野菜など頂き物が多いこのごろ、広島の学生時代からの友人は葡萄を送ってくれた。「ゴルビー」という初めての品種の甘さには驚いている。有難う!
果物のブルーム大事お中元 美
(*ブルームとは果物などに付いている白い粉状のもの)
俳句と野草のページです。 無断で写真を使う事は出来ません。
野菜など頂き物が多いこのごろ、広島の学生時代からの友人は葡萄を送ってくれた。「ゴルビー」という初めての品種の甘さには驚いている。有難う!
果物のブルーム大事お中元 美
(*ブルームとは果物などに付いている白い粉状のもの)
臭木は案外高木で上から枝が垂れ下がりその先端に咲いている。しかし、通る誰も気がつかない。「あ、臭木が咲いている」と仰ぐ人を見たことがない。関心がないだけの事だが。もうすぐ地区の草刈りで全部刈り取られてしまうのだ。早く頂いて活けなければと思った。
牡丹クサギはある農家の納屋の周りに咲いていたので、少し覗くと、びっくり、納屋の中まで咲いていたのだ。それほど繁殖力が旺盛らしい。顔見知りのそのお宅の方に、声を掛けて1本貰った。地植えにはしないで鉢に植えたその1本が1年経ってこんなにきれいに咲いたのだ。思っていたほど臭くはなかった。
田んぼまで下り坂なり臭木咲く 美
サブという犬
サブは迷い犬だった。黒い柴犬で生後6か月位だという。近所のIさん宅で飼うことになり、毎日朝夕の散歩をする度によく遇うことから私達もサブと仲良くなっていった。しばらくして「散歩のお手伝いをさせてください」と頼み夫と私で夕方の散歩をサブとするようになった。大事な犬をこちらの勝手で散歩の楽しみを分けてもらうなんて虫の良い話だ。サブはその時から初心者の私達を先導して、5メートルも歩くと後ろを振り返り、「大丈夫?ついて来れる?」とさっと目を合わせるのだった。ある時、私は夫と少しの諍いをして悲しい顔をしていたらしい。サブは私に駆け寄り、目をじっと見詰めたまま離れないのだ。どうしたのか最初は分からなかったが、彼は私を心配して動かないのに気付いた。「サブちゃん有難う。大丈夫よ」と繰り返し言うと、いつものように又先を歩き出した。この時まで犬が人の心を読むとは知らなかった。
サブは自分の主人に対して飛びついて甘える事も、手を舐める事もしなかった。ただ傍にいてじっと目を見つめて命令を待っているように見えた。自分の立場を分かっているかのように。穏やかなI家の人達の雰囲気そのままの気がした。学校帰りの子供達が頭や尻尾や耳を触ろうとひっぱろうと平気な顔をしてじっと動かなかった。吠えなかった。そんなサブも16年間元気でいたが亡くなった。私達はIさん宅の居間で通夜をして泣いた。本当に人間の友人を亡くしたかのように悲しかった。人間が出来ているという言葉があるが、サブという犬にも当てはまる言葉だった。今でも時折思い出すのである。
風涼し犬の逸らさぬ怜悧な眼 美