2010年12月22日水曜日

落葉


       (写真はくぬぎ林です)
 フィトンチッドという言葉がある。
ある木の前を通りすぎる時、なんとも言えない
杉系の良い香りがした。
踏んでいる落ち葉は、柔らかい感触がした。
見上げる高い樹は何という樹だろうと気になった。
調べると「メタセコイア」。
曙杉とも言い原産は中国らしい。
オレンジがかった色の落葉だった。
少し集めて拾って持ち帰り、家の中に置くと
暖房の熱でほのかな香りがたった。
森の中にいるような「フィトンチッド」
を体験するような感じを楽しんだ。
   
   
  
 歓声の子と踏む落葉匂いたつ  茜
(かんせいのことふむおちばにおいたつ)
  
冬の季語;落葉

2010年12月18日土曜日

蒲団干し(ふとんほし)


 くつしたの刺繍は、約30年前アメリカで息子達に作ったものです。
今もクリスマスの時に出して飾ります。
夫のアメリカへの赴任に伴い5年を過ごしました。
見るもの全てが、映画、テレビで観た風景そのまま
でしたから驚きの連続でした。
英語を勉強し直し、高速道路の網の目のような
インターチェンジの上り下りを練習し、
子供を現地の学校、日本語補習校へと送り迎え、
料理を習い、ご近所とのお付き合いと
毎日が大忙しの日々でした。
今思えば、あれが精一杯だっただろうと
若かった自分を労いたい気持ちです。
  
明日はドイツから孫達が帰国します。
  
  
  
 帰りくる増えし家族の蒲団干す  茜
 (かえりくるふえしかぞくのふとんほし)
  
    
冬の季語;蒲団、蒲団干し

2010年12月15日水曜日

寒林(かんりん)


 夕映えは、つかの間の華やぎだ。
大山はもう黒々としてきた。
標高1250mの6合目あたりの寒林である。
山の端にすっかり葉の落ちた樹々が見える。
その向こうには何が見えるのだろうか。
次ぎに振り向いた時には茜色はなかった。
        (望遠で撮りました)
  
  
  
 寒林の向こうの夕日闇連れて    茜
  (かんりんのむこうのゆうひやみつれて)
  
 
  
冬の季語;寒林

2010年12月11日土曜日

冬木立(ふゆこだち)


 玄米を水に浸した。
日向水くらいの温度にして一日置くと
「発芽玄米」となる。
米の先に見えない程のわずかな突起物が
できる。それが発芽した証拠だ。
窓から差し込む陽は冬木の影を揺らした。
  
時どき食べたくなる玄米食。
白米に混ぜて炊いても良いし、玄米だけに
する事もある。発芽した玄米は白米と同じ
位に柔らかい。
香ばしく噛み締める味がいいのである。
  
  
 玄米を浸す水に揺れ冬木立     茜
 (げんまいをかすみずにゆれふゆこだち)

 生きるとは削ぎ落としゆく冬木立  茜
  
冬の季語;冬木立

2010年12月8日水曜日

冬灯(ふゆともし)


   (写真は変わりました)
 ドガの踊り子をイメージして作った「ポーセレンレースドール」です。(白磁製人形)
白磁のゆるい粘土を、綿レースに沁みこませ服を
着せるようにして一段づつ形成していきます。
顔手足は型どりして、好みの形に作り
1200度の電気炉で焼きあげます。
教室を開き個展もしましたが、糸の一本づつに神経を巡らせ粘土が均一に付くように筆で載せていく作業はもう今は出来なくなりました。   
永遠に色褪せもなく少女のままの人形、疲れも見せ
ずガラス戸の中に座っています。
   
    
  
人形に描く眼差し冬灯        茜
  (にんぎょうにえがくまなざしふゆともし)

  
冬の季語; 冬灯、冬ともし
  
(PCのクリーンアップ)
スタート→すべてのプログラム→アクセサリ→
システムツール→デイスククリーンアップ

2010年12月4日土曜日

鬼胡桃(オニグルミ)


 夏 青い胡桃をつけていた樹に会いに行くと
葉も実もすっかり落ちて、裸木となっていた。
小川へ半分倒れるように傾いで立っていた。
  
実は、樹の下の枯葉に隠れるようにして
散らばっていた。
果肉に包まれたまま、黒く朽ちている。
鬼胡桃は、種が落ちてくる種類とは違い、
果肉も一緒に落ち朽ちるようだ。
この樹の持ち主もわからず、私は山の神さまに
許しを請うて拾った。
  
写真は黒い小さな方が鬼胡桃です。
きれいに洗って干しています。
  
  
 鬼胡桃広げし紙も乾きゆく    茜
  (おにぐるみひろげしかみもかわきゆく)
  
