2011年11月11日金曜日

霧



 志賀高原の白樺黄葉はもう終わって、白い幹の林
になっていた。
時折濃い霧に覆われてしまい、その中を車で進む
のは危険だったので、途中のレストランで休む事
にした。
牧場に隣接していて、厩舎から馬が覗いている。
久しぶりに馬を見たような気がする。
馬もじっと見返した。少し歳をとっているようだ。
きっと観光の子供さんを乗せているのだろうと
思った。
   
   
   
 
 柵へ来て馬の嘶く霧の中        茜
 (さくへきてうまのいななくきりのなか)

 その中の一条白し初時雨        茜
 (そのなかのひとすじしろしはつしぐれ) 

秋の季語;霧   冬の季語;初時雨

2011年11月8日火曜日

酢橘(すだち) 檸檬(れもん)


 真ん中の黄色がカボス、柿、小さな緑は酢橘
(すだち)のようですがライムレモンと書いて
いました。
この近辺で手に入れた果物達です。
料理にさっと絞るだけで新しい味になります。
どちらも爽やかな香りが気分をよくします。
全部飾って楽しく、豊かな気分に。
   
   
   
   
 青空が胸に広がる檸檬の香      茜
 (あおぞらがむねにひろがるれもんのか)
   
   
秋の季語;檸檬(れもん)、酢橘(すだち)

2011年11月5日土曜日

棗の実の使い方


 棗の実を拾いました。
以前から気になっていたのです。この辺りの
畑や庭先に良く見かけるのに、食べ方を誰も
知らないのでした。
熟れきった実の中は空洞があり踏むと音をたてます。

「テレビで観た使い方」
 棗の実を種から外して刻み、種と共に煮出すと
 甘い紅茶色の飲み物に。気持ちを落ち着ける
 効果があるそうです。
 他にスープに入れるのは良くやっています。

左の白い髭のあるのは「朝鮮人参」です。
草津への途中で見つけました。
  
   
 
 ポムポムと破音に踏まれ熟れ棗     茜
 (ぽむぽむとはおんにふまれうれなつめ)
   
  
  
秋の季語;棗

2011年11月2日水曜日

秋の虹


 草津温泉をとりまく山々は、唐松の黄葉で
黄金色に輝いていた。
森に入って歩くと、なんとも言えない樹脂の
匂いで心地良かった。
ときおり降る日照雨(そばえ)に、照り翳りが
速く、雲の形の影が走るのがわかった。
ふと見ると
唐松の森から虹が立っている。
森の明るさから昇っているかのように
いつまでも消えなかった。
   
   
   
   
 谺して谷深めゆく秋の虹       あかね
 (こだましてたにふかめゆくあきのにじ)
    
 すり鉢の底の湯の町鳥渡る      あかね
 〈すりばちのそこのゆのまちとりわたる)  

   
秋の季語;秋虹、鳥渡る

2011年10月30日日曜日

新米


 今年も新米が届きました。
有難いことです。職を退き代々の田を受け継いだ方
が送ってくださるのです。
「イクヒカリ」「ヒノヒカリ」、早生米と晩生米
だそうです。
さっそく炊いたご飯は真っ白に光っていました。
仄(ほの)かに甘く、飲み込んでしまうのが
惜しいくらいです。
   
    
   
  
 新米に力をもらう朝餉かな       茜
 (しんまいにちからをもらうあさげかな)

 新米を盛り万象に感謝せり        茜
 (しんまいをもりばんしょうにかんしゃせり)
   
   
   
秋の季語;新米

2011年10月27日木曜日

箒木(ははきぎ)、ははきぐさ


 箒草(ほうきぐさ)とも呼ばれているこの草は、
夏の季語です。
実は「とんぶり」と称し若葉とともに食用になり
ます。
しかし、今赤く色づいた草は、はっと人目を
ひくほどの美しさです。
このあと箒として加工されるのでしょうね。
秋の赤に入れましょう。
   
  
  
  
 箒草赤し秋日をなお透かし       茜
 (ほうきぐさあかしあきびをなおすかし)
     
     
  
秋の季語;秋日  

2011年10月24日月曜日

赤まんま(犬たで)


 我が田のごとく見回っているこの田園に、今年の
春ちょっとした変化があった。
一番早くから耕し草取りは欠かさず、稲刈りも
まっ先にやっていたお爺さんがいました。
ある春の日、半分耕した田を残してばったり姿を見
せなくなった。
その田だけが水を張られることもなく
草の花だけがたくさん咲いた。
農薬が少なかったのか絶滅危惧種の「イヌゴマ」や
「サクラタデ」等咲ききれいなお花畑になっている。
お爺さんを待っているかのようです。
写真はイヌタデです。赤まんまとも呼ばれています。
   
