2011年2月18日金曜日

紅梅


 昼間の月はいつ観ても白い。
太陽が沈む時、夕焼け色をバトンタッチしていくのだろうか。
辺りが暗くなってから黄色の月となるのだ。
  
紅梅は褪せることもなく咲いている。
白い月と良い対比でもある。
鮮やかな色を捧げるようにもみえた。
   
   
 昼の月紅梅彩を深めけり     茜
 (ひるのつきこうばいあやをふかめけり)
  
  

春の季語;梅、紅梅

2011年2月15日火曜日

風呂吹き、風呂吹き大根


 E家との食事会。
今回は得意の「ローストビーフ」を作った。
Eさんは、たっぷりの風呂吹き大根を作り、ほかに
新潟土産のにごり酒、烏賊の沖漬け等を持参して
くださった。
食べ物の趣味が合うと話も弾み、
温かい粕汁で最後を締めくくった。
   
 ローストビーフの作り方
  ・牛肉を綿糸で縛り、形を良くする。
  ・フライパンで、玉葱ニンジン等と焦げ目が
   つくまで全面を焼く。
  ・そのまま弱火で転がしながら40分、バター
   ニンニク塩胡椒を加え乾かないように転がす。
  ・肉をアルミハクで包み、冷めるまで置く。
  ・フライパンに残った屑野菜と肉汁にスープの素
   酒、砂糖を加えて「グレイビーソース」
   を作る。
  ・冷ました肉を切り、ソースを添える。
  
   
  
  
  風呂吹きを灯りのごとく真ん中に     茜
   (ふろふきをあかりのごとくまんなかに)
  
  
冬の季語;風呂吹き 
   

2011年2月12日土曜日

雪だるま


 昨夕から降り始めた雪はすぐに止んだようだ。
一面の雪景色とはならなかった。
それでも、近くの原っぱに行くと雪は積もっていて
靴で踏むと、キシッと鳴った。
雪を待っていた人は他にも居たらしく、「雪だるま」が作られていた。
ぽつんと一つ立っていた。
  
  
   
 初雪や踏み出す音の澄んでおり     茜
  
 雪だるま孤独というも消えるまで    茜
  
  
冬の季語;雪、雪だるま   

2011年2月10日木曜日

寒禽、耕し


耕しは始まっていた。
物寄峠という旧街道の石碑を見てしばらく歩くと
突然畑は広がっていた。
陽の差さない北斜面の畑は、長い冬の間じっと
春を待っているのだ。
返されて黒く湿った土は、寒さに触れさせて
害虫を駆除しているのだろう。
これから春に向けて何が蒔かれるのか楽しみに
していよう。

木々の芽吹きは確かではないけれど、うっすらと
紅を被っているように見えた。
   
   
   
 寒禽の緩まぬ速さ野へ出づる     茜
  (かんきんのゆるまぬはやさのへいづる)
  
  
冬の季語;寒禽   春の季語;耕し 

2011年2月7日月曜日

麦の芽


 麦の芽は健気だ。
麦踏みの後、いっそう強く伸びてくるのだそうだ。
近頃は麦踏みの光景を見なくなったけれど、どこか
では踏まれているだろう。
  
「青あおとした」という言い回しは、麦にこそ合って
いる。 青麦、麦青む、という季語があるからだろう。
これから、色づくまでの麦は風を遊んでいるかに見える。
  
   
 
 麦の芽のようやく揺らぐ高さあり     茜
           (ザ・俳句歳時記 収載)
  
  
冬の季語;麦の芽

2011年2月4日金曜日

鬼やらい


 (センダングサの実)
    
 鬼やらいは、もとは宮中で大晦日に行われていた
行事で盾と矛を持って鬼を追い払っていたようだ。
現代では各地の寺社の多くで、節分の夜に豆を撒
き鬼を追い払う儀式だけが行われるようになった
という。
  
鬼は、どこにでも居る。
日常生活の中にいるから恐ろしい。
一番恐ろしい鬼は、己れの中に潜んでいるのかも
しれない。
   
   
 
 鬼やらい内なる声をひたに聞き    茜
   
  
冬の季語;鬼やらい

2011年2月1日火曜日

春近し


 江ノ島からの夕焼けは特別だ。
吟行句会はお昼に始まり、夕日の沈むのを観るの
が恒例である。
遠くに富士山を望み、窓の下に波が寄せるのを観な
がら海の幸をいただき、選句に盛り上がる。
笑いの絶えない仲間の楽しいひとときである。
  