秋の季語; 胡桃、鬼胡桃

2010年12月1日水曜日

ヒヨドリジョウゴの実


「宝石みたい!」と友人は称していた。
ヒヨドリジョウゴの艶やかな珠は本当に
そう形容したかった。
  
蔓性で、葉は朝顔に似ている。
ハート形の葉は山芋の葉です。
この実には、毒があるのを知っていたから
口にはしなかった。さすがに・・

里山が近いとはいえ、この赤い実は
マクドナルドの裏手で見つけたもの。
ちょっと脇道に入ると、昔の街道そのままに
一間幅の道がある。
鳥の眼になって歩いてみるのも面白いと思う。
  
  
 
 赤き実に道を逸れきし小春かな    茜
  (あかきみにみちをそれきしこはるかな)
  
冬の季語; 小春(春のように暖かい晴れた日)

2010年11月27日土曜日

茸(きのこ)


 歩いていると、「なめこ」を売っていた。
大きいなめこである。
裏山で採れた天然なめこという。
傍にいた小父さんが、うれしそうに言った。
    
写真の皿は直径28センチ、柿と蜜柑と
比較しても「なめこ」の大きさがわかるでしょう。
付いていた朽ちた葉を取り除き、
バター炒めにして、
山のおすそ分けという気持ちで頂いた。
  
  
 土匂う朽ち葉の匂う茸かな    茜
  (つちにおうくちばのにおうきのこかな)
  
秋の季語; 茸  

2010年11月24日水曜日

鴛鴦(おしどり)


 鴛鴦(おしどり)の オスの冬羽はきれいだ。
尾の前に、黄色のイチョウ羽といわれる羽根をたてる。 
メスは鴨に似た地味なグレーらしい。
オスもまた夏羽の色はグレーになり鴨に似るという。
  
この日は雄が一羽だけいた。
メスは近くで巣作りをせっせとしているようだ。
鳥のメスは働き者、誰かに似ている。
小さな小川にくるくると回っていた。
人家の少ないこの辺りは水が澄んでいた。
  
  
 鴛鴦の尾より流れて又のぼる     茜
  
  (おしどりのおよりながれてまたのぼる)
  
冬の季語; 鴛鴦(おしどり)

2010年11月20日土曜日

シオデの実


 シオデの実です。
春のシオデの芽は旨さでは山菜の女王とも
言われ、アスパラに似た味という。
これでユリ科の植物、蔓性である。
  
黒い実を見かけて、さっと前の葉を払うと、
こんなにどっさりの実が隠れていた。
艶やかで、和菓子の鹿の子にも似ていた。
否、鹿の子がこの実の真似をしているのだろう。
  
実の味はたいした事はなかった。
少しぬるい甘さを感じた程度だった。
花の後には実になるのが普通だから
探せば他の植物の実も見つかるかもしれぬ。
  
  
 時雨きて山から烟るシオデの実      茜
  
  (しぐれきてやまからけむるしおでのみ)
  
秋の季語; 時雨

2010年11月17日水曜日

くちなしの実 飯


 くちなしの実が色づいていた。
鳥達が好んで食べにくる。
食べられてしまう前に少しいただいた。
  
この時期に一度は炊いてみる「くちなし飯」です。
中の赤い種を水に浸すと、黄色い水ができる。
その水でご飯を炊くだけです。
染料にもなるほどの色の鮮やかさ。
無味無臭、花の香りはありません。
楽しんでます。
  
  
 くちなしの実のつやつやと通学路      茜
   (くちなしのみのつやつやとつうがくろ)
  
秋の季語; くちなしの実、梔子

2010年11月14日日曜日

おおにしきそう(大錦草)


 おおにしきそう など今まで気にも留めなかった。
道端の目立たない雑草だった。
たまたま接写してみると、なんと実が色ずいている。
実は1ミリ程度だから、わからなかったのも当然である。
  
草丈20~30センチの帰化植物だそうだ。
青かった実も真っ赤になった。 
形はまるで小さな桃のようだ。
雑草というのは返上です。  

  
  
 ジョギングの視野に飛び込む草紅葉     茜
    (じょぎんぐのしやにとびこむくさもみじ)
  
秋の季語; 草紅葉

2010年11月10日水曜日

山ぶどう

 
 山ぶどうはワインにする位だから美味しいに決まっている。
直径8ミリほどの小さな粒だ。
口に入れると野性味のある甘さだった。
充分に熟れているので、酸味は無かった。
  
