2011年2月10日木曜日

寒禽、耕し


耕しは始まっていた。
物寄峠という旧街道の石碑を見てしばらく歩くと
突然畑は広がっていた。
陽の差さない北斜面の畑は、長い冬の間じっと
春を待っているのだ。
返されて黒く湿った土は、寒さに触れさせて
害虫を駆除しているのだろう。
これから春に向けて何が蒔かれるのか楽しみに
していよう。

木々の芽吹きは確かではないけれど、うっすらと
紅を被っているように見えた。
   
   
   
 寒禽の緩まぬ速さ野へ出づる     茜
  (かんきんのゆるまぬはやさのへいづる)
  
  
冬の季語;寒禽   春の季語;耕し