  
 春近し手をさし入れる潮溜まり    茜
  
 岩礁へ鳶もつれ落つ寒の明け       茜
  
 江ノ島へ渡る冬帽韓国語       茜
  
 空広き島の天辺冬木の芽       茜

 薄絹のような波寄せ春隣       茜
  
  
冬の季語;春近し、春隣、冬帽、冬木の芽

2011年1月28日金曜日

白息(しらいき)、息白し


 冬の富士山は荘厳なまでに白い。
御殿場から真近に迫る富士山を仰ぐと
なだらかに滑るような線が美しい。
しかし、遭難も起きるというこの冬山には
想像も出来ない険しさがあるのだろう。
   
  
  
 遅れきて白息もっとも豊かなり   茜
 (おくれきてしらいきもっともゆたかなり)
  
  
 息白く日陰る道をすれ違う     茜
 (いきしろくひかげるみちをすれちがう)
  
  
冬の季語;白息、息白し

2011年1月25日火曜日

熱燗(あつかん)


 大根を1センチ幅の拍子木切りにし、3日天日に
干して三杯酢に漬けた漬物です。
箸休めに丁度いい感じです。
  
短歌を作っている姉と会うと、すぐに互いの作品の
話です。讃えたりけなしたり、一緒に考える事も
しばしばです。
今日は短歌を作りました。
  
  
(短歌)  
熱燗に母似の姉と肩寄せて
   照らし合わせる記憶のページ    茜
  
肩寄せて母似の姉とぬくめ酒    茜
  
  
冬の季語;熱燗、 秋の季語;ぬくめ酒  

2011年1月22日土曜日

枯野


 セイタカアワダチソウ、この名を聞いただけで
くしゃみをしそうになる人もいるようだ。
一面の黄色の賑やかさは、とても分け入っては
行けなかった。
 今、枯れきって静かな色となっている。
白く晒されて、まるでモノクロ写真のようだ。
すっかり安堵の態に立っているようにみえた。
この枯れの中の方が私も居心地が良かった。 
  
  
 吹かれきし吾も一色大枯野    茜
 (ふかれきしわれもひといろおおかれの)
  
  
冬の季語;枯野

2011年1月19日水曜日

冬牡丹(ふゆぼたん)


 牡丹の花の大きさはどうだろう。
バランス的には、危うい程の頭でっかちである。
それを支える茎は、過酷な夏を過ごして
冬に咲かせる為の準備をしてきている。
木に近い様相と力強さを持っているようだ。
その御蔭で花は妖艶に咲いている事ができる。
  
  
  
 冬ぼたん無骨な茎を隠したる   茜
 (ふゆぼたんぶこつなくきをかくしたる)
  
  
冬の季語;冬牡丹

2011年1月15日土曜日

松過ぎ


 久しぶりにスパゲテイを作ろうとオリーブ油を
出すと、寒さでシャーベット状に澱んでいた。
にんにく、ベーコンをオリーブ油で炒めて
ほーれん草をたっぷりと。
昼飯の定番となったスパゲテイである。
  
  
  
 松過ぎの二人に戻るスパゲテイ    茜
  (まつすぎのふたりにもどるすぱげてい)
    
  
 松過ぎの泥葱古りて乾反りけり   茜
  (まつすぎのどろねぎふりてひぞりけり)
  
  
  
新年の季語;松過ぎ

2011年1月12日水曜日

霜の一句


 私の尊敬する倉橋羊村先生のご講義を受けた。
忘れられない言葉があるので記しておきます。

  霜掃きし箒しばらくして倒る  能村登四郎
  
  立てかけた箒がしばらくして倒れた事実だけを
  示している。原因をあえて中間省略している。
  見たままを単純に書いたと思い違いしてはなら
  ない。なるほど一見その事に酷似しているけれ
  ど、例えば
  「一」が初めから単純に「一」なのと、
  筆を削った結果の「一」とは同じではないのだ。 
   
この言葉から得るものは大きい。私はを写生する時
見たままを書き止めて終わってはいないか。
推敲の大切さを思った。自分は何を言いたいのかを
問うてみる。真髄に迫る句に少しでも近づきたいと
思う。
  
  
冬の季語;霜
  
  

2011年1月9日日曜日

ほうれん草


 ほうれん草が美味しい季節だ。
濃い緑が体のすみずみをきれいにしてくれそうだ。
写真は、去年の秋九月ごろ蒔かれて20cm程に
伸びたほうれん草である。
霜の当たった葉は強い色をしている。
根元は甘味が強いけれども子供達はそこを嫌う。
  