   
   
 休耕田の暮色明るく赤まんま       茜
 〈きゅうこうだのぼしょくあかるくあかまんま)
 
 草の穂や歳をとられてしまいけり     茜
 (くさのほやとしをとられてしまいけり)
     
     
     
秋の季語;犬蓼(いぬたで)、赤まんま、草の穂絮  

2011年10月22日土曜日

秋の鷺(あきのさぎ)


 電柱の上に青鷺がいた。
飛び立つのを待っていたが、いつまでも動かなかった。 日が沈みまだ明るさが残っている山の方を、じっと見ているのだった。
   
ただ座っているだけ、こころを空っぽにして瞑想する
座禅の姿をふと想った。
  
鷺、青鷺は夏の季語ですが、「秋の」を付ければ
秋の季語として使えます。
   
   
   
   
 暮れゆくを打ち眺めおり秋の鷺      茜
 (くれゆくをうちながめおりあきのさぎ)
      
   
夏の季語;鷺、青鷺

2011年10月19日水曜日

秋蒔(あきまき)


        (写真は私が作った菜園)
7,8年前、小さな菜園を借りていた。
種を蒔くと芽が出て、育て、収穫するまでが
一刻も目を離せない程の喜びだった。
狭い土地に、欲しい野菜の種をありたけ蒔いて、
あまりにも隙間がないので笑われたものだった。

写真の花は「サルビアレウカンサ」
小松菜、山東菜、かぶ、青梗菜、大根、ネギ、玉葱
水菜、春菊、サラダ菜、ルッコラ、
思いつく野菜は全部蒔いた。
秋蒔きの野菜は強く、冬を越して春先まで楽しめる。
菜園で作るのを止めた今は、
プランターに「ルッコラ」を作っている。
   
   
   
  
 秋蒔の畝の湿りを均らしけり      茜
 (あきまきのうねのしめりをならしけり)
   
   
  
秋の季語;秋蒔

2011年10月17日月曜日

鰯(いわし)


 一年中出まわっている鰯ですが、秋の季語に
なっています。 
脂がのって美味しい時期だからでしょう。
少し小さかったのですが、
手開きにして塩を振り、3時間ほど干しました。
さっとあぶるようにして焼くと絶品。

「昼ごはん」
 さつま芋と炊いたご飯
 鰯の塩焼き
 大根間引き菜の付け合せ
 トマトベースの具だくさんスープ
  
   
   
     
  鰯干す山よく見えるベランダに      茜
   
   
   
秋の季語;鰯

2011年10月14日金曜日

蕎麦の花


 蕎麦の花はやさしい色をしている。
乾燥した土地や痩せた土地などでも栽培できる。
種まきから2、3ヶ月程で収穫できることから
救荒作物としても重宝されてきたようだ。
   
この豚小屋は、何百頭も飼われている工場のような
所である。
時折、物凄い豚の鳴き声が悲鳴のように聞こえる。
餌をもらう時間なのだろうか。
売られていく時間なのだろうか。
   
   
   
 豚鳴くや慈愛の色の蕎麦の花      茜
 (ぶたなくやじあいのいろのそばのはな)
   
   
  
秋の季語;蕎麦の花

2011年10月11日火曜日

ヒヨドリジョウゴの実


 9月24日に花を載せましたが、実がつき色づき
ました。
赤い実は、「液果」といってつぶすと赤い汁がで
ます。
ほおづきもこの種類でしょうね。
毒性の実ということで、潰したあとは手を洗いました。
下の方には「アカマンマ」といわれる「たでの花」が
咲いていました。
秋の草花は実をつけながら、きれいです。
     
      
      
 同じ道通りしきし犬いのこずち     茜
    
         
 満月は正面の顔草濡れて        茜
 (まんげつはしょうめんのかおくさぬれて)
   
   
  
秋の季語;月、いのこずち

2011年10月8日土曜日

ひょんの実


 「蚊母樹」(イスノキ)と読める方はあまり
居ないでしょう。
このイスノキの葉にアブラムシ等が巣食い、
虫瘤を作り大きくなったものが「ひょんの実」と
呼ばれています。
この大きな方の実には穴があいていますが、中の
虫が出ていった跡のようです。
穴に口をつけて吹くと「ホーホー」「ヒョー」
と懐かしい音がしました。
ここから「ひょんの実」「ひょんの樹」とも呼ばれ
ているようです。
   
