたるぶくろに灯を入れよ

谷戸深く青梅落ちる音したり

紫陽花を見る人波を抜けてより文士の墓の並ぶ寺奥


2014年6月20日金曜日

木苺


 林の近く、道端によく見かける木苺である。
食べると甘酸っぱく、でもすぐに忘れてしまう味。
たくさんは無いので、せいぜい1,2個摘む程度だ。
連れに一つすすめても、「結構です」と断られる。
彼は道端の木の実、あるいは虫がついているかもしれぬ物は
断じて口にしないのだ。
それなら、農薬のかかっている量産品の苺なら旨いのか。
そんな筈はないでしょう。
一度は食べてごらんなさいよ。



 会える日の近し木苺摘み溜めて        あかね


2014年6月17日火曜日

余り苗

余り苗は置かれているだけで、植えられている訳ではない。
田植え機に据える形に、四角の箱でまとめて育てられたのだ。
運よく植えられた早苗は、晴ばれと田水に姿を映している。
しばらくは、補充する為に置かれている余り苗も
早苗が大きく育っていくと、無用になるのだ。
決して実をつける稲に育つことは無いのである。
あわれ!余り苗。



 青々とそよいでおりぬ余り苗        茜



2014年6月15日日曜日

雪の下


 雪の下は、湿った処に咲くようだ。
この北の斜面は、誰も手を入れないので伸び伸びと繁茂している。
お寺へ散歩に行くのに、旧道と呼ばれるこの細い道を通る。
こんな古い道で、好きな山野草を見つけるとうれしい。
木苺、松風草、へび苺(好きではないけど)もあった。
雪の下は、食べられる草でもあるらしい。



 旧道の山風が好き雪の下         茜



2014年6月13日金曜日

桑の実


近所を歩いていると、道路が黒くなっている処がある。
桑の実が落ち潰れたり踏まれたりで、
黒く染まっているのだ。
仰ぐと、高い桑の木があることに気づく。
昔、生糸をとるため蚕の餌の桑畑があったという。
その丘に私達の町ができたらしい。
あちこちに見る桑の木に歴史を感じるのである。



 この町の桑の実熟れて住み慣れし     茜



2014年6月10日火曜日

どくだみ


庭のあちこちに咲いているどくだみ。
雑草と言うなかれ、白い十字の花は可憐でさえある。
紫陽花も伐って一緒に活けてみた。
伐ったばかりの葉の色は強さを感じさせる。
翌朝、少し体裁を整えて撮ってみたが、
それではどくだみの奔放な強さは失せてしまう。
やはり最初のこの一枚の方が良かった。



 どくだみの花奔放なまま活けし       あかね



2014年6月7日土曜日

竹の皮脱ぐ


筍がどれくらい大きくなったら竹と呼ばれるだろうか。
獣のような毛が密集した皮を脱いでいくのも
ある丈になってからだろう。
中央右の一本はまだ脱ぐ気配はないようだが、
左はもう少しで脱ぎ終わろうとしている。
太さも充分の竹だ。
ともあれ、脱ぎ棄てて一本の竹になる時なのだ。



 竹の皮脱ぐなりふりを言えぬ刻        茜


2014年6月4日水曜日

朴の花


下の集落からバス停への近道が、
林の中へひょろひょろと出来ていた。
わずか30メートルほどだが、日も通さないような
密集した雑木林だ。
赤い木苺をみつけ、水色のタツナミソウをみながら、
爽やかな風にふと顔を揚げると
朴の花が一つ高い処に見えた。
今年初めての朴の花である。
(望遠レンズで撮りました)



 朴の花一つ風来るほうに見し         あかね



2014年5月30日金曜日

更衣、 キキョウソウ

キキョウソウは、花の大きさ1センチ、丈20センチ、道端の草花である。
気に留める人は少ないだろう。

先日、孫がTシャツ姿で遊びに来た。
その時の私は、薄手のセーター下着も長袖、だった。
ちょっと肌寒い朝だったから用心したのだ。
ところが、世間は夏の気温に合わせて半袖になっている。
少し前まで、「老人は夏でも寒いと言う。年をとると
皮膚感覚も違うものだなあ。」と思っていた。
そう!私はまぎれもない「老人」になっていたのである。
仕方ないよ。66歳。そんな年になりました。