  
  
 ほうれん草紅い根元は母が食ぶ    茜
  (ほうれんそうあかいねもとはははがたぶ)
  
  
春の季語;ほうれん草  
  
  
 

2011年1月5日水曜日

冬田(ふゆた)


 冬の田んぼは何もない明るさだ。
稲の切り株が黄色に枯れて、
風が冷たい広々とした空間である。
数年前までは、冬田は耕やされて麦が
蒔かれていた。
今は春を待っているだけの田んぼになった。
右上の田には、どんど焼きの竹が組まれていた。
  
  
  
 雀来てすぐ飛ぶ冬田の明るさに   茜
 (すずめきてすぐとぶふゆたのあかるさに)
  
  
冬の季語;冬田

2011年1月1日土曜日

きんとん



 明けましておめでとう御座います。
 今年もよろしくお願いします。
  
 くちなしの実をつぶして色水を作りました。
先日は、孫達と端切れを染めて遊びましたが
「さつま芋の裏ごし」に入れてきんとんを
作りました。
生協で裏ごしの冷凍を買っていたので、砂糖を
加え色をつけるだけでした。
少しづつ色水をいれ煉る度に、黄色が鮮やかに
なります。
これ以上の黄色はない程までの黄色だった。
良いお正月を迎えられます。
  
  
  
 参道の冬青空へ続きけり    茜
  (さんどうのふゆあおぞらへつづきけり)
  
  
冬の季語;冬
 

2010年12月29日水曜日

カリフオルニアでの事 短歌


    (写真はクリックすると大きく見えます)
 掃除をしていたら、30年前の茶色になった朝日新聞が出てきた。
アメリカに居た時、一日遅れで届く新聞が
楽しみでした。
その頃、何度か朝日新聞の短歌の欄に投稿し載った事があり、
その時の新聞でした。
記録として載せておきたいと思います。
写真は父母へ宛てた手紙の一部です。
  
 
 (近藤芳美選) 
 燃え移る暖炉を覗きああ地球の
     はじまりみたいと児は驚喜す   茜

 (前川佐美雄選) 
 メールマン来たり便りの束振りて
     アプリコットの枝押し上げつ   茜
 
(近藤芳美選) 
 我がつけし「嵐が丘」の名の丘に
     夕さればユーカリ撓り吹かるる  茜

 ( 々 )
「原爆記念日ですね」と話しかく
     白人に会いし八月六日      茜
  
  

牡蠣(かき)


 牡蠣が届きました。
ごつごつとした生牡蠣です。私の日常では
めったにお目にかからない物です。
  
広島の友人が送ってくれました。
彼女とは40年来のお付き合いです。
二十歳の頃の飾り気のない青春を共に過ごした仲なのです。
お互いに孫を持つ身になっても、あの頃と
変わらない雰囲気を保っています。
  
  
  
 牡蠣殻の潮こぼせる光かな    茜
 (かきがらのうしおこぼせるひかりかな)

嫁してより一度も会わず賀状書く  茜
 (かしてよりいちどもあわずがじょうかく)
  
  
冬の季語;牡蠣、賀状

2010年12月25日土曜日

聖樹(せいじゅ)


 子供達は外へ出て花を摘んできました。
3段に高く作り上げたケーキに、飾りたかった
のです。
苺を飾り、生クリームを付け、金銀の甘い珠
をふりかけ、チョコレートの粉をふりかけ、
白い砂糖の粉をふりかけ、それでも尚飾りたい
ようでした。
一口食べると、おばあさんは心から言いました。
「こんな美味しいケーキは初めてよ!」
  おしまい。
  
   
 飾るたび聖樹小さくなりにけり  茜   
  
 子等遠く聖樹の裏の壁の傷    茜
  (こらとおくせいじゅのうらのかべのきず)
  
冬の季語;聖樹、クリスマス

2010年12月22日水曜日

落葉


       (写真はくぬぎ林です)
 フィトンチッドという言葉がある。
ある木の前を通りすぎる時、なんとも言えない
杉系の良い香りがした。
踏んでいる落ち葉は、柔らかい感触がした。
見上げる高い樹は何という樹だろうと気になった。
調べると「メタセコイア」。
曙杉とも言い原産は中国らしい。
オレンジがかった色の落葉だった。
少し集めて拾って持ち帰り、家の中に置くと
暖房の熱でほのかな香りがたった。
森の中にいるような「フィトンチッド」
を体験するような感じを楽しんだ。
   