  
      
  
 ひょんの実を吹くや何かが目覚めたる   茜
 (ひょんのみをふくやなにかがめざめたる)
   
   
  
秋の季語;ひょんの実、ひょん

2011年10月4日火曜日

ピクルス


<コメントが入らなくなっています。
<良かったらメールにて送ってください。
<こちらへ掲載させていただきます。
   
カリフラワーと人参のピクルスです。
酢に、にんにく、フェンネルの種と花、月桂樹の葉
だけの味付けです。
そのまま食べると酸っぱいのですが
これを牛肉や豚肉と一緒に炒めるとグッドです。
  
ポルトガルの食堂で食べた味を再現しました。
外食して気に入ったメニューは我が家で作ってみま
す。これもその一つです。
酢も一緒に加えると、あっさりとして肉の旨みを
引き立てます。
   
   
   
 ふいに子の来てのひととき後の月     茜
 (ふいにこのきてのひとときのちのつき)  
   
     
   
秋の季語;後の月(十三夜)

2011年10月1日土曜日

野葡萄(のぶどう)


 俳句の季語には、山葡萄、野葡萄は同じに分類
されているが、植物としては違うものだ。
山葡萄は食べられるが、野葡萄は食べられない。
虫と野鳥にまかせておきましょう。
   
わたしがよく歩いている里山は、特別な名前等
ついていない、丘のような場所だ。
手入れもあまりされていない所は、決まって
竹が雑草のごとく繁っていたり、倒れた木や草が
そのままだったりする。
だからこそ、なのか、山葡萄や野葡萄、オニドコロ、
ヒヨドリジョウゴといった珍しい草花に会う事が
できる。
   
   
   
  
 野葡萄や裏山という呼ばれよう      茜
 (のぶどうやうらやまというよばれよう)
   
   
秋の季語;野葡萄 

2011年9月29日木曜日

山女(ヤマメ)、岩魚(イワナ)


 朝暗いうちから夫は釣りに出かけていった。
9月30日で禁漁になってしまうので、落ち着かな
い様子だった。
わたしも又、イワナやヤマメを食べるのを楽しみに
している。
以前付いて行った時、その清流の中に魚を
見つけるのは容易ではなかった。
夫はちょっとした石の陰や砂の上の魚をよく見分け
るので感心したものだった。
小さな滝の渦巻く水の中から、釣り上げた時の
喜びはそばに居てもドキドキする程だった。
   
清流にしか棲まないイワナやヤマメは、その体も
冷たく人間が触れると火傷をする位、傷つくのだそ
うだ。中には針を飲み込んでしまう魚もいて、大体
の魚は持ち帰る事にしている。
表面はウナギに匹敵する程のぬめりがある。
写真一番上はイワナです。
     
  
  
 空中に岩魚跳ねたる鰭のあと    茜
 (くうちゅうにいわなはねたるひれのあと)

山影を秘めし岩魚のぬめりかな   茜
       
 見入りおり岩魚の歯型親指に    茜    
 (みいりおりいわなのはがたおやゆびに)
   
     
夏の季語;山女、岩魚

2011年9月26日月曜日

稲穂


 台風にも負けず稲穂は健在だった。
ところどころ稲が倒れている田もあったが、水には
浸かっていないようだった。
田の間を歩いていると、稲の匂いに包まれる。
熟れた稲の豊穣たる香り、風に乗せていっせいに
放たれるようだ。
手入れの行き届いた田と畦道、早くから刈り込まれ
た土手は、彼岸花が満開だった。
大山から続いている街道も満開だった。
   


  風が来て重さ生まれし稲穂かな     茜

  
  畦道も巡礼峠も曼珠沙華        茜
   
    
   
秋の季語;稲穂、曼珠沙華

2011年9月24日土曜日

紫ヒヨドリジョウゴ  


 「すみませーん」と叫びながら、自転車が
猛スピードで私達を追い抜いて行った。
その後をついて駆け抜ける集団があった。
疾走ともいえる走り方だった。
田んぼの周りは格好の練習コースなのだろう。 
近くの大学の学生達だと思うが、
その真剣な顔つきとスピードは、練習風景とは
言えないようだった。大事な記録を取るのだろうか。
      