間違えやすいのに、「野ぶどう」がある。
こちらは、鮮やかな水色や青色の粒で食べられない。
山歩きはこんな楽しみがあるのだ。
竹に絡まってから、私の頭の高さに下がっていた。

  
  
 山ぶどう裏山という呼ばれ様        あかね
   


  
秋の季語; 山ぶどう、野ぶどう

2010年11月7日日曜日

ふくろみもくげんじ(袋実もくげんじ)


 フクロミモクゲンジの実があたり一面敷き詰めていた。
10メートル四方あるだろうか。
どこから散ってくるのか、その樹はまわりのすずかけの木に隠れて見えなかった。
ようやく葉の間から高い天辺に実がついているのがわかった。
そのわずかに見える空からフワリと実は落ちてきた。
  
まんさくのような黄色の花から、この実の形へどのよ
うにしてなるのだろうか。
苞の間に丸い実が挟まれている。
小石川植物園の一角にこんなロマンチックな場所が
あろうとは。  又行きたいと思っている。
   
   
  葉隠れの空より木の実降りてくる     茜
    (はがくれのそらよりこのみふりてくる)
  
  
秋の季語; 木の実

2010年11月3日水曜日

秋桜(あきざくら)、こすもす


 このコスモス畑の前で胸をうたれた。
美しい、さりながら雨風に翻弄され一本として真っ直ぐ
立っている花は無かった。
倒れながらも、半身を起こそうとしている形だ。
  
山陰の小さな捨て畑に、せめて種を蒔いて労ったのだろう。
昔ながらの、素朴な色のコスモス達だった。
美しさと哀れさを詠みたいけれど難しいです。
   
   
  こすもすのうねりは風を呼びやすく   あかね
   
  捨て畑の風の荒らぶる秋桜       あかね
  (すてばたのかせのあらぶるあきざくら)
  
秋の季語; こすもす、秋桜(こすもすのこと) 

2010年10月30日土曜日

林檎(りんご)


             (りんごの名:秋映、あきばえ)
 志賀高原から長野市の方へ降りていくと「アップルライン」
という林檎畑の中を走る道路がある。
林檎狩りの看板が並んでいた。
種類によって赤い色もいろいろだった。
  
林檎の木は赤い実をつけて美しかった。
いかにも重たげに下がっている。
もぎ取り易く下がっているようにもみえた。
   
   
  飛び跳ねる少女りんごの匂いして      茜
  
   (とびはねるしょうじょりんごのにおいして)
  
秋の季語; 林檎

2010年10月27日水曜日

山薄荷(ヤマハッカ)


 夕暮れの早い山影は少しひんやりとする。
長かった夏を思えば極楽のような気候だ。
稲刈りも済んでしまい、気の抜けたような田んぼがある。
  
今年は赤トンボもあまり見なかった。
暑さと涼しさのバランスはどうなのだろうか。
そんな中、草花はしぶとく生きている。
山薄荷の匂いはほとんど無いと本には書いてあったけど
水色の花を揉むとわずかにハッカの匂いがした。  
・・・したような気がした。
     
   
    
  十月の夕日届かぬ山薄荷      あかね
  
   (じゅうがつのゆうひとどかぬやまはっか)
  
秋の季語; 十月

2010年10月23日土曜日

NHK俳句日和


 外出から帰ってテレビをつけると「NHK俳句日和」
が始まっていた。
今日の兼題「曲」が提示され、すでに投句締め切り時間
が迫っていた。 すっかり日にちを間違えていたらしい。
  
あわてて「曲」という文字を入れてPCから投句した。
それが、なんと、なんと、最終予選18句の中に
残ってしまったのだ。
全国からの応募総句数 8793句の中からである。
興奮したのは言うまでもありません。
残念ながら決勝には進めなかったけれど、うれしかったです。
写真は、選者 岩岡中正先生が解説しているところです。
   
  
 川霧を載せたる川の曲がりくる     あかね
  
  (かわぎりをのせたるかわのまがりくる)
  
秋の季語; 霧

案山子(かかし)


         (クリックすると大きく見えます)
久しぶりに案山子を見た。
へのへのもへじの顔が懐かしい。
隣へ少し小さな案山子が立っている。
  
こちらの顔は口紅が鮮やかだ。
よく見ると、手は細く分かれた枝を挿している。
手の繊細さに感心した。
ずっと仲良く二人で立っていたのだろう。
  
 
  
 棒の手を重ねて対の案山子らし     茜
  
  (ぼうのてをかさねてついのかかしらし)
  