   
  
 歓声の子と踏む落葉匂いたつ  茜
(かんせいのことふむおちばにおいたつ)
  
冬の季語;落葉

2010年12月18日土曜日

蒲団干し(ふとんほし)


 くつしたの刺繍は、約30年前アメリカで息子達に作ったものです。
今もクリスマスの時に出して飾ります。
夫のアメリカへの赴任に伴い5年を過ごしました。
見るもの全てが、映画、テレビで観た風景そのまま
でしたから驚きの連続でした。
英語を勉強し直し、高速道路の網の目のような
インターチェンジの上り下りを練習し、
子供を現地の学校、日本語補習校へと送り迎え、
料理を習い、ご近所とのお付き合いと
毎日が大忙しの日々でした。
今思えば、あれが精一杯だっただろうと
若かった自分を労いたい気持ちです。
  
明日はドイツから孫達が帰国します。
  
  
  
 帰りくる増えし家族の蒲団干す  茜
 (かえりくるふえしかぞくのふとんほし)
  
    
冬の季語;蒲団、蒲団干し

2010年12月15日水曜日

寒林(かんりん)


 夕映えは、つかの間の華やぎだ。
大山はもう黒々としてきた。
標高1250mの6合目あたりの寒林である。
山の端にすっかり葉の落ちた樹々が見える。
その向こうには何が見えるのだろうか。
次ぎに振り向いた時には茜色はなかった。
        (望遠で撮りました)
  
  
  
 寒林の向こうの夕日闇連れて    茜
  (かんりんのむこうのゆうひやみつれて)
  
 
  
冬の季語;寒林

2010年12月11日土曜日

冬木立(ふゆこだち)


 玄米を水に浸した。
日向水くらいの温度にして一日置くと
「発芽玄米」となる。
米の先に見えない程のわずかな突起物が
できる。それが発芽した証拠だ。
窓から差し込む陽は冬木の影を揺らした。
  
時どき食べたくなる玄米食。
白米に混ぜて炊いても良いし、玄米だけに
する事もある。発芽した玄米は白米と同じ
位に柔らかい。
香ばしく噛み締める味がいいのである。
  
  
 玄米を浸す水に揺れ冬木立     茜
 (げんまいをかすみずにゆれふゆこだち)

 生きるとは削ぎ落としゆく冬木立  茜
  
冬の季語;冬木立

2010年12月8日水曜日

冬灯(ふゆともし)


   (写真は変わりました)
 ドガの踊り子をイメージして作った「ポーセレンレースドール」です。(白磁製人形)
白磁のゆるい粘土を、綿レースに沁みこませ服を
着せるようにして一段づつ形成していきます。
顔手足は型どりして、好みの形に作り
1200度の電気炉で焼きあげます。
教室を開き個展もしましたが、糸の一本づつに神経を巡らせ粘土が均一に付くように筆で載せていく作業はもう今は出来なくなりました。   
永遠に色褪せもなく少女のままの人形、疲れも見せ
ずガラス戸の中に座っています。
   
    
  
人形に描く眼差し冬灯        茜
  (にんぎょうにえがくまなざしふゆともし)

  
冬の季語; 冬灯、冬ともし
  
(PCのクリーンアップ)
スタート→すべてのプログラム→アクセサリ→
システムツール→デイスククリーンアップ

2010年12月4日土曜日

鬼胡桃(オニグルミ)


 夏 青い胡桃をつけていた樹に会いに行くと
葉も実もすっかり落ちて、裸木となっていた。
小川へ半分倒れるように傾いで立っていた。
  
実は、樹の下の枯葉に隠れるようにして
散らばっていた。
果肉に包まれたまま、黒く朽ちている。
鬼胡桃は、種が落ちてくる種類とは違い、
果肉も一緒に落ち朽ちるようだ。
この樹の持ち主もわからず、私は山の神さまに
許しを請うて拾った。
  
写真は黒い小さな方が鬼胡桃です。
きれいに洗って干しています。
  
  
 鬼胡桃広げし紙も乾きゆく    茜
  (おにぐるみひろげしかみもかわきゆく)
  