一周してきて次に会った時には、その集団は
ばらけていて、もはや先頭がどの人なのか判らなく
なっていた。
速度のあるあの人が先頭なのだろうと思いながら
見ていた。
必死だろう一人一人の間が開き、やがて最後の
人が前のめりになりながら走って来た。
がんばれーと小さく口の中で言い応援した。    
ヒヨドリジョウゴの紫が道端で揺れていた。
   
   
  
 しんがりは一人で走る草の花       茜
   
   
  
秋の季語;草の花

2011年9月20日火曜日

富士山  秋簾(あきすだれ)


 予約していた新宿高層ビルのレストラン。
早目に着くと日はまだ山の上らしく、眩しくて
富士山はうっすらと雲の一部のようにしか見え
なかった。
やがて、日が沈み逆光となり、富士山は黒く
くっきりと姿を鮮明にした。
手前の新宿まで続く空間が暗くなると
みるみる大きくせり出してくるように見えた。
刻一刻と空の色は変わり、オレンジから紫となり
急に暗くなっていった。
   
   
   
  
 暮れてより富士の近づく秋彼岸     茜
 (くれてよりふじのちかづくあきひがん)
   
   
  
秋の季語;秋簾

2011年9月17日土曜日

韮の花(ニラのはな)


 韮の花が満開です。
茄子の上の白い花が韮の花です。
この花を食べられる事はあまり知られていない。
咲いたばかりの花を摘みとって
さっと湯に通すと、ほのかな韮の香りの
歯ざわりの良いお浸しになる。
ひとつまみの花でも充分。
庭先に一列だけ植えている韮から摘んで。

写真は煮浸しのお汁をかけるのを忘れました。
だから、何か物足りないでしょう。
   
   
   
 門までを猫のすり寄る韮の花      茜
    
   
  
秋の季語;韮の花(にらのはな)   
春の季語;韮(にら)

2011年9月15日木曜日

オニドコロ


 まだ暑いうちから、すだれのように花が下がって
いた。
ようやく実が出来始めて「オニドコロ」とわかった。
ヤマノイモ科の多年植物である。
トコロとは、「野老」と書き、根がヒゲににている
事からきているようだ。
他にも、人に例えて名を付けているのは
「センニンソウ」老人のヒゲに似ているからという。
   
この里山では朝夕少し涼しくなったように思う。
でも、蚊は相変わらずしつこく寄ってくる。
あちこち刺されながら撮った。
  
   
   
  
 止まればすぐに秋の蚊オニドコロ      茜
 (とどまればすぐにあきのかオニドコロ)
  
   
   
秋の季語;秋の蚊

2011年9月12日月曜日

中秋の名月


 今日は中秋の名月がみられます。
満月と中秋が重なり、お天気も上々。
お月見といってもその辺を一回りするくらいですが。
  
稲はもう豊かにみのり、刈られる日を待っています。
水を抜いてある田んぼと水がまだ満ちている田んぼ
がありました。田植えの時期が少しづれているので
しょう。
彼岸花も咲き始めました。
つぼみの硬いのは、まだ赤も強くないですね。
  
  
  
 
  まなうらの今見し月と眠りけり     茜
    
    
   
秋の季語;月

2011年9月10日土曜日

露草


 久しぶりに渓流のある所まで車で行きました。
釣りをする夫は雨の後のささ濁りが好きらしい。
もう3日前に台風は過ぎ去ったのに
渓流の水はまだ濁っていた。
あちこち竿を入れていたが、まったく釣れなかった。
と言っても、わずか20分程度だから遊びの
ようなものだ。
私はその間、草花の写真を撮っていた。
草の中に深入りをするとヒルがいるので危ない。
道端の「露草」の青が美しくアップで撮りましたが、
難しいです。
   
   
   
 露草の青を深めり水の音      茜
   
    
   
秋の季語;露草

2011年9月8日木曜日

葛の花(くずのはな)


 葛の繁殖力はもの凄い。
あっという間にその辺を覆い尽くす。
花の香りは強く化粧臭いという感じだ。
   
福島県の原発事故で、避難を余儀なくされた
方々には本当にお気の毒でなりません。
放射能で汚染された土地がよみがえり、
又普通に暮らせる日々が戻るのでしょうか。
テレビでは、人の住めなくなった町や村が
映し出されていた。
民家の庭は葛の蔓が広がり、戸口まで迫っていた。
コンクリートの道路も両端から蔓の先が伸びていた。
恐ろしい光景だった。
      
   
   
 村あげて避難した道葛の花      茜
 (むらあげてひなんしたみちくずのはな)
   
   
  