秋の季語; 案山子(かかし)、稲の秋

2010年10月17日日曜日

唐辛子


道端で100円で買った唐辛子です。
窓辺に吊るすと輝いてみえます。
料理には余り使わないので、クリスマスの飾りに
する事にしましょう。
  
その無人店には、毎日いろいろな季節の野菜が置かれ
ます。 新生姜、かぼちゃ、大根の間引き菜、茄子等。
散歩のついでに覗きます。
秋の季語になる野菜ばかりですね。
有難い無人店です。
   
   
  吊るされて何したたらす唐辛子       茜
  
   (つるされてなにしたたらすとうがらし)
  
 秋の季語; 唐辛子
  

2010年10月13日水曜日

飛蝗(ばった)、 きちきち


 草むらから突然飛び立つ飛蝗は、草の色をしている。
気配に足もとを見た時は、すでに飛び立っている。
飛ぶと又草むらに着地するので、姿を探すのは容易では
ない。
  
この飛蝗は、片足が無かった。
人に捕まる時に落としたのかもしれない。
アレ、そう言えばこの前捕まえようとした事があるから
あの時の飛蝗かな。
  
  
 きちきちの直線飛行すぐに果て      茜
  
  (きちきちのちょくせんひこうすぐにはて)
  
秋の季語; きちきち(キチキチと翅を鳴らすばったの事)

2010年10月8日金曜日

一位の実(いちいのみ)


 通学路に沿って生垣が「一位の木」のお宅がある。
緑が濃い中に赤い実をつけていた。
そのままクリスマスツリーになりそうな色合いだ。
  
その実を一つ口に含んでみた。
甘かった。 種はプッと出した。
食べられると聞いたような気がしたけれど
帰宅してから調べてみると、種は猛毒とある。
米国の馬の死因の上位に「一位の実」を食べた事が
書いてあった。
ぞ~っとしました。  
もう道端で木の実の類は食べませーん。
  
  
 毒と知るはふふみし後よ一位の実      茜
   (どくとしるはふふみしあとよいちいのみ)
  
 手を挙げて交わす挨拶一位の実       茜
    (てをあげてかわすあいさついちいのみ)
  
  
秋の季語;一位の実

2010年10月3日日曜日

曼珠沙華(彼岸花)、 桃


 曼珠沙華は早くから咲いてもう盛りを過ぎようとし
ている。それでも、夕方草むらで見る華は幻想的だ。
  
少し歩くと、谷戸(やと)の人家を見下ろす所へ
出る。 山の影になって日暮れの早い村に灯が
つき始めた。 
この頃、あちこちから煙が昇っている。
今日の終いの草を焼いているのだろうか。
細く青い煙は谷戸を出ていかず、ゆっくりとそこらを
覆いながら広がっている。
  
この状景を句にしようと試みてきましたが、難しい
です。写真は望遠にして撮りました。  
  
   
  桃剥いていたわる言葉探しおり       茜
      (ももむいていたわることばさがしおり)

谷を這う煙の青く曼珠沙華        茜
       (たにをはうけむりのあおくまんじゅしゃげ)
   
     
秋の季語;  桃、 曼珠沙華

2010年9月30日木曜日

岩魚(いわな)


 今日が最期の岩魚釣りの日です。
明日10月1日から4月まで禁漁期になります。
夫は早朝から出掛けて、5時間程で帰ってきました。
まずまずの釣果でしょう。

上から山女、岩魚、甘子(あまご)の順です。
一番大きい岩魚は体長27センチほどあります。
赤い側線があるのが甘子だそうですが
私には見分けがつきません。
これから腹を出して、さっと乾かしてから
焼いていただきます。


 口かっと開いて岩魚の冷たさよ      茜 
   (くちかっとあいていわなのつめたさよ)
   
 下げ帰り塩ふるまでが山女釣り      茜
    (さげかえりしおふるまでがやまめつり)
  
 
  
夏の季語; 岩魚、山女(やまめ)

2010年9月26日日曜日

生姜糖


棗(なつめ)の砂糖煮、干し棗を作ってみました。
上段は、生姜糖です。
  
生姜糖は、生姜の薄切りを砂糖で煮たものでお茶受けに
しています。 ほとんど辛さ抜きはしていないので、
あまりの辛さにお茶を何杯もおかわりします。
しかし、砂糖の甘さで又つい食べてしまうのです。
  
その御蔭さまで、冷え症が治ったような気がします。
体を温めるという効能があるようですから。
干し棗は、スープに入れてみようと思います。
今日は赤い唐辛子も無人店に売っていました。
  
  
 灯さねば孤独なビルよおけら鳴く    あかね
  
   (ともさねばこどくなびるよおけらなく)
  
秋の季語; おけら鳴く 

2010年9月22日水曜日

楤の花(たらのはな)


