2009年9月2日水曜日

茗荷(みょうが)


「茗荷を採りに来ませんか」とNさんから誘いの電話があった。
もちろん、二つ返事で飛んで行った。
小雨の中、畑の一角にこんもりと茗荷が茂っていた。
胸ほどの高さの茗荷を掻き分けると、茗荷の子がびっしり。
潜るように屈むと、中は暗く根元まで光は届いていなかった。
「前人未踏だね!」
誰もまだ入ってない場所だったらしい。

例えば、林檎をもぎ取る楽しさがあるように
収穫の楽しさは、どんな作物にも共通してあるのだった。
袋いっぱいの茗荷の子があっという間に採れた。
茗荷の中にかがんで採った10分は
大きな喜びだった。
 
音すべて雨に吸わせる茗荷の子     茜
  (おとすべてあめにすわせるみょうがのこ)
    
地底まで潜るここちや茗荷採り     茜
   (ちていまでもぐるここちやみょうがとり) 
   
      
茗荷竹(春の季語) 茗荷の子(夏) 茗荷の花(秋)