秋の季語;葛

2011年9月6日火曜日

稲、稲の花


 今は稲が垂れるほどに実ってきました。
この写真は1箇月前のもので、白い稲の花が
ついています。
毎日変化する自然は、その時どきの一番美しい姿
を見せてくれます。
稲の花が咲き、やがて稲がしっかりと結実すると
田の水を抜き、干された土で実りを育て始めます。
頼りなかった早苗の頃から見守ってきた者にとって
これから、台風等で倒れないように、刈り入れの時
まであと少し頑張ってと願っています。
   
   
   
 どの道も川に沿いくる稲の花      茜
 (どのみちもかわにそいくるいねのはな)
   
    
   
秋の季語;稲、稲の花

2011年9月3日土曜日

世界陸上 天高し


 玉虫を又拾いました。
大映しにしてみると、表面のぶつぶつを発見。
この突起の反射でこの微妙な色が出るのかも
しれませんね。
  
世界陸上を観ていると、どの競技も感動します。
ハンマー投げ、槍投げ、高飛び、短距離、マラソン
どの選手も美しい、しなやかで強靭な身体、
限界まで力を出し尽くすという気迫。
  
玉虫の句は7月19日に作っていますので
世界陸上の句を載せます。気迫が足りないかな。
   
   
    
 玉虫の己が死知らぬ色あわれ        茜  
    
 秋天へハンマー投げの哮りけり       茜
 (しゅうてんへはんまーなげのたけりけり)  
   
 高飛びの身を反らしたる秋の天       茜
 (たかとびのみをそらしたるあきのてん)
   
 ランナーの掠る風さえ秋の色        茜
 (らんなーのかするかぜさえあきのいろ)
   
   
  
秋の季語;天高し、秋天、

2011年9月1日木曜日

金魚


 金魚が泳いでいるように見えないだろうか。
寒天液を多めにした「寒天寄せ」です。
トマトの赤を金魚に見立てました。
フェンネルの葉を水草と思って。
  
金魚すくいで、金魚を紙のポイで追い詰め
すくった時、金魚はポイの上で横倒しになり空気に触れます。
そして、あきらめの目を空に向けます。
  
ときには金魚の気持ちになって・・・
   
   
   
  
 すくわれし金魚一瞬空を見る      茜
 (すくわれしきんぎょいっしゅんそらをみる)
   
   
  
夏の季語;金魚

2011年8月30日火曜日

秋めく


 通りがかりに見つけた葡萄。
駐車場のフェンスに絡まっていた。
そっと葉を上げるとこんなに熟れている。
植えた人は忘れているのかしら。
爽やかな色が美しい。
小鳥もまだ見つけていないらしい。
ああ・・気になるなあ。
   
   
   
  
 秋めくや凌ぎやすさを挨拶に       茜
 (あきめくやしのぎやすさをあいさつに)
   
   
  
秋の季語;秋めく

2011年8月28日日曜日

夏料理


 野菜の寒天寄せを作りました。
材料は、できるだけ詰め込み、浮き上がらない
ようにしましたが、それが失敗のもと。
最後に入れた「くらかけ豆」が溢れて崩れてしまいました。
オクラ、トマト、パプリカ、ネギ、セロリ、茗荷
カニ缶、くらかけ豆 が入っています。
寒天をスープの素で味つけて、並べたあとから
流しいれました。
ちょっと崩れて残念。
   
   
   
 
 ひと皿の余白は渚夏料理       茜
 (ひとさらのよはくはなぎさなつりょうり)
   
   
  
夏の季語;夏料理 

2011年8月25日木曜日

穂草の実(ほくさのみ)


 山を歩いていると、思いがけない物に出会う
事がある。
この切り株もハートの形になっていて面白い。
置いた人も、そう思って置いたに違いない。
切り株の上の、紐のような花殻は、きっと木の花
だろうと思う。
すこし涼しいこの辺りの、里山ではとうに散って
しまった「きぶしの花」のようにも見える。
それとも「スダジイ」の花殻だろうか。
木陰でしばし休んで、又歩いた。
   
句には草の実として詠みました。
   
  
   
 切り株に風の置きたる穂草の実      茜
 
 切り株のハートの形小鳥来る       茜
     
   
   
秋の季語;穂草の実、小鳥来る   

2011年8月22日月曜日

秋蝶(あきちょう)


      (アカボシゴマダラチョウ)
 何という蝶だろうか。
暑い日の夕方、庭に水を撒いている時に気づいた。
土の色に似て地味な色だった。
ゆっくりと翅を開いたり閉じたりして水を吸っていた。
口吻というのだろうか、舌のような黄色の管を
伸ばして、せわしなくその先を動かしていた。
  