旅人のように歩いている。
毎日みていても、草木はいつも新しい。
昨日の丈を越えて更新している。
  
さてこの花は何だろう。
ついこの間までは見なかった花だ。
通りがかりの人に聞くと、「たらの花」と教えてくれ
た。そういえば、春、手の届きそうな所にたらの芽が
あった。それが、大きく葉を広げて花をつけていたのだ。
  
最初は薄緑の花だったが、日が経つと黄色を帯びてきた。
実を付けるのだろうか。
この花を知ってからあちこちにたらの木がある事がわかった。

    
  遊行忌の風の高さを鬼やんま      茜
     (ゆぎょうきのかぜのたかさをおにやんま)
    
  削られて山また低くたらの花      茜
     (けずられてやままたひくくたらのはな)
   
    
  秋の季語; たらの花、 鬼やんま(とんぼ)

2010年9月18日土曜日

レモンユーカリ


レモンバーベナとばかり思って育ててきた。
香りが素晴らしく、木の下を通るとき爽やかなレモン
の香がする。
押し花にして、ノートに挟んだりバッグに入れて
楽しんできた。

ところが、木の丈が高いこと、葉が硬くて毛が
うっすらとあること、ケーキにいれて使うには硬す
ぎる事等から、ユーカリ系ではないかと疑問を
持ち始めた。
  
やはり、レモンユーカリだったのです。
コメントしてくれるべにしださんが調べてくださって
判明しました。
ユーカリとわかってうれしいような、がっかり
したような気持ちです。
でもバーベナもユーカリも口に入れても良い葉
だったのでホッとしました。
友人達にはレモンバーベナと信じて差し上げて
いたからです。
今朝採集して「レモンユーカリのリース」を作りま
した。とても良い香りのリースです。
    
   
  
 新涼の戸を繰る風に触れながら       あかね
  
  (しんりょうのとをくるかぜにふれながら)
  
 秋の季語; 新涼

2010年9月11日土曜日

葡萄ぶどう)、無花果(いちじく)



葡萄の紫が美しくて、食べかけだったが描いてみた。
上絵付けの絵の具で描き、約800度で焼き付たものです。
  
葡萄の色は何とか出せたと思いますが、やはり違うものになったようです。
みずみずしい葡萄の持つ精気というものは失せている。
薄い皮の表面に付いた白い粉のようなものは、新鮮さの
表れといってもよいものでしょう。
そんないきいきとした色は描けません。
でもケーキ皿にはちょうどいいことにしましょう。
  
無花果の葉の濃い緑が気にいっている。
果物も花も、葉の緑があってこそ美しさがあるように思う。
  
  
 一粒の気の薄れたる葡萄かな       茜
  
  (ひとつぶのきのうすれたるぶどうかな)
  
秋の季語; 葡萄(ぶどう)、無花果(いちじく)

2010年9月7日火曜日

栗. 棗(なつめ)


思い切って訪ねてみました。
広い屋敷続きの裏の畑の竹薮の端に忘れられたように
生っている棗(なつめ)とはいえ、1,2個いただけ
ませんかと許しを請うたのだ。
こころよく一枝譲って戴きうれしく帰ろうとすると
道端に転がっている栗も拾っていきなさいという。
もう拾う人も居ないからと。
  
早生(わせ)の栗らしく、毬は割れて中からつやつやとした
栗が覗いていた。
なんとお土産も付けてもらったのだ。
いつも貰う事が多い、サバイバルな生活ですね。
うれしく申し訳ないような得したような気持ちで帰りました。
 
   
訪ねれば栗を拾っていけと言う     あかね
  
噴水の崩るは息を継ぐごとく      あかね
  (ふんすいのくずるはいきをつぐごとく)
   
   

 秋の季語;栗   夏の季語;噴水

2010年9月1日水曜日

星とぶ、流れ星


  
祭りの終わった後は、暦が急に進んだような気がする。
ガラス玉が一個落ちていた。
ラムネの中のビー玉だろうか。
土星のように、回りに輪がついている。
夏の終わりのように、飛び出していったのか。
     
   
 星とんでビー玉一つ拾いけり     茜
  
 
  
 秋の季語; 流れ星、星飛ぶ

2010年8月27日金曜日

棗の実 (なつめのみ)


棗の実を齧ると 青りんごの味がする。
それも時期と木によっては違うらしい。
去年はみずみずしかったが、今年のはスカスカしていた。
3センチほどのつやつやとした実だ。
茶色の実は、熟れて乾燥が始まった色なのです。
    