衣更えて心もとなき首筋よ        茜


2014年5月28日水曜日

ジューンベリー

(イングリッシュ ガーデンにて)

今年2月 「ジューンベリー」という木を購入した。
小さな枯れ木のような幼木だった。
五月になって、緑の葉をつけいきいきとしてきているが、
今年の花は無理だろう。

先日、イングリッシュガーデンで実物を観ることができた。
紅い実をつけ葉も張りがあって丈夫そうである。
甘くて、生でもジャムにしてもいけるそうだ。
来年が楽しみだなあ。
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 雨ながら木の葉明るき鳥の恋       茜




2014年5月24日土曜日

青嵐


 風が吹き荒れた日、木々の間から白い光が見えた。
下の村の田んぼに水が張られたのだろう。
葉裏を返し波打つように木々がうねる。
さながら山が動くようでもある。
冬の間は、落葉樹がほとんどのこの林も向こうの森も
葉が落ちてしまい、この村のずっと奥まで見渡せたのだ。
少し高い丘に登ると、はるか相模湾の眩しさの中に
江の島が青く見えた。




 潮騒の紛れていたり青嵐           茜






2014年5月21日水曜日

若楓


楓の花が今は実となっている。
タケトンボのようなプロペラとなって散っていくのだ。
この楓は、最初から赤い葉色の種類で、秋の紅葉もさらに見事だ。
薔薇や園芸種の花が盛りと咲いているが、
こんな木の花も素敵だ。
木も草花もみんな懸命に生きているのだなと時々おもう。




 若楓影に引き寄す木のベンチ        あかね



2014年5月15日木曜日

芽吹き


銀杏の大樹がやっと芽吹きだした。
若木はとっくに葉を繁らせているけれど。
毎年秋には、これでもかという程伐られているから強い木である。

若田さんが宇宙から帰還して、
「地球は掛け替えのない古里だと思う」と述べられた。
ロシアで殺し合いが行われている事をどう思われるだろうか。

遠藤が鶴竜を相手に金星を揚げて
「恩返し」をしたという。
稽古をつけてくれた鶴竜に、成長している姿をみせることが出来てうれしいと言ったそうだ。
そういう恩返しもあるのだ。




 伐られては芽吹き返して大銀杏      茜



2014年5月11日日曜日

夏蓬



蓬が丈を伸ばして色濃くなっている。
柔らかい先端の方だけ摘み取ってきた。
重層を少々入れて煮こぼし、すり鉢で叩くようにして摺る。
それを パンケーキに混ぜて焼いた。
薄緑のパンケーキ、ほのかに蓬の匂いがした。



 夏蓬学校帰りの児の匂い       茜


2014年5月7日水曜日

黄藤 (キングサリ)


今年の大雪で心配していましたが無事に咲きました。
長さ30センチほどの花房がいくつも垂れて
仰ぐと幸せ感一杯になります。
外国の庭園写真には欠かせない「キングサリのアーチ」、
我が狭庭にも少し取り入れてみました。
程良き風が巡ってきます。



 

 いきいきと風の輝く黄藤かな       茜




2014年5月4日日曜日

木香薔薇(もっこうばら)


木香薔薇には黄色と白がある。
はっきりとした黄色はよく目にするが、この白い木香薔薇は
香りも良いのにあまり見かけない。
すがすがしい薄い花びらが愛らしいのに、小さな2センチほどの花は
あまり目立たないようである。
宮家の「おしるし」というのに選ばれて、一躍知られるように
なったのではないだろうか。
ちなみに、美智子妃のお印は「白樺」
雅子妃は「はまなす」、「木香薔薇」は秋篠宮家真子様の
お印ということである。





 御印とや俄かに香る木香薔薇         茜