秋の季語; 胡桃、鬼胡桃

2010年12月1日水曜日

ヒヨドリジョウゴの実


「宝石みたい!」と友人は称していた。
ヒヨドリジョウゴの艶やかな珠は本当に
そう形容したかった。
  
蔓性で、葉は朝顔に似ている。
ハート形の葉は山芋の葉です。
この実には、毒があるのを知っていたから
口にはしなかった。さすがに・・

里山が近いとはいえ、この赤い実は
マクドナルドの裏手で見つけたもの。
ちょっと脇道に入ると、昔の街道そのままに
一間幅の道がある。
鳥の眼になって歩いてみるのも面白いと思う。
  
  
 
 赤き実に道を逸れきし小春かな    茜
  (あかきみにみちをそれきしこはるかな)
  
冬の季語; 小春(春のように暖かい晴れた日)

2010年11月27日土曜日

茸(きのこ)


 歩いていると、「なめこ」を売っていた。
大きいなめこである。
裏山で採れた天然なめこという。
傍にいた小父さんが、うれしそうに言った。
    
写真の皿は直径28センチ、柿と蜜柑と
比較しても「なめこ」の大きさがわかるでしょう。
付いていた朽ちた葉を取り除き、
バター炒めにして、
山のおすそ分けという気持ちで頂いた。
  
  
 土匂う朽ち葉の匂う茸かな    茜
  (つちにおうくちばのにおうきのこかな)
  
秋の季語; 茸  

2010年11月24日水曜日

鴛鴦(おしどり)


 鴛鴦(おしどり)の オスの冬羽はきれいだ。
尾の前に、黄色のイチョウ羽といわれる羽根をたてる。 
メスは鴨に似た地味なグレーらしい。
オスもまた夏羽の色はグレーになり鴨に似るという。
  
この日は雄が一羽だけいた。
メスは近くで巣作りをせっせとしているようだ。
鳥のメスは働き者、誰かに似ている。
小さな小川にくるくると回っていた。
人家の少ないこの辺りは水が澄んでいた。
  
  
 鴛鴦の尾より流れて又のぼる     茜
  
  (おしどりのおよりながれてまたのぼる)
  
冬の季語; 鴛鴦(おしどり)

2010年11月20日土曜日

シオデの実


 シオデの実です。
春のシオデの芽は旨さでは山菜の女王とも
言われ、アスパラに似た味という。
これでユリ科の植物、蔓性である。
  
黒い実を見かけて、さっと前の葉を払うと、
こんなにどっさりの実が隠れていた。
艶やかで、和菓子の鹿の子にも似ていた。
否、鹿の子がこの実の真似をしているのだろう。
  
実の味はたいした事はなかった。
少しぬるい甘さを感じた程度だった。
花の後には実になるのが普通だから
探せば他の植物の実も見つかるかもしれぬ。
  
  
 時雨きて山から烟るシオデの実      茜
  
  (しぐれきてやまからけむるしおでのみ)
  
秋の季語; 時雨

2010年11月17日水曜日

くちなしの実 飯


 くちなしの実が色づいていた。
鳥達が好んで食べにくる。
食べられてしまう前に少しいただいた。
  
この時期に一度は炊いてみる「くちなし飯」です。
中の赤い種を水に浸すと、黄色い水ができる。
その水でご飯を炊くだけです。
染料にもなるほどの色の鮮やかさ。
無味無臭、花の香りはありません。
楽しんでます。
  
  
 くちなしの実のつやつやと通学路      茜
   (くちなしのみのつやつやとつうがくろ)
  
秋の季語; くちなしの実、梔子

2010年11月14日日曜日

おおにしきそう(大錦草)


 おおにしきそう など今まで気にも留めなかった。
道端の目立たない雑草だった。
たまたま接写してみると、なんと実が色ずいている。
実は1ミリ程度だから、わからなかったのも当然である。
  
草丈20~30センチの帰化植物だそうだ。
青かった実も真っ赤になった。 
形はまるで小さな桃のようだ。
雑草というのは返上です。  

  
  
 ジョギングの視野に飛び込む草紅葉     茜
    (じょぎんぐのしやにとびこむくさもみじ)
  
秋の季語; 草紅葉

2010年11月10日水曜日

山ぶどう

 
 山ぶどうはワインにする位だから美味しいに決まっている。
直径8ミリほどの小さな粒だ。
口に入れると野性味のある甘さだった。
充分に熟れているので、酸味は無かった。
  
間違えやすいのに、「野ぶどう」がある。
こちらは、鮮やかな水色や青色の粒で食べられない。
山歩きはこんな楽しみがあるのだ。
竹に絡まってから、私の頭の高さに下がっていた。