木は高く、たくさんの実を付けてしなやかだ。
風を受けて撓る(しなる)強い幹らしい。
茶道具の棗は、この実が由来というのは納得の形だ。
乾燥棗は、中華、韓国料理のスープにはよく使われている。
句は、幾つか作ったので載せます。
    
    
 風入れて青を惜しめり棗の実    茜
     (かぜいれてあおをおしめりなつめのみ) 
  
 熟れながら色の乾涸ぶ棗かな   茜
     (うれながらいろのひからぶなつめかな)

秋の季語; 棗(なつめ) 

2010年8月22日日曜日

糸とんぼ


糸とんぼは、川や水辺の近くで見かけるとんぼだという。
我が家は川と離れているから、そちらから来たという事は
ないだろう。
庭で毎年見るので、住みついている気配だ。
  
庭の隅に直径60センチの水盤を置いている。
水草も結構増えて初夏には花も咲く。
水は取り替えないのに、一年中澄んでいる。
しっかりと根を張った水草の効用だろう。
この水盤が水辺なのだろうか。
  
気をつけて見ないとわからない位の小さなとんぼ。
体長3cmほどだ。
お尻の先の青が目印だ。
ふわりふわりと低いところを飛んでいる。
   
  
 つかの間の朝日に濡れて糸とんぼ       あかね
  
  (つかのまのあさひにぬれていととんぼ)
  
秋の季語;とんぼ

2010年8月16日月曜日

蟻


ハグロトンボ(川とんぼ)だと思う。
胴体の青が美しいトンボだった。
蟻が取り巻いていたが、次ぎの日にはもう無かった。
  
段取りを決めるリーダーが居て、解体作業のうえ
運んでいったと思う。
働き者の蟻にとっては軽々とおごそかに進む作業
ったにちがいない。
  
  
 虫の翅を柩のごとく蟻運ぶ      あかね
  
  (むしのはねをひつぎのごとくありはこぶ)
  
 夏の季語; 蟻

2010年8月11日水曜日

夏野菜


E家との食事会。
シャンパンを持参していらした。
宵の口からのシャンパンはすぐに効いた。
ほろ酔い気分になって、ようやく食べ始める。
  
メーンデイッシュは、真ん中の「夏野菜の香草焼き」
庭のローズマリーとタイムをふんだんに使っている。
塩コショウ、オリーブ油、ニンニクで味付けし
焼いただけだが、野菜の旨味が引き出されている。
  
鳥の手羽焼き、トマトと生ハムのサラダ、空芯菜の
炒め物、スープはトムヤムクン、ピリ辛が暑さに
合っている。
遠くで花火の音がした。
 
   
  
 夕涼しワインとトマト持ち寄れば    あかね
  
  (ゆうすずしわいんととまともちよれば)
  
 季語; 涼し

2010年8月7日土曜日

青胡桃(あおぐるみ)


青い胡桃が葉陰にあった。
鬼胡桃とも言うようだが、つるっとした丸い形と鬼とは
どういう関係なのだろう。
  
向こうの田んぼを流れる水がきらきらと
透けていた。
ゆっくりとした動きだが、たえず流れているようだ。
風で稲がそよぐと水はきらきらを増す。
青胡桃は涼しさを纏っているように思えた。
  
晶晶(しょうしょう)という言葉が浮かんだ。
使い慣れない言葉だが、使ってみたい。
  
  
 晶晶と田水の流れ青胡桃     茜
  
  (しょうしょうとたみずのながれあおくるみ)
  
 夏の季語; 青胡桃

2010年8月3日火曜日

黴の宿(かびのやど)


この暑さで、汗疹(あせも)ができた。
首に流れる汗を拭かずにいたら、一日で出来てしまった。
子供の時以来、覚えがないから50年ぶりだろう。
   
とりあえず軟膏を塗ったが効かない。
そこで温泉に行ってみる事にした。
熱い硫黄の湯に浸かって治そうというのだ。
源泉かけ流しは、はずせない。
気になる宿に予約をして出かけた。
  
帰りには温泉水と湯の花を買って、
おかげでもうすっかり治りました。めでたしです。
  
  
 欄干の赤き橋越え黴の宿      茜
  
  (らんかんのあかきはしこえかびのやど)

 黴の宿明るき窓に爪を切る    茜
   (かびのやどあかるきまどにつめをきる)
    
夏の季語; 黴(かび)、黴の宿

2010年7月26日月曜日

燕の子、巣立ち鳥


この小鳥は何の鳥の赤ちゃんだろう。
まだ産毛のような毛だ。
近所の方が、きっと燕の子だろうと言った。
それにしても、巣は近くに見当たらないから
どこから、どうやってこの位置にまで来たのか。
  