翅の端はちぎれてギザギザになり、傷ついている。
10cmほどまでカメラを近づけても逃げない。
よろよろと移動しては水を吸う。
そんなに喉が乾いているのか、遠くから旅してきたのか。
聞いてみたい気がした。
次の朝にはもう姿は見えなかった。
    
   
   
 秋蝶の吹かれて来しか水を吸う   茜

 秋蝶の水吸う野辺や旅の果て    茜
    
   
   
秋の季語;秋蝶

2011年8月19日金曜日

トマトのかき氷


 トマトを1個冷凍庫に入れておき凍らせます。
コチコチに凍ったトマトを大根おろし器で
すりおろすだけです。
砂糖をふりかけて
ブルーベリーをトッピングしました。
テレビで観たアイデアは即いただきです。
  
口に入れるとすぐ溶けてしまい、
ほのかな甘味がイケマス。
お試しあれ。
   
   
  
   
 意気込みの崩るは速しかき氷      茜
 (いきごみのくずるははやしかきごおり)
   
 流すだけ流せば汗の涼しかり      茜
     

   
夏の季語;かき氷、汗、涼しい

2011年8月17日水曜日

キツネノカミソリ


 草を刈った斜面は「キツネノカミソリ」が群生
していた。彼岸花科。半日陰に咲く。
春、カミソリに似た長い葉を繁らせて、あおあおと
した土手だったが、今はこの花で夕日の色に
染まっている。
  
花の咲く場所をだいたい把握しているので、時期が
来ると、見にいかずにはおれない。
散歩も目標地があると、歩も軽やかになる。
だから、今日は「キツネノカミソリ」まで来たのだ。
   
   
   
 刈草の匂うキツネノカミソリよ     茜
  
 
   
   
秋の季語;キツネノカミソリ

2011年8月13日土曜日

水遊び


 石を丸く積んでいた。
こうして置くと隙間から魚が入り、出る時には
あわててすぐには出れないのだそうだ。
・・と聞いたことがある。
子供達は飽きたのか、離れた所で魚釣りを
始めていた。
   
子供時代はすぐに終わる。
暑い日の盛りでもいとわないで走りまわり、
汗しても気にならなかった頃、
水辺での遊びは事のほか楽しかった。
川の水が入らないように、岸辺に石を積んで
小さな囲いを作っても、水はどこからともなく
入ってくるのだ。
小さな小エビを入れていても増えてくる水と共に
どこかへ消えてしまうのだった。
懐かしい石を積んで作った輪、きれいな輪に
しばらくみとれていた。
   
   
      
 石積んで水に抗う水遊び      茜
 (いしつんでみずにあらがうみずあそび)
    
 自転車を草に投げ出し水遊び    茜
   
  
夏の季語;水遊び、夏休み

2011年8月10日水曜日

端居(はしい)


 ブルーベリーの木が2mを超えている。
庭の隅に植えて10年以上も経つと、実も大きく
なったような気がする。
1週間採るのを忘れていたら、一度でこんなにとれた。
両手に余るほどの収穫だ。
夕方通りかかった友人を招いて、一緒に摘んだ。
摘みながら食べてしまう。
1cm程の小さな粒は、きりなく食べられる。
  
ものの本によると、株立ちの中の古くなった木は
切り捨てた方が新しい芽がでてくるから良いと
書いてあったけれど、まだその気にはなれない。
   
   
      
   
 ブルーベリー手に分け合える夕端居     茜
 (ぶるーべりーてにわけあえるゆうはしい)
 
  手を握る安らぎのあり生身魂        茜
 (てをにぎるやすらぎのありいきみたま)
   
   
 
夏の季語;端居(家の縁先に座る事)、生身魂

2011年8月6日土曜日

木下闇(こしたやみ)


 前日の雨で小径は湿っていた。
敷き詰められた木っ端が、たっぷりと水を吸い
ふかふかと湿っていた。
この森の中の本筋の道は、木っ端で明るい色
だったが横の獣道に入ると、とたんに暗くて細い
でこぼこ道となった。
脇から伸びている枝を払い、落ちている木を跨ぎ
ながら進んだ。
すると、いつの間にか元の明るい小径に戻って
くるのだった。
珍しい草、茸、詳しく見ていると進まない。
ゆっくりと歩いて森林浴を楽しんだ。   
   
   
     
   
 行くほどに水の匂いの木下闇     茜
  
 鳥になり風にもなりし森林浴     茜
  
  
  