  
  
 山ぶどう裏山という呼ばれ様        あかね
   


  
秋の季語; 山ぶどう、野ぶどう

2010年11月7日日曜日

ふくろみもくげんじ(袋実もくげんじ)


 フクロミモクゲンジの実があたり一面敷き詰めていた。
10メートル四方あるだろうか。
どこから散ってくるのか、その樹はまわりのすずかけの木に隠れて見えなかった。
ようやく葉の間から高い天辺に実がついているのがわかった。
そのわずかに見える空からフワリと実は落ちてきた。
  
まんさくのような黄色の花から、この実の形へどのよ
うにしてなるのだろうか。
苞の間に丸い実が挟まれている。
小石川植物園の一角にこんなロマンチックな場所が
あろうとは。  又行きたいと思っている。
   
   
  葉隠れの空より木の実降りてくる     茜
    (はがくれのそらよりこのみふりてくる)
  
  
秋の季語; 木の実

2010年11月3日水曜日

秋桜(あきざくら)、こすもす


 このコスモス畑の前で胸をうたれた。
美しい、さりながら雨風に翻弄され一本として真っ直ぐ
立っている花は無かった。
倒れながらも、半身を起こそうとしている形だ。
  
山陰の小さな捨て畑に、せめて種を蒔いて労ったのだろう。
昔ながらの、素朴な色のコスモス達だった。
美しさと哀れさを詠みたいけれど難しいです。
   
   
  こすもすのうねりは風を呼びやすく   あかね
   
  捨て畑の風の荒らぶる秋桜       あかね
  (すてばたのかせのあらぶるあきざくら)
  
秋の季語; こすもす、秋桜(こすもすのこと) 

2010年10月30日土曜日

林檎(りんご)


             (りんごの名:秋映、あきばえ)
 志賀高原から長野市の方へ降りていくと「アップルライン」
という林檎畑の中を走る道路がある。
林檎狩りの看板が並んでいた。
種類によって赤い色もいろいろだった。
  
林檎の木は赤い実をつけて美しかった。
いかにも重たげに下がっている。
もぎ取り易く下がっているようにもみえた。
   
   
  飛び跳ねる少女りんごの匂いして      茜
  
   (とびはねるしょうじょりんごのにおいして)
  
秋の季語; 林檎

2010年10月27日水曜日

山薄荷(ヤマハッカ)


 夕暮れの早い山影は少しひんやりとする。
長かった夏を思えば極楽のような気候だ。
稲刈りも済んでしまい、気の抜けたような田んぼがある。
  
今年は赤トンボもあまり見なかった。
暑さと涼しさのバランスはどうなのだろうか。
そんな中、草花はしぶとく生きている。
山薄荷の匂いはほとんど無いと本には書いてあったけど
水色の花を揉むとわずかにハッカの匂いがした。  
・・・したような気がした。
     
   
    
  十月の夕日届かぬ山薄荷      あかね
  
   (じゅうがつのゆうひとどかぬやまはっか)
  
秋の季語; 十月

2010年10月23日土曜日

NHK俳句日和


 外出から帰ってテレビをつけると「NHK俳句日和」
が始まっていた。
今日の兼題「曲」が提示され、すでに投句締め切り時間
が迫っていた。 すっかり日にちを間違えていたらしい。
  
あわてて「曲」という文字を入れてPCから投句した。
それが、なんと、なんと、最終予選18句の中に
残ってしまったのだ。
全国からの応募総句数 8793句の中からである。
興奮したのは言うまでもありません。
残念ながら決勝には進めなかったけれど、うれしかったです。
写真は、選者 岩岡中正先生が解説しているところです。
   
  
 川霧を載せたる川の曲がりくる     あかね
  
  (かわぎりをのせたるかわのまがりくる)
  
秋の季語; 霧

案山子(かかし)


         (クリックすると大きく見えます)
久しぶりに案山子を見た。
へのへのもへじの顔が懐かしい。
隣へ少し小さな案山子が立っている。
  
こちらの顔は口紅が鮮やかだ。
よく見ると、手は細く分かれた枝を挿している。
手の繊細さに感心した。
ずっと仲良く二人で立っていたのだろう。
  
 
  
 棒の手を重ねて対の案山子らし     茜
  
  (ぼうのてをかさねてついのかかしらし)
  
