2009年9月30日水曜日

ザワークラフト

ザワークラフトの酸っぱさが好きで、もう1年も作り続けている。キャベツの漬物である。   
  
<失敗しない作り方>
  キャベツ    1個 を千切りにする。
  塩        小3 (少ないように見えるがこれは厳守)
  ローリエやフェンネルの葉を入れても良い。
    
上の材料をビニール袋に詰めて空気を抜く。
「真空パック状態」にするわけです。
そうして常温で4日目が、この写真だ。キャベツ1個分である。
酸っぱさ80%  自然発酵の酸っぱさ、いい出来である。
あと2日も置いたら、冷蔵庫へ袋のまま
真空パック状態で保存する。
ビニール袋を使って、最後まで空気に触れさせないのがコツだ。
    
<紫蘇酢>
  お酢の中に青紫蘇を入れるだけ。
  紫蘇の香りの酢が出来る。まろやかな味だ。
  冬になって使うと、きっとうれしい食卓になるだろう。   
   
 瓶詰のラベル張替え小鳥来る      あかね
      (びんづめのらべるはりかえことりくる)
水澄みて身の内に湧く風少し      あかね
      (みずすみてみのうちにわくかぜすこし)
       
小鳥来る、水澄む(秋の季語)
  

2009年9月26日土曜日

ナンバンギセル

空き地の芒(すすき)がきれいに刈られていた。
通りかかると、そこにおばあさんが小さな背を丸めて
しゃがんでいた。  具合でも悪いのだろうかと思い、
 「どうかなさいましたか」と声をかけた。
      
おばあさんはヨロヨロと立ち上がると
握り締めていた手のひらをゆっくりと開いてみせた。
何本かのマッチ棒のように見えた。
 「それは何ですか」
 「ナンバンギセル」  ぽつりと答えた。

初めて見るこの花が、「ナンバンギセル」なのか。
名前だけは知っていた私は、
感激して一緒にさがす事になった。

芒原旧知のごとく笑いあう       あかね
 (すすきはらきゅうちのごとくわらいあう)  
     
丈は10センチくらい。芒の根に寄生しています。
別名「思い草」ともいわれているこの草は万葉集にも
詠まれているようです。
         
道の辺の尾花がもとの思い草いまさらになどものか思はむ
                      (詠み人知らず)

2009年9月23日水曜日

ツルボ


実りが豊かに見える田んぼほど、畦や土手の花がきれいだ。
   
持ち主がしょっちゅう来て、田んぼの草を抜いたり、
土手を刈っているから、よく花が咲く。
一方雑草の多い田んぼの土手は、草に埋もれて
花は見えないのだ。
他人の田んぼながら、雑草の混じった田の収穫は
どうなのだろうと気になってしまう。
それほどよく通っている場所だ。
薄紫のツルボが、今年も咲いていた。
  
 一本のすすきを持ちて歩きけり   あかね
   
   (いっぽんのすすきをもちてあるきけり))
  

2009年9月18日金曜日

秋海棠(しゅうかいどう)


我が家の狭い庭に、ピンクの秋海棠(しゅうかいどう)が
1ヶ月も咲き続けている。
庭に咲く花は、ほとんどが多年草、宿根草である。
冬は枯れて何も無い庭となる。
言い換えれば、ほったらかしの庭だ。

地面には土が剥き出しにならないように、ヒメイワダレソウを
這わせている。
夏の照り返しを防ぎ、雨の日は泥 よけとなっている。
朝、庭に降りてしっとりとした草花に触れるのが楽しみだ。
   
 日の差して花野明かりの狭庭なる      あかね
  
  (ひのさしてはなのあかりのさにわなる)

花野(秋の季語)

2009年9月14日月曜日

新涼(しんりょう)


ロンドンのアンテイーク・マーケットに行った時
「パンたて」を買った。
焼いたパンを立てておくのである。
8枚切のパンをカリカリに焼いて、それを二つに切り
三角の薄いパンを立てておく。
宿泊したB&Bでは毎朝そうして出てきた。

息子達が居た頃は、朝からどんぶり飯だったので
パンはおやつでしかなかった。
今二人の生活になって、朝食はパンになった。
    
   
 新涼や銀器を一つ卓に置き       あかね
       
   (しんりょうやぎんきをひとつたくにおき)
   

2009年9月12日土曜日

しゃじん(沙参)


ウオーキングをしていると思いがけない花に出あう。
ツリガネソウもその一つである。
風に揺れて今にもいい音をたてそう。
ゆるい斜面に一株だけ咲いていた。
夏 山百合が咲いていた斜面だった。
   
石段の真ん中白し草の花          あかね
     (いしだんのまんなかしろしくさのはな)
   
ここまで書いて、13日のNHK趣味の園芸で「しゃじん」が
取り上げられていました。
この花は「しゃじん」でした。ごめんなさい。
キキョウ科ツリガネニンジン属シャジンです。
  
草の花(秋の季語)

2009年9月6日日曜日

ムギワラトンボ


まさかトンボを捕まえようとは思ってもいなかった。
トンボも捕まるとは思っていなかったに違いない。

草の秀(ほ)にとまっているトンボの翅を、後ろから
そっと掴むと一瞬 間があった後、バタバタと暴れた。
うっかり夕焼けを見ていたら襲われたのだ。
トンボにしてみれば何がなんだか分からなかっただろう。

写真を撮るために持ち替えて、足を掴むと
私の指先をしきりに噛んだ。
渾身の力だろうに、少し痛いけれど傷つくほどではなかった。
この小さな生き物。
離してやると、すぐに明るい空に紛れてしまった。
     
 とんぼうの翅の乗せたる茜空       あかね
  
  (とんぼうのはねののせたるあかねぞら)
  
シオカラトンボ(雄)→ ムギワラトンボ(雌)

2009年9月2日水曜日

茗荷(みょうが)


「茗荷を採りに来ませんか」とNさんから誘いの電話があった。
もちろん、二つ返事で飛んで行った。
小雨の中、畑の一角にこんもりと茗荷が茂っていた。
胸ほどの高さの茗荷を掻き分けると、茗荷の子がびっしり。
潜るように屈むと、中は暗く根元まで光は届いていなかった。
「前人未踏だね!」
誰もまだ入ってない場所だったらしい。

例えば、林檎をもぎ取る楽しさがあるように
収穫の楽しさは、どんな作物にも共通してあるのだった。
袋いっぱいの茗荷の子があっという間に採れた。
茗荷の中にかがんで採った10分は
大きな喜びだった。
 
音すべて雨に吸わせる茗荷の子     茜
  (おとすべてあめにすわせるみょうがのこ)
    
地底まで潜るここちや茗荷採り     茜
   (ちていまでもぐるここちやみょうがとり) 
   
      
茗荷竹(春の季語) 茗荷の子(夏) 茗荷の花(秋)