夏の季語;木下闇、森林浴

2011年7月31日日曜日

花萱草(はなかんぞう)



 青田となって水は忙しい。
水路は田を縦横に走っている。
苗も丈が伸び、分蘖(ぶんけつ)が始まっている。
分蘖とは、根を張り、根に近い方から枝分かれして
いく事である。
一株が太く、本数が増えているのだ。
この時期は草取りも大変らしい。
苗の列の間に入って、ヒエや雑草を取っていた。
いつもの土手は、萱草の花が盛りで
そこだけ残して刈られていた。
  
   
  
 夏草の影を叩いて水奔る      茜
 (なつくさのかげをたたいてみずはしる)
   
   
 花萱草田にワイシャツの人動く   茜
 (はなかんぞうたにワイシャツのひとうごく)
 

夏の季語;花萱草、夏草

2011年7月28日木曜日

炎暑


 久しぶりに俳句仲間と会った。
場所設定をしてくださった方のお陰で
洋上レストランなる所で句会をする事ができた。
   
確かに海の上で、静かに絶えず揺れていた。
180度見渡せる窓からは、
遠くにベイブリッジが見え、その間を観光船が何艘も
行き来していた。その船着場もこのレストランに
隣接しているのだった。
是非また来たいと思った。
   
日本丸は文部省の航海練習帆船で、今はビルの前に
停めて博物館になっている。
   
   
 
 日本丸街に炎暑の綱緩む       あかね
 (にほんまるまちにえんしょのつなゆるむ)

   
 ベイブリッジの点滅あえか夏霞    あかね
 
  
 
夏の季語;炎暑、夏霞

2011年7月24日日曜日

煙の木(スモークツリー)


 ただ座っているだけで汗ばんでくる。
朝は涼しいと感じたが、午後からはそうはいかなかった。

散歩の途中で観る「煙の木」はふわふわとして
遠目には煙のように見える。
葉の色が赤と緑の種類があるようだ。
この家の様子はわからないけれど
煙の木がお洒落な佇まいを彩っている。
   
   
   
   
 風死して吐息の如き煙の木     茜
 (かぜししてといきのごときけむりのき)
   
   
夏の季語;風死す

2011年7月19日火曜日

玉虫


 遠回りの散歩をしていると、いろいろ
落ちているのをみつける。
何の実だろうと思いながら拾ってしまう。
どんぐりまでは分かる。
丸いのはサルナシの実?だろうか。

玉虫の翅は、死んでも色を失わないようだ。
生きている時と同じような色だが死んでいるのだ。
箪笥の中に入れておくと着物が増えるという俗信が
ある。法隆寺の玉虫厨子にはこの翅が用いられている。

      
    
 玉虫の己が死知らぬ色あわれ        茜
 (たまむしのおのがししらぬいろあわれ)
      
 玉虫の死を受け入れぬ色として       茜
 (たまむしのしをうけいれぬいろとして)
     
   
  
夏の季語;玉虫

2011年7月15日金曜日

楊梅(やまもも)、山桃


 楊梅(やまもも)は暖地の山地に自生するそう
ですが、樹形がいいので庭木にもされています。
一枝いただきました。
バス通りの歩道に1cm位の実がポトリポトリと
落ちているのが目につきます。

実は甘酸っぱくて、種に付いている実を歯でこそげ
るようにして食べます。
ほのかに針葉樹のような香り。
幼い頃に食べた懐かしい味。

これを「果実酒」にしましょう。
ワインレッドの楊梅酒ができるでしょう。

  
 
  故郷の山の匂いよ楊梅は     茜
  (ふるさとのやまのにおいよやまももは)

やまももと知らずに踏みて人通る 茜
   
  道ふさぐ蛇の屍まわれ右     茜
  (みちふさぐへびのしかばねまわれみぎ)  
   
   
   
   
夏の季語;楊梅

2011年7月10日日曜日

茄子(なす)


 輝くばかりの茄子です。
ご近所の友人が採ったばかりの茄子を
自転車で届けてくれました。
 
さっそく紫蘇と塩揉みにしました。
いつもあちこちから頂く野菜はどれも新鮮そのもの、
切り口がまだ濡れています。
じゃがいもは、皮が洗っただけで剥けてしまいます。
いずれも家庭菜園で収穫した野菜ばかりなのです。
ありがたい事です。
   
   
   
 摘み取りし両手の茄子のキシと鳴く     茜
  
   
  