水を近づけると少し飲んだ。
足の爪はしっかりと細い柵を掴んでいる。
しかし、眼は次第に閉じていく。
まわりは大きな鳥が飛び交い騒然としていた。
小鳥を心配しているのだろうか。
獲物として狙っているのだろうか。
   
約20分後、又見に行ってみると
もう姿は無かった。
   
   
 暮れてなお人家離れず巣立ち鳥    茜
   
  (くれてなおじんかはなれずすだちどり)
    
夏の季語; 燕の子、巣立ち鳥(春、初夏)

2010年7月19日月曜日

髪洗う


              (小鮎川の夕暮れ)

「私の髪を洗ってくれないか」
母が亡くなる数年前のある日、突然言った。
八十五歳だったと思う。
一人で東京へ遊びに来ていたから、まだ元気だった。
    
母の髪を初めて洗った。
小さな頭だった。
自分から頭を差し出す仕草にハッとした。
この小さな母から産まれ、こうして母から洗って
もらったのだ。
小さな頭の細い髪を撫でるようにして洗った。
   
  
 吾子のごと屈める母の髪洗う     あかね
  (あこのごとかがめるははのかみあらう)

生き抜きし小さな母の髪洗う     あかね
   
  
夏の季語; 髪洗う

2010年7月13日火曜日

えごの花、登山



坂を下りる時には気づかなかった。
えごの花が散って実になっていたのだ。
帰り道を上る時に、向こうの空が透けて初めてわかった。
   
まわりが緑になってしまい、実がなっても色づくまで
気にならないのだ。
この坂は、春には「ニセアカシア」夏には「桑の実」
「みかんの花」が道路にせりだしてくる。
  
いい勾配の坂は運動する人にはいいらしく早足の人と
すれ違った。モンブラン登頂を目指している人だった。
  
  
  登山帽力のこもる握手かな     あかね
  
   (とざんぼうちからのこもるあくしゅかな)
  
夏の季語;えごの花、 登山

2010年7月8日木曜日

捩花(ネジバナ),もじずり


     (季節の花 300より)
もじずりは、芝の根に奇生するランの一種だという。
螺旋状に捩れている花の付き方は面白い。
右巻き、左巻きもあるようだ。
自然界のものは個性的だ。
どれ一つとして同じものはない。
その個性のまま、大きくも小さくも精一杯生きている。
   
  
  捩り花謝すれば軽くなるものを      茜
  
   (ねじりばなしゃすればかるくなるものを)
  
夏の季語; もじずり、ねじりばな

2010年7月1日木曜日

白い服



白い服は、ワイシャツから作りました。
つれあいが職をひくと、白いワイシャツの出番がほとんど無くなった。
まだ張りのある木綿の生地は、私には素材に見えてくる。
  
一枚はブラウスに、
二枚でスカートを作った。
手持ちのレースをたっぷり付けて。
  
創作の好きな私は、この一枚の布から何を作ろうと
考える時が至福の時だ。
デザインを考え、製図して、裁ち、縫う。
そうして、これまでに何枚の服を作っただろう。
簡単そうに見える服は、家人には人形遊びの延長に見えるらしい。
少し恥ずかしく、少しうれしい 白い服だ。
   
   
  闇空の芯の明るき小暑かな      茜
  
    (やみぞらのしんのあかるきしょうしょかな)
    
夏の季語;白い服、小暑

2010年6月27日日曜日

茱萸(ぐみ)の実



茱萸は秋の季語ですが、栽培用のぐみは今が盛りです。
道路に張り出すように生っていました。
垂れて 揺れて まるで日の雫のようでした。

お菓子のグミはドイツ語のゴムを意味して、このぐみとは
無縁のようです。
いろいろな形、色で子供達は大好きなお菓子です。
   
   
  降りだしてこの夏茱萸の千の揺れ    茜
  
   (ふりだしてこのなつぐみのせんのゆれ)
  
秋の季語;茱萸(ぐみ)

2010年6月23日水曜日

月桂樹(ローリエ)


月桂樹の葉でリースを作った。
近所のお宅で剪定をしていたので、枝ごといただいてきた。
この量で1.2年は使うだろう。

煮込んだスープ、カレー、マリネ等に必ず使うハーブだ。
 新じゃがとベーコンの炒め物、
 それに、ザワークラフト(キャベツ漬)を加えてのスープ、
 小魚の素揚げを酢に漬けて、
そのどれもに月桂樹の葉を使っている。

葉はつやつやとして美しい。
色が褪めていき薄緑の葉になるのもいい。
  
   
 夏の夜の背を反り合いし子持ち魚       茜
  
  (なつのよのせをそりあいしこもちうお)
  
