2011年9月24日土曜日

紫ヒヨドリジョウゴ  


 「すみませーん」と叫びながら、自転車が
猛スピードで私達を追い抜いて行った。
その後をついて駆け抜ける集団があった。
疾走ともいえる走り方だった。
田んぼの周りは格好の練習コースなのだろう。 
近くの大学の学生達だと思うが、
その真剣な顔つきとスピードは、練習風景とは
言えないようだった。大事な記録を取るのだろうか。
      
一周してきて次に会った時には、その集団は
ばらけていて、もはや先頭がどの人なのか判らなく
なっていた。
速度のあるあの人が先頭なのだろうと思いながら
見ていた。
必死だろう一人一人の間が開き、やがて最後の
人が前のめりになりながら走って来た。
がんばれーと小さく口の中で言い応援した。    
ヒヨドリジョウゴの紫が道端で揺れていた。
   
   
  
 しんがりは一人で走る草の花       茜
   
   
  
秋の季語;草の花