2010年4月15日木曜日

野焼き

                
                 (こちら側からも火が付けられた)
4月14日
箱根仙石原に車がさしかかると、沿道に大勢の人々が佇んで
いた。その視線の先に、野焼きの火があがっていた。
すすきの高原に火がつけられたのだ。
    
野焼きの火は一列になり、こちらへ向かって進んでいた。
火は風下から付けるのだろうか、煙を後ろへなびかせながら
静かに進んできた。
火が近づいてきたところで、こちら側からも火が付けられた。
すぐに、向こうからの火と一つになって大きく燃え盛った。
   
一転して風向きが変わり、観ている私達の方へ火の粉と共に
煙が襲ってきた。
皆、頭の火の粉とも煤ともつかない黒い灰を払った。
   
1ヶ月も遅れたという「野焼き」に偶然出くわし、火の勢いを
目の当たりにでき、なんと幸運だったことか。
時々聴く火にまかれる痛ましい事故を思うと、
一方向からのみ火をつけるやり方は、安全に思えた。
   
   
  煽られて野火一線に立ち上がる        茜
     (あおられてのびいっせんにたちあがる)
   
  野火うねり風を従え進みくる           茜
    (のびうねりかぜをしたがえすすみくる)
      
    
春の季語; 野焼き、野火