2021年12月2日木曜日

一本道、 塚本実画伯の絵画


なんと心地よい絵だろう。なだらかな丘陵を一本道は少し曲線を描きながら下って、小さな集落へ続いている。まるで私がそこに立っているような感覚を覚える。どこから歩いてきたのか、あと少し下ると耕された畑があり、人の営みがみえてくるだろう。この暖かでやさしい雰囲気は、何から出ているのだろうか。緑の濃淡は丘の起伏を想像させ、くっきりとした道は、人の往来を歓迎しているかのようである。向こうの家並みの一軒に赤い壁があるところも豊かな感じを醸し出している。この集落を過ぎると又丘を越えて人の営みは続いているのだろう。
(俳句誌、「波」の表紙になっています)


村へ入る道ゆるやかに枯野原   美代



 
近所の空地