2011年8月22日月曜日

秋蝶(あきちょう)


      (アカボシゴマダラチョウ)
 何という蝶だろうか。
暑い日の夕方、庭に水を撒いている時に気づいた。
土の色に似て地味な色だった。
ゆっくりと翅を開いたり閉じたりして水を吸っていた。
口吻というのだろうか、舌のような黄色の管を
伸ばして、せわしなくその先を動かしていた。
  
翅の端はちぎれてギザギザになり、傷ついている。
10cmほどまでカメラを近づけても逃げない。
よろよろと移動しては水を吸う。
そんなに喉が乾いているのか、遠くから旅してきたのか。
聞いてみたい気がした。
次の朝にはもう姿は見えなかった。
    
   
   
 秋蝶の吹かれて来しか水を吸う   茜

 秋蝶の水吸う野辺や旅の果て    茜
    
   
   
秋の季語;秋蝶