夏の季語;茄子

2011年7月4日月曜日

泰山木の花(たいざんぼくのはな)


 小学校の裏門に咲いていた。
大きな花は、ちょうど数え易いかのようにまばらに
咲いている。
日を溜めて、白く輝く高貴な雰囲気がする花だ。
葉は艷があり、朴の花と見分けやすい。
花の写真を撮った後は、あまり気に止めないので、
この花が崩れるように散るのか、ある日突然落ちる
のか、まだ知らない。
   
   
    
  泰山木花の見下ろす登校児    茜
  (たいざんぼくはなのみおろすとうこうじ) 
    
  葉は雨を払う泰山木の花      茜
  (ははあめをはらうたいざんぼくのはな)
   
   
  
夏の季語;泰山木の花

2011年6月30日木曜日

翡翠(かわせみ、ひすい)


    (嘴の黒い雄、 下嘴の赤いのは雌)
 翡翠(かわせみ)はしばらく動かなかった。
この川をテリトリーとして下流から上流へ
又逆方向へと飛ぶのを止めない。
その翡翠が、川の曲がり角の土手に休んでいたのだ。
大きな目には何が映っているのだろう。
一年を通して見られる鳥だが、色の涼しさから
夏の季語とされるようだ。

川幅2m、水嵩50cm程の小川をこの世と
忙しく飛び回っているのだ。
私の動体視力では追うことは出来ない。
今日はどこに出没しているだろう。
  
  
  
 翡翠の飛ぶや光となりにけり     茜
 (かわせみのとぶやひかりとなりにけり)
    
 翡翠や風も日も澄む山暮らし     茜
  
  
夏の季語;翡翠(かわせみ、ひすい)

2011年6月27日月曜日

早苗田(さなえだ)



 田植えのすっかり終わった峡(かい)は
湿気か水蒸気のようなものに満ちていた。
空気がすでに濡れているのだ。
降りそうで降らない天気は、向こうの山々を
煙らせていた。
梅雨霞という季語がありそうに思った。
  
畦の花は「イヌゴマ」です。(絶滅危惧種)
年配の方が作っていらした田んぼでしたが、とうとう
今年は作られませんでした。草が繁ってしまった
田の畦に咲いていました。
   
   
   
 峡一つ濡らしていたる植田かな    茜
  
 苗の列我が田のごとく眺めけり    茜
  
 早苗田へ音を消しつつ入る水     茜
  
  
  
夏の季語;早苗田

2011年6月24日金曜日

ジャカランタの花


 ジャカランタの花です。
リスボンのある街道の並木となっていました。
10Mあるような高い樹から、まだ3Mの若い樹も
ありました。
しばらく佇っていると、甘い香りが降りてきて
散った花を拾いました。
以前最初にこの樹を見た時の感動が今もあり、
紫の塊に見える房咲きのジャカランタの
樹を見つけるとうれしくなりました。
   
   
   
 ジャカランタ咲いて日除けを伸ばしけり   茜
 (じゃからんたさいてひよけをのばしけり)
   
   
夏の季語;日除け

2011年6月21日火曜日

素足(すあし)


 街角で見たドイツのパン屋さん。
噛みごたえありそうな、大きい黒いパン。
柔らかい食パンに慣れている私達にとって
手ごわい感じ、酵母の匂いも違います。
   
旅を終えて帰国しました。
庭は草茂り、梅雨、と季語の世界へ
戻ってきました。
家の匂いをはっきりと感じるのは、帰った時の
瞬間でしょうか。
我が家はそこはかとなく黴の匂いでした。
   
   
   
 久に踏む素足よろこぶ畳かな    茜
 (ひさにふむすあしよろこぶたたみかな)   
   
   
夏の季語;黴(かび)、素足(すあし)

2011年6月16日木曜日

お花畑(おはなばたけ)


   (アイガー南壁を望むグリンデルワルトにて)
 子供の住むドイツからスイスまで片道飛行機代
6千円程で行けるというので、急遽行く事にした。
目的地はユングフラウヨッホである。
3454Mの高さまで岩山の中をくり貫き登山鉄道が
通っているのだ。
岩の中のトンネルを抜けて下車すると、
そこは3454Mの地である。
氷河と万年雪の世界、
ふらふらする感じだった。
  
登山鉄道の脇の花畑のきれいな事。
見たこともない花がいっぱい。
あー!いう事なし・・です。
   
   
   
 アイガーを望むテラスやお花畑     茜
 (あいがーをのぞむてらすやおはなばた)
   
  
  
夏の季語;お花畑