秋の季語; 案山子(かかし)、稲の秋

2010年10月17日日曜日

唐辛子


道端で100円で買った唐辛子です。
窓辺に吊るすと輝いてみえます。
料理には余り使わないので、クリスマスの飾りに
する事にしましょう。
  
その無人店には、毎日いろいろな季節の野菜が置かれ
ます。 新生姜、かぼちゃ、大根の間引き菜、茄子等。
散歩のついでに覗きます。
秋の季語になる野菜ばかりですね。
有難い無人店です。
   
   
  吊るされて何したたらす唐辛子       茜
  
   (つるされてなにしたたらすとうがらし)
  
 秋の季語; 唐辛子
  

2010年10月13日水曜日

飛蝗(ばった)、 きちきち


 草むらから突然飛び立つ飛蝗は、草の色をしている。
気配に足もとを見た時は、すでに飛び立っている。
飛ぶと又草むらに着地するので、姿を探すのは容易では
ない。
  
この飛蝗は、片足が無かった。
人に捕まる時に落としたのかもしれない。
アレ、そう言えばこの前捕まえようとした事があるから
あの時の飛蝗かな。
  
  
 きちきちの直線飛行すぐに果て      茜
  
  (きちきちのちょくせんひこうすぐにはて)
  
秋の季語; きちきち(キチキチと翅を鳴らすばったの事)

2010年10月8日金曜日

一位の実(いちいのみ)


 通学路に沿って生垣が「一位の木」のお宅がある。
緑が濃い中に赤い実をつけていた。
そのままクリスマスツリーになりそうな色合いだ。
  
その実を一つ口に含んでみた。
甘かった。 種はプッと出した。
食べられると聞いたような気がしたけれど
帰宅してから調べてみると、種は猛毒とある。
米国の馬の死因の上位に「一位の実」を食べた事が
書いてあった。
ぞ~っとしました。  
もう道端で木の実の類は食べませーん。
  
  
 毒と知るはふふみし後よ一位の実      茜
   (どくとしるはふふみしあとよいちいのみ)
  
 手を挙げて交わす挨拶一位の実       茜
    (てをあげてかわすあいさついちいのみ)
  
  
秋の季語;一位の実

2010年10月3日日曜日

曼珠沙華(彼岸花)、 桃


 曼珠沙華は早くから咲いてもう盛りを過ぎようとし
ている。それでも、夕方草むらで見る華は幻想的だ。
  
少し歩くと、谷戸(やと)の人家を見下ろす所へ
出る。 山の影になって日暮れの早い村に灯が
つき始めた。 
この頃、あちこちから煙が昇っている。
今日の終いの草を焼いているのだろうか。
細く青い煙は谷戸を出ていかず、ゆっくりとそこらを
覆いながら広がっている。
  
この状景を句にしようと試みてきましたが、難しい
です。写真は望遠にして撮りました。  
  
   
  桃剥いていたわる言葉探しおり       茜
      (ももむいていたわることばさがしおり)

谷を這う煙の青く曼珠沙華        茜
       (たにをはうけむりのあおくまんじゅしゃげ)
   
     
秋の季語;  桃、 曼珠沙華

2010年9月30日木曜日

岩魚(いわな)


 今日が最期の岩魚釣りの日です。
明日10月1日から4月まで禁漁期になります。
夫は早朝から出掛けて、5時間程で帰ってきました。
まずまずの釣果でしょう。

上から山女、岩魚、甘子(あまご)の順です。
一番大きい岩魚は体長27センチほどあります。
赤い側線があるのが甘子だそうですが
私には見分けがつきません。
これから腹を出して、さっと乾かしてから
焼いていただきます。


 口かっと開いて岩魚の冷たさよ      茜 
   (くちかっとあいていわなのつめたさよ)
   
 下げ帰り塩ふるまでが山女釣り      茜
    (さげかえりしおふるまでがやまめつり)
  
 
  
夏の季語; 岩魚、山女(やまめ)

2010年9月26日日曜日

生姜糖


棗(なつめ)の砂糖煮、干し棗を作ってみました。
上段は、生姜糖です。
  
生姜糖は、生姜の薄切りを砂糖で煮たものでお茶受けに
しています。 ほとんど辛さ抜きはしていないので、
あまりの辛さにお茶を何杯もおかわりします。
しかし、砂糖の甘さで又つい食べてしまうのです。
  
その御蔭さまで、冷え症が治ったような気がします。
体を温めるという効能があるようですから。
干し棗は、スープに入れてみようと思います。
今日は赤い唐辛子も無人店に売っていました。
  