 夏の季語; 夏

2010年6月19日土曜日

桑の実


桑畑があった。
放置されていて、3Mを越す高い木となっている。
昔、養蚕業が盛んだった頃桑の葉をせっせと採ったのだろう。
   
桑の実は、おしげもなく木の枝に黒々と付いている。
揺するとぽたぽた落ちてきた。
付近の方に断わって採らせてもらう。
太い木には親指大の実が付いている。
きりもなく採れるのだ。
幼き日に食べたような記憶がある黒い実。
これは、「マルベリージャム」(桑の実ジャム)にしよう。
   
   
  鈴なりの桑の実空を淡くせり     あかね
  
   (すずなりのくわのみ そらをあわくせり)
  
 夏の季語;桑の実

   

2010年6月15日火曜日

ジャケツイバラ(蛇結茨)


ジャケツイバラは蔓性の植物です。
  
登山口を入ると、すぐに深山渓谷の風景になった。
その周辺を歩くだけの散歩のような山歩きである。
連れ合いは、小さな釣竿を持ってすぐに見えなくなった。
沢へ降りてしまったのだ。
  
渡る風は心地よく、見上げると「ジャケツイバラ」が
谷へつきだすように黄色い花を咲かせていた。
蛇のように絡まる蔓らしく、高さ20M程まで樹に巻き
ついて登っていた。
さまざまな夏草と木の花がうれしかった。
  
気がつくと、木々を渡る風の音、沢から昇ってくる水音が
ざわめきとなって、他に何も聞こえないような空間だった。

   
  薫風や笛で応える山歩き       あかね
  
   (くんぷうやふえでこたえるやまあるき)
   
  夏の季語; 風薫る、薫風
 

2010年6月13日日曜日

すいかずら


三叉路の真ん中に雑貨屋がある。
複雑に交差する道に取り囲まれているように建っている。
  
一本は広いバス道路だ。
それにしても、吸い込まれるように細い道の方へと
車が流れていく。
すれ違う事もやっとの細い道路だ。
その道は、嘗て平塚から八王子へ続く街道だったらしい。
道路がまだ街道しかなかった頃、この雑貨屋は村の中心で
村役場、宿等が周りにあり賑わっていたという。
土手の上から「すいかずら」のいい香りがした。
    
       
  抜け道はかつて街道すいかずら      あかね
  
    (ぬけみちはかつてかいどうすいかずら)
  
夏の季語; すいかずら、(忍冬、金銀花)

2010年6月12日土曜日

花の名前


この花の名前は何でしょうか。
どなたか教えてください。 



「コバノズイナ」  とわかりました。有難うございました。






  

2010年6月10日木曜日

新じゃが


新じゃがの旨い季節になった。
つるりと剥ける薄皮、ほくほくとした食感はなんともいえない。

花が咲くと収穫時だ。
小さな菜園を借りていた時、収穫したじゃがいもの大きさに
感激したものだ。
花はなんとも地味で、花の奥にある薯だけに関心が集中していた。
茎を持って引くと薯がいくつも下がって出てくる。
土の柔らかさと、まだ薯が埋まっているかもしれないという思
いで いつまでも掘り続けたものだった。
   
   
登りきてバス終点や薯の花       あかね

  (のぼりきてばすしゅうてんやいものはな)  
     
夏の季語; 馬鈴薯の花   秋の季語;馬鈴薯(ばれいしょ、じゃがいも)

2010年6月7日月曜日

田植え

田植えが始まった。
行きつ戻りつして植えている。
一列づつ植えていくやり方だった。
  
真っ直ぐな苗の列が不思議で、聞いてみた。
「足跡の上を戻るから平行になるのだよ」
と答えてくれた。
一人で半日もかからないそうだ。
  
外国に住んでいる友人がこのブログを時々見てくれている
この田植えを懐かしく思ってくれるだろう。
     
   
      
  湖近く早苗は風に慣れずおり        あかね
  
   (うみちかくさなえはかぜになれずおり)
  
夏の季語; 早苗

2010年6月5日土曜日

落とし文


落とし文は「オトシブミ科」の甲虫が作る卵入れのようなものだ。
道端に点、点と落ちていた。
見上げると、広葉樹らしい丸い葉が柔らかく日を
通していた。

以前拾った時のは、堅くきっちりと巻かれていたが、
今年のそれは、柔らかくてそっとつまんで持った。
どうかすると解けてしまいそうな巻き方だった。
木の葉の種類によって違ってくるのだろう。
   
  
  落とし文ほどけそうなる一つあり       あかね
  
    (おとしぶみほどけそうなるひとつあり)
  
夏の季語; 落とし文