  
 灯さねば孤独なビルよおけら鳴く    あかね
  
   (ともさねばこどくなびるよおけらなく)
  
秋の季語; おけら鳴く 

2010年9月22日水曜日

楤の花(たらのはな)


旅人のように歩いている。
毎日みていても、草木はいつも新しい。
昨日の丈を越えて更新している。
  
さてこの花は何だろう。
ついこの間までは見なかった花だ。
通りがかりの人に聞くと、「たらの花」と教えてくれ
た。そういえば、春、手の届きそうな所にたらの芽が
あった。それが、大きく葉を広げて花をつけていたのだ。
  
最初は薄緑の花だったが、日が経つと黄色を帯びてきた。
実を付けるのだろうか。
この花を知ってからあちこちにたらの木がある事がわかった。

    
  遊行忌の風の高さを鬼やんま      茜
     (ゆぎょうきのかぜのたかさをおにやんま)
    
  削られて山また低くたらの花      茜
     (けずられてやままたひくくたらのはな)
   
    
  秋の季語; たらの花、 鬼やんま(とんぼ)

2010年9月18日土曜日

レモンユーカリ


レモンバーベナとばかり思って育ててきた。
香りが素晴らしく、木の下を通るとき爽やかなレモン
の香がする。
押し花にして、ノートに挟んだりバッグに入れて
楽しんできた。

ところが、木の丈が高いこと、葉が硬くて毛が
うっすらとあること、ケーキにいれて使うには硬す
ぎる事等から、ユーカリ系ではないかと疑問を
持ち始めた。
  
やはり、レモンユーカリだったのです。
コメントしてくれるべにしださんが調べてくださって
判明しました。
ユーカリとわかってうれしいような、がっかり
したような気持ちです。
でもバーベナもユーカリも口に入れても良い葉
だったのでホッとしました。
友人達にはレモンバーベナと信じて差し上げて
いたからです。
今朝採集して「レモンユーカリのリース」を作りま
した。とても良い香りのリースです。
    
   
  
 新涼の戸を繰る風に触れながら       あかね
  
  (しんりょうのとをくるかぜにふれながら)
  
 秋の季語; 新涼

2010年9月11日土曜日

葡萄ぶどう)、無花果(いちじく)



葡萄の紫が美しくて、食べかけだったが描いてみた。
上絵付けの絵の具で描き、約800度で焼き付たものです。
  
葡萄の色は何とか出せたと思いますが、やはり違うものになったようです。
みずみずしい葡萄の持つ精気というものは失せている。
薄い皮の表面に付いた白い粉のようなものは、新鮮さの
表れといってもよいものでしょう。
そんないきいきとした色は描けません。
でもケーキ皿にはちょうどいいことにしましょう。
  
無花果の葉の濃い緑が気にいっている。
果物も花も、葉の緑があってこそ美しさがあるように思う。
  
  
 一粒の気の薄れたる葡萄かな       茜
  
  (ひとつぶのきのうすれたるぶどうかな)
  
秋の季語; 葡萄(ぶどう)、無花果(いちじく)

2010年9月7日火曜日

栗. 棗(なつめ)


思い切って訪ねてみました。
広い屋敷続きの裏の畑の竹薮の端に忘れられたように
生っている棗(なつめ)とはいえ、1,2個いただけ
ませんかと許しを請うたのだ。
こころよく一枝譲って戴きうれしく帰ろうとすると
道端に転がっている栗も拾っていきなさいという。
もう拾う人も居ないからと。
  
早生(わせ)の栗らしく、毬は割れて中からつやつやとした
栗が覗いていた。
なんとお土産も付けてもらったのだ。
いつも貰う事が多い、サバイバルな生活ですね。
うれしく申し訳ないような得したような気持ちで帰りました。
 
   
訪ねれば栗を拾っていけと言う     あかね
  
噴水の崩るは息を継ぐごとく      あかね
  (ふんすいのくずるはいきをつぐごとく)
   
   

 秋の季語;栗   夏の季語;噴水

2010年9月1日水曜日

星とぶ、流れ星


  
祭りの終わった後は、暦が急に進んだような気がする。
ガラス玉が一個落ちていた。
ラムネの中のビー玉だろうか。
土星のように、回りに輪がついている。
夏の終わりのように、飛び出していったのか。
     
   
 星とんでビー玉一つ拾いけり     茜
  
 
  
 秋の季語; 流れ星、星飛ぶ